【ライブレポート】Rayflower「こんなに天然でいいの?」
2014年12月28日(日)、<Rayflower LIVE 2014 WINTER>が東京 EX THEATER ROPPONGIで開催された。
◆Rayflower画像
2014年はRayflowerにとって躍動の1年だった。ミニ・アルバムとシングルとライヴDVDをリリースし、赤坂BLITZでのワンマン・ライヴもSOLD OUT、ツアーを2回も行うという精力的な活動を経て、1年の締めくくりととして行われるライヴが、EX THEATER ROPPONGIワンマンライヴ<Rayflower LIVE 2014 WINTER>だ。
開演予定時刻ぴったりにSEが響き、メンバーがステージに登場。彼らの原点である1stシングル「裏切りのない世界まで」でライヴはスタートした。Sakuraのタイトなドラム、IKUOの唸るベース、都啓一のドラマティックなキーボード、YUKIの華麗なギター、そして、圧倒的な声量と歌唱力で観客の心をわしづかみにする田澤孝介のヴォーカル。5人の生み出す音はまるで大きな固まりのように共鳴し合い、迫力ある空間を創り上げている。ライヴの前説MCが、メンバーを紹介する時に必ず「超絶」という形容詞をつけていたが、まさにその言葉がピッタリの5人である。個々のテクニックが「超絶」であると共に、5人の奏でる音が一つになったときの迫力が「超絶」なのだ。
2曲が終わったところで、場内暗転。Sakuraは上着を脱ぎ、都啓一はショルダーキーボードを準備した。全員で「Woo Woo」とコーラスをする「Border Line」の演奏が始まり、ステージに下りていた4本の照明用支柱がゆっくりと上がっていく。まさに戦闘開始の合図のようである。そして、田澤孝介がアカペラでワンコーラス歌ったあと、ハードなバンドサウンドが展開する「Garbera」、スリリングなスピードチューン「libra」等勢いがある曲が続く。拳を振り上げ、ステージと一緒に歌っている観客のテンションは、早くもマックスである。7曲目の「蒼い糸」では、天井から巨大なミラーボールが出現して、会場の雰囲気は一変。ミディアム・バラードという落ち着いた曲調ながら、音数が多くて力強い演奏からは、強者ぞろいで一筋縄ではいかないRayflowerの真骨頂が伝わってくる。
曲終わりで田澤孝介がステージからはけると、各メンバーのソロ・コーナーへとつながっていく。まずはIKUOがスラップ、速弾きなどをはじめとする、多彩なベース・プレイを披露。続いて、それだけで曲になってしまうようなメロディアスな都啓一のキーボード・ソロ。そこにYUKIのギターがカッティングで加わり、そのまま泣きのギターフレーズを織り交ぜた速弾き満載のギター・ソロへ。そして、ジャズ・テイストの4人のインスト演奏を経て、Sakuraのドラム・ソロにつながっていく。いろいろなリズム・パターンを駆使して打ち鳴らすドラムスにあわせて、観客から自然発生的に手拍子が沸き上がり、Sakuraも嬉しそうだ。このソロ・パート以外にも、各プレイヤーの短いソロを盛り込んだ楽曲が何曲かあり、テクニカルなメンバー揃いであるRayflowerのライヴの大きな特徴になっている。
短いMCはあったものの、9曲を一気に演奏したあと、ようやく田澤孝介がゆっくりマイクに向かって話し始めた。「結成以来、こんなに動いたのは、初めて」と今年を振り返ったのち、「ファンクラブ発足に伴い、ファンクラブ名と同じ曲を作った」といって、次の曲の紹介をする。「Shining GARDEN」というタイトルのその曲は、ぬくもりのあるバラードで、彼らのファンに対する想いがあふれている。
続く「Words Of The Wise Man~時の贈り物~」もちょっとキュートなテイストのミディアム・ナンバーで、それまで張りつめていた会場の空気がほっこりとなごむ。全員の演奏スキルが高く、スーパーバンドと呼ばれるバンドは、演奏があまりにもテクニカルすぎて、人間味が乏しい場合が少なくない。しかし、Rayflowerがそうでないことは、ライブを体験すれば一目瞭然だ。曲によってエモーショナルだったり、あたたかかったり、ドラマティックだったりと、とても人間味に満ちた演奏を聞かせてくれる。歌詞の一言一句がはっきりと聞き取れる田澤孝介の歌も相まって、彼らの楽曲はストレートに観客の心の中に飛び込んでくる。
次のMCでは、さらに人間味あふれるシーンが用意されていた。メンバー全員が順番にトークをするのだが、これがかなりゆるくて、観客は笑いっぱなし。「あの超絶な演奏をしていた人たちが、こんなに天然でいいの?」と誰もが思ったに違いない。しかし、そのゆるいトークの中にも、彼らなりの感謝の気持ちがこもっていて、観客をあたたかい気持ちにしてくれる。
全員参加の長めのMCが終わったあとは、エンディングに向けてラスト・スパート。会場中がタオルを振り回すアップテンポの「Make A Judgment」、ヘヴィな「Runaway Brain」、観客がジャンプを繰り返すタテノリの「CARDIO BURN」、ポップな「SOCIAL NETWORK GENERATION」と立て続けに勢いのある曲を演奏して、会場のボルテージをさらに加速させていく。
そして、最後に、来年5月5日に渋谷公会堂でライヴをやることが発表された。もちろん、彼らにとっては初めての、そして最大キャパの会場である。さらに、田澤孝介が「2015年は2014年よりも、もっと密度の濃い活動をします!」と、宣言。Rayflower2014年最後のライヴは、ハッピーオーラ満載の「U-TOPIA」の演奏で幕を閉じた。次の目標のために既に走り始めているRayflowerの、2015年のさらなる飛躍を期待したい。
取材・文◎大島暁美
■<Rayflower5th Anniversary 「Anthesis at GARDEN」>
16:15開場/17:00開演
全席指定 \6,500 ※3歳以上チケット必要
[問]DISK GARAGE:050-5533-0888
※チケット一般発売などの情報は後日発表
■<オフィシャルファンクラブ「Shining GARDEN」発足>
公式サイト: http://www.rayflower.net
Mail:info@rayflower.net
※正式発足2015/3/1までのお問い合わせ先です。
◆Rayflowerオフィシャルサイト
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