3ピースバンド「ぐっとクルー」で、ロックンロールを再考

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3ピースバンド「ぐっとクルー」が2月4日にファーストアルバム『もたれないワールド』を発売する。また、彼らの映像第一弾として、2014年11月に行われたイベント<Catch A P-VINE>でのライブ映像が公開された。

◆ぐっとクルー画像

ぐっとクルーは、3.11以降、住まいを持たず日本中を歌いながら旅したシンガーソングライターの岡沢じゅんが2013年に結成したバンドだ。これまでには「音楽前夜社」から、ライブ限定のEPをリリースししている。ボーカル&ギターを担当する岡沢のチャーミングなキャラクターと自由なステージング、そして心を撃ち抜く歌詞とメロディは、"ロックンロール最後の妖精"と呼び声高い。

アルバム『もたれないワールド』は、8トラックカセットテープMTRにて一ヶ月かけて録音されており、あたたかなテープエコーに包まれている。レコーディング、ミックス、ジャケットデザインに至るまで、岡沢じゅん自身が担当し、マスタリングは、ゆらゆら帝国などの作品で知られるエンジニアの中村宗一郎が手がけている。

このバンドの魅力は、3.11以降に起こした岡沢の行動が物語る、持ち前の衝動性だろう。だから初め、今回の彼らの映像は荒削りな部分も目立つが、それはこうしたプリミティブなロックンロールに必要不可欠なものであり、加えて彼らはそれを全面に出すことでバンドのキャラクターとしてしっかりと確立している。そして、岡沢は一見ユルい雰囲気を持ちながらも、歌詞では「生と死」といった「観念」と正面から向き合う人でもある。その日記のように正直に綴られた心の記録を、3ピースならではの無駄のないタイトなサウンドに大胆にザクッと落としこんでおり、そこに彼ら特有のダイナミズムとロックの魔法を感じ取ることができるはずだ。「ロックンロール」を体現するバンドとして、2015年以降、期待したい3人組だ。


『もたれないワールド』

2015年2月4日発売
PCD-22383 ¥2,200(税抜)

<収録曲>
スープのあとに
マネーまねー
ニューヨーク
ペテン師のららら
茶色のJames
さようなら美しさ
チャーミングガンボ
ロマンチックソング
もたれないワールド
バンドのテーマ

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