【インタビュー】倉木麻衣、15周年ベスト盤に「願いを叶えることができた」
■“HOPE”はライブの印象が強い曲が多いんですよね
■作曲家さんたちとの出会いもあって作ってきた曲が“LOVE”に
▲『Mai Kuraki BEST 151A -LOVE & HOPE-』通常盤 |
▲『Mai Kuraki BEST 151A -LOVE & HOPE-』FC & Musing盤 |
倉木:これは「無敵なハート」からの「DYNAMITE」ということで…。
──すごいですよね。どんどん強くなる(笑)。
倉木:そうですね(笑)。「無敵なハート」は、自分の弱い気持ちに負けない!という思いで作ったんですけど、「DYNAMITE」は、そこからさらに“やるぞ!”という情熱を爆発させて、エネルギーに変えてほしいという思いで作りました。楽曲を選曲していく中で、まさにこの曲を15年周年のベストの新曲として入れたいなと思って、作っていった曲です。最初に聴いた時には“新しいジャンルだな”と思って、今までいろんなことにチャレンジしてきたからこそ、今だからこそ歌える楽曲なのかな?ということを感じていました。Aメロ、Bメロ、サビへと、けっこう複雑な展開になっているので、そのへんも、いろいろやってきたからこそ歌える曲だと思います。あと「DYNAMITE」は、歌詞を書く時に楽しみながら書けたんですよ。歌詞を書く時って、悩んだり煮詰まったりすることも多いんですけど、「無敵なハート」に比べてもすごくすんなり書けた気がします。“私、怖いものなんかない!”っていう感じで書けたのは、それまでに1曲1曲消化してきたものがあるからなのかな?と思いますね。最後に“ぶっ飛べyour DYNAMITE”と言ってるんですけど…。
──字面だけ見ると、すごいこと言ってるなと。
倉木:ふふふ(笑)。まだまだ自分の中に見出せる、可能性や情熱に向かっての熱い思いを爆発させることによって、“みんなともっともっと頑張っていけるよ”という想いにつながると思ったので。「無敵なハート」を作ったことで、“私、無敵になったよ!”という1曲です(笑)。
──“HOPE”はアップテンポの曲が多いので、初期のR&Bスタイルから、ラテン調の「Revive」があったり、「TRY AGAIN」あたりからはエレクトロに接近したり。15年間のサウンドの変遷がよりよくわかる気がします。
倉木:“HOPE”はライブの印象が強い曲が多いんですよね。たとえば「Revive」をリリースした頃は、ライブをやったりイベントをやったり、“今日は何日だっけ?”というぐらい忙しい日々を送っていたんですけど、だからこそ情熱的な、ラテン系の曲ばかり聴いていた時期でもあって。「TRY AGAIN」や「Wake me up」で、エレクトロっぽい曲調にチャレンジしているのもそうですね。そういう、時代によって自分自身の思いが音楽に反映されているという軌跡も感じられると思います。
──バラード中心の“LOVE”のほうでは、何かターニングポイント的な曲はあります?
倉木:ちょうど「会いたくて…」をリリースした時には、ライブをどんどんやるようになっていた時期なので。まさにライブを意識して作った楽曲になったという意味では、ターニングポイントかもしれないです。あと「Your Best Friend」は、ジョルジョ・カンチェーミさんとコラボレーションさせていただいた時期の1曲で、また新しい世界観がある曲なんですよ。その時々によって、まさに一期一会な楽曲との出会いもあるし、作曲家さんたちとの出会いもあって、作ってきた曲が“LOVE”には入ってますね。
──あと、「儚さ」が入ってるのがうれしいですね。当時はDVDでのリリース(『Symphonic Collection in Moscow』)だったので、ちょっとしたレア曲というか。
倉木:「儚さ」は、シンフォニック・ライブでご一緒させていただいた、指揮者の藤原いくろうさんの楽曲です。中国の映画で『画皮』と言う作品の主題歌にさせていただいたので、ほかのバラードとは違って、よりアジアなテイストがあるんですね。まさにシンフォニックにぴったりの楽曲なので、そういうアレンジでDVDに入れさせていただいたんですけども、ここに収録されているのは映画で使われたアレンジになっています。
──このバージョンは、CDには初収録ということで。
倉木:そんなふうに、楽曲の思い出はいろいろありますね。最近の曲だと「STAND BY YOU」が入っていますけど、これはカンボジアに学校を建てたいという活動に協力する中で、できあがった楽曲で、みんなもその活動に賛同してくれて、またひとつ強いつながりができた曲だと思うので。みんなの愛をいただいてできた曲なので、“LOVE”というテーマにふさわしい1曲かなと思います。
──“LOVE”は1曲目が「Stay by my side」で、15曲目が「STAND BY YOU」。なんとなく響きも似ているし、テーマも似ているような気がします。
倉木:そうですね。そばにいて支える、ということなので。でも「Stay by my side」は、あなたと寄り添いながら、忘れたくない思いを持って、夢に向かって頑張っていくんだという曲なんですけど、「STAND BY YOU」のほうは、支えあうことの大切さを感じられる曲なので。ちょっと意味合いは違うんです。
──ああ、そうか。それは15年間の考え方の変化かもしれない。
倉木:今歌っているデビュー当時の曲、「Stay by my side」「Secret of my heart」とかは、ずっと歌って来ましたけど、その年代によって気持ちが変わっていくということはあります。不思議ですよね、音楽って。その時々によって、自分をリンクして、詞がすごく入ってきたりすることがあるんですよ。
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