DANGER CRUEのオーディション企画は関西代表「umbrella」が優勝

ポスト

2015年12月5日、大阪ESAKA MUSEにてマーヴェリックDCグループとソニーミュージックが主催する<J-ROCK EXPLOSION 2014“BATTLE OF THE BRAVE”[FINAL IMPACT]>が開催された。

◆<“BATTLE OF THE BRAVE”[FINAL IMPACT]>画像画像

本イベントは1年を通して東西で行われてきたバトル式ライブイベントの決勝戦となり、東西それぞれのイベントを勝ち抜いた2組が生のライブで決戦。勝者にはT-FM「JACK IN THE RADIO」へのゲスト出演権、マーヴェリックDCグループ街頭ビジョン枠1カ月分、ニコ生「でんじゃーくるーチャンネル」特番放送権、DANGER CRUE RECORDSリリース曲のMV制作、さらにソニー·ミュージックレーベルズへのプレゼン権が贈られるなど、今後の活動への強固な布陣となる賞品の数々が贈与される。

出演は東日本で開催された<DEAD EAST>を勝ち抜いた“叙情四重奏「カノン」”、西日本で開催された<DEAD WEST>を勝ち抜いた“umbrella”の2組。両者はすでにDANGER CRUE RECORSからのリリース権を勝ち取っており、先に述べたさらなる豪華副賞を得るため、全力のパフォーマンスで対決することに。投票は会場に駆け付けたオーディエンスからの直接投票だけでなく、公演に先駆けてDANGER CRUE公式LINEアカウントによる投票バトルも行われ、さらにニコ生で生放送されたアンケートでも投票されるなど、全国規模で勝者が選ばれることになっている。

定刻を過ぎたころ、ステージに登場したイベントマスコットキャラ“激子”がイベント主旨を説明。その紹介を受け、1番手に登場したのは東日本代表バンド、叙情四重奏「カノン」だ。活動開始から半年も経たずして本イベントに出場したという彼ら。新人バンドとしては異例ともいえる決勝進出とあって、その実力は計り知れない。ステージを盛り上げるため1曲目に選んだのは、DANGER CRUE所属バンドのコピーである(カバーは本イベントの名物でもある)シドの「御手紙」。先輩バンドの楽曲の勢いを借りつつ、悠(Vo)の切なげな歌声がオーディエンスを惹きつけたかと思いきや、2曲目に披露された「群青」では一気に重厚感あるサウンドを聴かせる。イオ(B)の弾き出すリズムが心地良いアッパーなサウンドにファンは豪快なヘッドバンキングで応える。




驚くべきことに、彼らは大阪でのステージはまだ2回目なのだとか。アーティスト本人はもちろん、オーディエンスも探り探りの状態ながら、ここから続くステージではそんな素振りを一切見せない力強いステージングで魅了していく。1stシングル「雨の終列車」ではバンドが持つメロディセンスの高さを見せつけ、次曲「宵花火」ではスピード感がありながらも、ポップで心地良いリズムに体が揺さぶられる。「僕たちを楽しませてくれてありがとうございます」という言葉の通り、このイベントを心から楽しんでいるのはメンバー自身なのかもしれない。ステージも終盤、「右手のカッターと昂揚感」からラストへ向け、メンバーの勢いが加速していく。「めちゃくちゃやろうぜ!!」 悠の言葉に拍車をかけるべく、魅影(Dr)が跳ねるようなリズムを弾きだし、Shuri.Inc(G) が強気なメロでオーディエンスを煽っていく。ラスト「鞭と嫉妬と赤い絲」、激しさを見せつつもバンド名のままに4人の奏でる音が気持ちよく体にぶつかり、初見のオーディエンスも思わず前方へと詰め寄っていく。全6曲のステージはあっという間に終わりを迎えた。ステージの途中、「もし優勝したら、今夜イオが道頓堀の川に飛び込みます!!」と宣言したが、この約束は果たして叶えられるのか。これから登場するumbrellaのステージにも期待が高まる。




儚げなSEが鳴り渡り、次に登場したのは西日本代表バンド、umbrella。傘を差した唯(Vo&G)が静々とステージに登場し、1曲目「セカイノオワルヲト」へ。静寂の中、静かに湧きだす感情を音に変えた楽曲は水のようにするすると体に染んでいく。この日がライブ初披露という新曲「造花」では、春(B)の弾き出すリズムの力強さ、将(Dr)の豪快なリズムに、初めて聴くとは思えないほど気持ちが惹きつけられた。柊(G)がアコースティックギターに持ち替え、暗がりの街灯の下で歌うように始まった「微熱」。静かな情景が続くかと思いきや、突如として叩きだされたパワフルなバンドサウンドに驚かされる。静と動を見事に使い分けた楽曲陣、哀愁を見せたかと思えば、暴力性を孕むようなサウンドで次々にオーディエンスをひきつける。唯の高音域を使い分けた歌声、美しいコーラスが透明感ある情景を切々と描いていく。激しいだけでなく、しっかりと「歌を届けたい」という姿勢が伝わるのも彼らの魅力のひとつかもしれない。「流星群」や「door」と楽曲が続けて披露され、柊や春は笑みを浮かべながらも、豪気なサウンドでオーディエンスを煽り続ける。




ステージ後半で披露したのはMUCCのカバーで「蘭鋳」。「もっとこいやぁーーー!!」。地を這うようなデスヴォイスが会場に響き渡る。たった1曲、先輩アーティストの楽曲とあっても、その存在感に負けじと自分たちのバンドの色を加え、ステージの勢いを加速させる増強剤へと変えてしまう。8曲目「witch?」からは「蘭鋳」の勢いを保ったまま、これまでとガラリと変わった激しく重低音を効かせたサウンドで会場を揺さぶっていく。「まだ遊べるか、大阪!!飛んで来い!!」。唯の煽りは激しさを増す。会場中をひりつかせるデスヴォイス、ダンサブルな楽曲にメンバーもオーディエンスも一緒になって踊り乱れる。ラスト「レッドシグナルデイ」で全力で拳を突き上げ吠えるように歌う唯、所狭しと暴れまわるメンバーの姿は、ステージに登場した時とはまるで人格が変わったかのように見えるほどだ。全9曲、最後の最後まで全力で突き進んだステージが終了した。メンバーが去ったあと、イベントは残すところ結果発表のみとなった。


会場では即座に投票、集計が行われ、その場で結果が発表された。東西で行われてきた本イベントを見事勝ち抜いたのは、24000ポイントを得たumbrella!!大きな拍手で迎えられるなか、メンバーが登場し、会場やネットを通じてイベントに参加してくれたオーディエンスに感謝の気持ちを伝えた。「1年を通じてやってきたイベント、ついてきてくれたお客さんに感謝したい。決勝に出ることで得たCDリリースはみんなへの恩返し。期待を裏切らないように頑張りたい」と、照れているのか、唯は控えめに言葉を述べた。様々な副賞を勝ち取り、力強いバックアップを得ることになった彼ら。これからの活動にぜひとも注目してほしい。

文◎黒田奈保子
写真◎廣江修




叙情四重奏「カノン」、umbrella セットリスト

叙情四重奏「カノン」
1.御手紙(シド カヴァー)
2.群青
3.雨の終列車
4.宵花火
5.右手のカッターと昂揚感
6.鞭と嫉妬と赤い絲

umbrella
1.セカイノオワルヲト
2.造花
3.五月雨
4.微熱
5.流星群
6.door
7.蘭鋳(MUCC カヴァー)
8.witch?
9.レッドシグナルデイ

◆J-ROCK EXPLOSION 2014 オフィシャルサイト
◆umbrellaオフィシャルサイト
◆叙情四重奏「カノン」 オフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系 V-ROCK
この記事をポスト

この記事の関連情報