【倉木麻衣×BARKS連載対談】最終回「出会いによって育ててもらって、新しい自分にも出会える」
■プライベートも含めて常に倉木麻衣として全力投球してきたんですね
■16歳からずっと、音楽がすべてでやってきたので
▲<15th Anniversary Mai Kuraki Live Project 2014 BEST “一期一会” ~Premium~>2014.12.6 @日本武道館 |
西室:ベストアルバム全曲制覇!とは言ったものの、何時間やればいいんだ?と(笑)。
烏丸:何でそんなこと言っちゃったんだ?と。
西室:しかも足しちゃってますからね。30曲じゃなくて36曲(笑)。
倉木:でも、あっという間だったんですよ。1年間ずっとライブをやってきて、最後にこれだけ自分自身で達成感を感じられたライブは今までになかったなと思ったので。やりきったという安堵感はすごくありました。
烏丸:ここ1年いろんなお話をうかがってきて、倉木さんが常々おっしゃっている、ライブでのお客さんとのコミュニケーションの大切さは、これを読んでくれている方にも伝わっていると思うんですが。今のお話を聞いて、本当にこの子はそうなんだなと思うわけですよ。
倉木:ふふふ。
烏丸:今の時代はSNSの普及もあって、アーティストが脚色したり隠し事をしたりすることが難しくなって、本当にその人の人間力が試される時代だと思うんですよ。だからこそ公開リハーサルのようなことにも意味があるし、本当にこのアーティストについていっていいんだということにもなると思うので。倉木さんとこの1年お話をして、言ってみれば、カッコいい発言やきれいな発言が多いんだけども、それが嘘じゃないんだなという、大変失礼な言い方になりますけども。何だろうこの子のピュアさは?と思うんですよね。
倉木:すごいまっすぐな性格なんです(笑)。それで自分自身が疲れる時もあるんですけども。今回グッズで『倉木麻衣の取扱説明』書”というものを出させていただいて、自分自身を分析して、“倉木麻衣はこうなんです”というものを改めてみんなに知ってもらおうと思ったのも、そういう意味があったんです。歌手って、そもそも歌うということは、自分の心情をストレートに、ピュアな部分が表れると思うんですよ。自分自身も音楽に対して正直でありたいし、自分の感じている思いを包み隠さず表現するということは、デビューした当時からずっと変わらないです。不器用なんですね、結局。
烏丸:その人自身が汚れていってしまえば、汚れた歌になるわけじゃないですか。そうではなく、人間としての魅力が輝き続けるためには、これは歌手に限った話ではなくて、サラリーマンだって学生さんだってみんな必要なことだし、みんなそこを求めてると思うんですよ。だって幸せってそこにあるから。倉木さんの歌や発言を聞いていると、そういう浄化作用があると思いますね。
倉木:自分が悩んでいても、それをポジティブな言葉に変えていくことによって、自分自身も救われるということはすごくあります。今までライブで歌ってきた応援ソングや、希望を感じられる歌は、今言ってくださったように、自分に対しても浄化してくれるものなんですね。そう考えると、常に自分自身に正直に音楽を作っていきたいですし、それを共有しているファンのみんなも同じ気持ちでいるんだなということを、ライブを通じてのコミュニケーションや、いただくお手紙から感じるので。みんなと一緒に共有できる倉木麻衣でいたいということは、すごく感じます。
烏丸:そこで、“みんなの倉木麻衣”になってしまう怖さはないですか。プライベートがなくなっちゃうみたいな。たとえばネット上で倉木さんについてのファンの気持ちを探してみると、普通に音楽が好きという方ももちろん多いですけど、たとえば親戚のおじさんがかわいい姪っ子を応援しているような、すごく親密な関係で、あたたかく見守るような空気がありますよね。
倉木:そうなんです。みんな家族のように(笑)。
西室:気がついたら、そうなってましたね。
烏丸:それはスタッフにもあるんですよ。
西室:ほんとですか? 確かに、遠い親戚のような気が(笑)。
倉木:この15年間で、尊敬できる方とたくさんお会いしてきて、自分ひとりではなく、育てていただいたという気持ちがすごく強いんですね。そういう面では、ひやひやするところもあると思うんですけど。
西室:いつも新鮮な気持ちでいられます(笑)。
倉木:15年やってきて思うことは、やっぱり出会いの大切さなんですよ。“一期一会”というテーマにつながるんですけど、出会いによって自分は育ててもらって、この先の新しい自分にも出会えるということが、倉木麻衣なんだろうなと思ってます。
烏丸:まだまだ、途中なんでしょうね。
倉木:そうですね。まだまだこれから、未知なることがたくさん待っているんじゃないかなと思います。
烏丸:娘ぐらいの年頃のお嬢さんに、人生訓をいただいたような気持ちですよ。その気持ちを僕はみなさんに伝えたい(笑)。
倉木:でもそれは本当にすごく感じていることで。今までも音楽がすべてで、プライベートも含めて常に倉木麻衣として全力投球してきたんですね。16歳からずっと、音楽がすべてでやってきたので。
烏丸:そうか。プライベートも倉木麻衣なのか。
倉木:そうです(笑)。すべてが音楽で、つまずいた時にも“私には音楽がある”という気持ちでやってきたので。もともと私は自分自身を表現することがすごく苦手なタイプで、でも音楽に置き換えれば、自分自身を発信することができるんじゃないかな?というのが常にあるので。ライブがなくなってしまうと、もぬけの殻みたいになってしまうんです。
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