ボブ・ディラン、新作は一発録り、オバーダブも一切なし
ボブ・ディランの3年ぶり通算36作目となる新作スタジオ・アルバム『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』が、2015年2月4日(水)にリリースされることが明らかになった。
◆ボブ・ディラン画像
本作は“ジャック・フロスト”という変名でボブ・ディラン自身がプロデュースを手掛け、レコーディングはすべて一発録り、多重録音や仕掛けを施すことなく曲に命を吹き込んで制作した新作アルバムだという。
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「このアルバムを作ったのは本当に光栄なことだった。こういうものをずっとやりたいと思っていたが、30人編成の複雑なアレンジを5人編成のバンドで行う勇気を持つことがなかなかできなかった。今作の演奏はすべてそれが鍵になっている。私たちはこれらの曲をこれ以上ないくらい熟知していたから、すべて一発録りで録音した。曲によっては2テイクくらいはかかったが、オーバーダブも施していなければボーカル・ブースもヘッドホンも使わず、別々のトラッキングも行わなかった。そして何よりも、録音されたままの形でミキシングを行なった。自分ではこれらの曲はどう見てもカバーとは思っていない。もう十分カバーされてきた曲たちだから。というか、カバーされすぎて本質が埋もれてしまった。私とバンド・メンバーがやっているのは、基本的にそのカバーを外す作業だ。本質を墓場から掘り起こして、新たな命を吹き込んだのだ」──ボブ・ディラン
「ストリングスも、あからさまな管楽器も、バック・グラウンド・ヴォーカルも、スタンダードなバラードのアルバムによく見られる他の仕掛けも一切ない。その代わり、ボブはこれらの曲に新しい命を吹き込み、今日的な意味を見いだしたのだ。素晴らしい作品であり、もうすぐ世界にお届けすることを私たちは非常に楽しみにしている」──米コロムビア・レコーズ会長 ロブ・ストリンガー
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ボブ・ディランは新作リリースのほか、続々と再発されている旧譜にも注目だ。2014年春に行われた来日公演に伴って実施されたキャンペーン<ディラン祭り>では、全オリジナル作品、ライブ、ベスト盤を含む43作品がすべて紙ジャケットで復刻したほか、30周年記念コンサートの映像作品とCDがリリースされている。11月19日(水)には歴史的作品『ベースメント・テープス・コンプルート:ブートレッグ・シリーズ第11集』が発売され、12月24日(水)には究極の神ジャケ・プロジェクト第4弾として、1990年から2000年代までのオリジナル作品10タイトルが再発される。
ここ15年の間にボブ・ディランが発表したスタジオ録音5作品は、自身のキャリアの中でも最高傑作と絶賛され、新たなレベルの商業的成功を収め、グラミー賞を多数受賞するなど高い評価を博した。その他にも近年、アメリカ合衆国文民に贈られる最高位の勲章である大統領自由勲章をはじめとして数々の栄誉を授受している。これまでに全世界で1億2500万枚以上のアルバムを売り上げているボブ・ディランだが、今作にも全世界からの注目が集まることは必至だ。
ニュー・アルバム『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』
1.I'm A Fool To Want You
2.The Night We Called It A Day
3.Stay With Me
4.Autumn Leaves
5.Why Try to Change Me Now
6.Some Enchanted Evening
7.Full Moon And Empty Arms
8.Where Are You?
9.What'll I Do
10.That Lucky Old Sun
◆ボブ・ディラン・オフィシャルサイト
◆ボブ・ディラン・オフィシャルサイト(海外)
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