【ライブレポート】中島卓偉「変わろうとすることで、文句を言う奴がいるかもしれない。関係ねえよ、お前の人生だろ、好きにやろうぜ。」

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去る10月19日、36歳の誕生日でもあった中島卓偉が、デビュー15周年を締めくくるライブ<中島卓偉 謝恩祭!! 15周年ファイナル「REQUEST OF BEST」>を赤坂BLITZにて開催した。ライブ中には、卓偉の誕生日をお祝いするため、田中れいな(LoVendoЯ)と渡瀬マキ(リンドバーグ)が卓偉本人にもサプライズでステージに登場。卓偉からは12月3日にニューシングルのリリースなどが発表された。

そこで、当日のライブレポートと、ライブとも関係する12月3日リリースシングル「続けろ/Please Mr.GUARD MAN」のDVD収録映像についての情報をここでお伝えしよう。

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事前にファンからのリクエストを募って、その上位TOP30を披露するというコンセプトで開催されたこの日のライブ。ファンからの支持が高い曲、それはつまり中島卓偉の人気曲が次から次に披露されるということ。想像するまでもなく、オーディエンスは終始大盛り上がりとなった。……まぁ、もっとも、中島卓偉が個人的に歌いたかった曲はことごとく入ってないという、ある意味“お約束な”「15年、お互いに分かり合えんなー。」というMCで笑いが起きる一幕もあったわけだが。

「お前らこの曲忘れとるやろ!」と、1曲目「DO IT BOYS&GIRLS」。そんなはずはなく、フロアを埋めた観客は口ずさみながら、頭の上でクラップして大盛り上がり。ちなみに今回、ステージ背面には大型のミラーを3枚設置。熱狂するフロアを映し出すそれらの効果で、ステージはまるで360度オーディエンスに囲まれているかのような錯覚を覚えさせる。

さらなる歓声を要求する仕草とともに「行こうぜ東京!」と叫ぶ卓偉。そして「ひとりになることが怖かった」。卓偉は溢れ出す感情で、メロディーではなく歌詞を撃ちながら、1200人のオーディエンスひとりひとりに訴えかけていく。無数の腕が揺れて大合唱に包まれる赤坂BLITZ。そして鋭さと切なさをもってどこまでも響いていきそうな卓偉のシャウト。

それは感動の大団円たる様相を呈していた。まだ4曲目である。

この日の衣装は、15年前に「UP TO DATE」のミュージックビデオで着ていたショッキングピンクのスーツ。「体に緊張感を持って生きてきた」という卓偉は、15年前の服を着ることができるだけでなく、当時より1Kg痩せて緩いくらいだという。20代から30代に。世間で言われるように“痩せなくなってきた”年齢に突入している卓偉だが、そのひたすらまでのストイックな生き方は尊敬に値するばかりである(なお、終演後、記者と卓偉くんは「40代になったらもっと痩せられなくなりますよ」「お互いに健康に気をつけないといけない年齢ですよね」と、ライブとまったく関係ないよくわからないトークを交わしたことは、完全なる余談である)。ちなみにこのスーツ、照明と交差することで、ショッキングピンクにもサーモンピンクにも、そして赤にも見える。それはまるでいくつもの顔を持つ中島卓偉のようなスーツである……と、本人ならそう言うのだろう。

リリースされた当時はまったく人気がなかったという「メッセージ」で、テレキャスターを弾きながら、熱狂する観客のほうにチラリ目をやって、ニヤリ。そしてハンドマイクに持ち替えての「蜃気楼」のドライブ感で強烈な求心力を発生させたかと思えば、オレンジの光に照らされながら、“君”に宛てられたメッセージソング「存在」を熱唱する卓偉。見事なライブ後半の様相を呈しているが、まだ全曲の1/3が終わったところである。

「この鏡の後ろにはキーボードがセッティングされています!」と、スタッフの手によって、これまでオーディエンスの姿を写していた大型ミラーが移動され、キーボードがステージ上に姿を現す。そして、「僕の先生です!」という言葉で、スペシャルゲストを呼びこむ。中島卓偉+キーボードといえばもちろん、FLYING KIDSのキーボーディスト・飯野竜彦。両者はステージ上で握手を交わして、そして、ミラーボールに反射される光と飯野の鍵盤の音色によって彩られたメロウな空間の中で「キャンディの涙」。さらにアコギ(Epiphone Texan)を鳴らしての「NEVER FADES AWAY」で、大合唱を巻き起こす。

TRICERATOPSの和田唱、ZIGGYの森重樹一からのコメント映像の上映と衣装チェンジを経て、「いくぜ、やるぜ!」と会場を煽っての後半戦は、中島卓偉のアグレッシブなロックをこれでもかと並べたセットリストで展開される。それはパワフルにスリリングに、ひたすらに熱く激しいステージ。会場の興奮度もMAXに達したまま、飛んで跳ねて、熱量ばかりが青天井のように上がっていく。

「お前らのわがままに答えるぜ」と、ライブでセットリストに加えても加えなくてもファンから文句を言われるという「Calling You」。ランキング2位の人気曲だけあって、バンドの演奏すらかき消さんとするオーディエンスの歌声響く赤坂BLITZ。そんなオーディエンスを前に卓偉も嬉しそうな顔を見せて「ありがとう!」と叫ぶ。それは、これからという今をともに生きる喜びをかみしめているかのような笑顔で。

「今抱えてる夢を絶対、諦めんなよ!どんなことがあっても!」と、リスナー気持ちを強烈に鼓舞させていく「どんなことがあっても」へ。「絶対うまく行くから!」と背中を押し続け、生きる勇気を与え続ける中島卓偉。あながち、「お前らの生きる希望」というのも、その通りなのである。そしてステージを深紅に染める「イノヴェイター」で、突き刺すような、スリリングなサウンドを放てば、煌々と照らされながらの「YES, MY WAY」。運命を掴まんと自分の信じた道を行こうとする無数の腕に、「行けよ!」とシャウトする卓偉。さらに本編最後は「ピアス」。スポットライトの中で、天を指差した中島卓偉に大きな拍手と歓声が送られていた。

ところで、この一連の展開で、ちょっとしたハプニングが起こっていた。「イノヴェイター」の次に披露された「YES, MY WAY」。実はこの曲はこのタイミングで歌われる曲ではなく、当初はアンコールで披露される1曲となっていた(開演前、関係者に配られたセットリストには「PUNK」の次が「YES, MY WAY」となっている)。とはいえ、本番直前にセットリストが変わることくらい、よくある話。ではいつ変更になったのかというと、なんとステージ上。しかも「イノヴェイター」を歌い終わった後。会場の熱気と勢いのまま、卓偉が「YES, MY WAY!」とコールしてしまったために、バンドメンバーが急遽、次に披露する曲を「ピアス」ではなく「YES,MY WAY」に変更したという。事前に何も聞かされてなくても(ある意味、中島卓偉の勘違いなのだから、聞かされていないのは当たり前なのだが)、突然の変更に即座に対応できてしまうバンドメンバーの恐ろしいほどのプロフェッショナルっぷりである。

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