【イベントレポート】サカナクション・山口、2045年の音楽を語る

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2015年1月3日午後7時30分から全5回にわたって放送されるNHKスペシャル『NEXT WORLD 私たちの未来』。この番組の制作発表会見が12月2日に都内で開催され、番組ナビゲーターを務める神木隆之介と、テーマソングを担当するサカナクション、そしてテクニカル演出を手がけた真鍋大度(ライゾマティクス)、衣装デザインの森永邦彦(アンリアレイジ)が出席した。

◆NHKスペシャル『NEXT WORLD 私たちの未来』会見の模様 画像

『NEXT WORLD 私たちの未来』は、テクノロジーは私たちの生活をどのように変えるのかをテーマに、ドキュメント取材と近未来ドラマで構成されるシリーズ番組。ビジネス、医療、娯楽など私たちの身の回りで日々出現する新たなテクノロジーをかみ砕き、5回に渡って、それが未来をどのように変えていくのかを探っていく。

全5回放送の中でも、自分がドラマパートも演じた人工知能の回にとりわけ興味を持ったという神木隆之介。ドラマで描かれている、今から30年後の2045年には51歳だという話を聞いたサカナクション・山口は、「まず、神木君が21歳だということにびっくりしました。」と、報道陣を笑わせた。

そんな山口一郎、テーマソング制作にあたって未来的な部分をどのように取り込んだかという質問に、「未来はどんな音楽になっているかっていうのは、やはり、どんなテクノロジーが世の中に浸透しているかという部分にすごく影響するのかなと思いながら、ただ、ひとつだけ絶対なくならないだろうなと思ったのは、やはり、音楽ってのは心を伝えるものとして未来には残っているだろうなと思ったし、そういった点で、歌というものは、ずっと残っているんだろうなと思いました。」と、コメント。「どれだけサウンドがデジタル化していって、たとえ人間が作る音楽じゃないものが未来の音楽として残ったとしても、それに対して人間が歌うということはきっと残るだろう」という推測から、デジタル的なサウンドの中に生っぽい歌を上手く残したという。

なお、番組に関連して、オフィシャルサイトでは、真鍋大度率いるクリエイティブ集団・ライゾマティクスが開発するA.I.(人工知能)「SYMPHONY」を用いたコンテンツも用意。ユーザーひとりひとりの好みを分析し、それにあったアバターのスタイリングや、番組テーマ曲のリミックスを提供する。

番組第1回は、2045年の台場・日本科学未来館を舞台にしたライブショー<NEXT WORLD LIVE>で幕開け。実際、番組内で日本科学未来館から生中継されるほか、オフィシャルサイトを通じて視聴者もアバターという形で参加できる仕組みを現在制作しているという。ライブについてサカナクション・山口は、「30年後の未来というものを、音楽だけじゃなくビジュアル的な部分含め視覚化していくと、今の現代の僕達が未来をイメージしたアートであったりそういったものが、そこのテレビの中で映しだされるのではないかな、と。あと、音楽だったりそのエンターテイメントってものに欠かせないものとして、観る側、視聴者ですよね、そういった人達とエンターテイメントの関わり方みたいなところもぜひ注目して見ていただけたら。」と、話した。

「この作品に携わることができて、本当に嬉しいなという思いが大きくあります。僕自身、未来とか、今から先のこととか、すごく興味があったので、演じなから勉強になりましたし、あらためて未来についてもう一度考えるきっかけとなる作品だなと思いました。ぜひ観てくださった方に、そういう未来についてということを考えるきっかけになったらいいなと思っております。」── 神木隆之介

「今回NEXT WORLDという番組で、僕たちサカナクションは音楽を担当させていただきました。音楽というものはテクノロジーの進化によって変化していったジャンルだと思います。なので、僕たちの考える未来の音楽がどういうものになるのか、あらためて自分たちなりに考える、よいきっかけをいただけたことに感謝します。テーマが「30年後の音楽を作ってください」ということだったので、30年後、どんな音楽が世の中で鳴っているかをイメージして取り組んでいったのですが、はたして歌が未来に存在しているのか、音という概念がどうなっていくのか、そういうことをイメージしながら作ったサウンドなので、この番組を観て、僕たちの音楽を聴いて、何かしら感じてもらえることがあったら嬉しいなと思っております。」── 山口一郎(サカナクション)

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

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