【ライブレポート】怒髪天、中野サンプラザ公演で「最高だ！ バンドやってきてよかったわ！」
怒髪天が、10月20日に東京・中野サンプラザにてワンマンライブ＜ドハツの日（10・20）特別公演 怒髪天スーパーライブ～秋の大感謝祭“30（サンジュー）ベリーマッチ”～＞を開催した。
◆怒髪天 画像
2013年10月20日に京都・磔磔にて行われたライブで「毎年10月20日、必ず日本のどこかでライブを行う」と、宣言した怒髪天。その実現となる今回のワンマンライブは、現在開催中の47都道府県ツアーとは内容の異なる（そして内容は一切事前に明かされない）、一夜限りのスペシャルステージとして実施された。
舞台の緞帳が開くと、そこにはメンバーの増子直純（Vo）、上原子友康（G）、清水泰次（B）、坂詰克彦（Dr）に加えて、サポート・メンバーとして、カトウタロウ（G）と奥野真哉（Key）の姿が。カトウが全曲サポートを務め、曲ごとに奥野または4人組ホーン・セクションのYOKAN＆お茶の間ホーンズが参加して展開されたこの日のライブ。2014年1月の日本武道館初ワンマンでも、全曲4人だけで演奏しきった怒髪天だが、今回は増子自身「武道館でできなかったことを全部やってやろう」とMCで話していた通り、サポート・メンバーとともに楽曲を完全再現する意欲的な試みとして行われた。
「地獄で会おうゼ！」「己 DANCE」など、30周年記念盤第一弾アルバム『男呼盛“紅”』の楽曲や、「独立！俺キングダム」をはじめ、フルアルバム『ドリーム・バイキングス』からの楽曲、さらに「欠けたパーツの唄」、「GREAT NUMBER」、「枯レ葉ノ音」、「雪割り桜」といった歴代の名曲を本編20曲に凝縮、終始観客の大合唱が渦巻く熱演を繰り広げた怒髪天。
「あえて荒野をゆく君へ」など、随所で炸裂したカトウ＆上原子のツインギター。奥野のピアノプレイがストレートなロックンロールにブギーの躍動感を与えた「ロックバンド・ア・ゴーゴー」。シャッフル・ビートのロックンロールが、ホーン・サウンドによってグラマラスなスウィング・ナンバーとして響いた「喰うために働いて 生きるために唄え！」。この日ならではの音楽的な彩りを得て、怒髪天の鍛え抜かれたロック・サウンドがいっそう強度を増し、増子が声を限りに歌い上げる人生ドンマイ感が格段にリアルに伝わってくる。
10人編成で繰り出す「セバ・ナ・セバーナ」の開放感で本編を締め括った後、アンコール1曲目では、11月26日にリリースされる30周年記念盤第二弾アルバム『歌乃誉“白”』のリード曲となる「ひともしごろ」を披露。怒髪天の4人とカトウ＆奥野がスタンバイした舞台に響き渡るストリングス・サウンド。すると、舞台後方の幕が開き、8人編成の弦楽隊が登場！ 雄大なロック・バラード「ひともしごろ」のスケール感までも完全再現してみせたこの日のアクトは、「歩きつづけるかぎり」、「オトナノススメ」で圧巻のフィナーレを迎えた。「最高だ！ バンドやってきてよかったわ！」と万感の想いで叫び上げていた増子。ひたすらロックとバンドに己を託して、30年間闘ってきたバンドだからこそ描き出せる、珠玉の祝祭感がそこにはあった。
また、この日は終演と同時に、「ひともしごろ」のミュージックビデオが公開された。ミュージックビデオの制作を担当した箭内道彦は「服は自前。メイクもしていない。何も起きない。佇まいと表情だけのMV。大切な曲を預かりました。裸の4人。僕が一番撮りたかった怒髪天です。」と、コメントを寄せている。
自らの30年史の重みを受け止めつつ、来るべき31年目へ向けて堂々と闊歩する怒髪天の力強さを、この日の渾身のステージが、そしてこの新曲が何より雄弁に物語っている。
文◎高橋智樹
写真◎石井麻木
＜ドハツの日（10・20）特別公演 怒髪天スーパーライブ～秋の大感謝祭“30（サンジュー）ベリーマッチ”～＞セットリスト
1.威風怒道～愛と栄光のテーマ～
2.独立！俺キングダム
3.欠けたパーツの唄
4.愛の嵐～風速2004メートル～
5.男、走る！
6.あたし、SUPERツラい・・・
7.地獄で会おうゼ！
8.蒼き旅烏
9.あえて荒野をゆく君へ
10.プレイヤーⅠ
11.DO RORO DERODERO ON DO RORO
12.己 DANCE
13.GREAT NUMBER
14.枯レ葉ノ音
15.そのともしびをてがかりに
16.雪割り桜
17.ロックバンド・ア・ゴーゴー
18.喰うために働いて 生きるために唄え！
19.団地でDAN!RAN!
20.セバ・ナ・セバーナ
En1.ひともしごろ（新曲）
En2.歩きつづけるかぎり
En3.オトナノススメ
■商品情報
『歌乃誉“白”』
2014年11月26日発売
TECI-1429 ￥2,000＋税
収録曲：
1.ひともしごろ
2.バガディ・ガッタ！
3.どっこいサバイバー
4.人生○×絵かきうた
5.明日の唄（再録曲）
6.ジャガイモ機関車
■ツアー情報
＜怒髪天 2015年新春ツアー“紅白利き歌合戦”＞
2015年1月30日（金） 札幌市民ホール
2015年2月11日（水・祝） ZEPP NAGOYA
2015年2月14日（土） なんばHatch
2015年2月21日（土） ZEPP TOKYO
◆怒髪天 オフィシャルサイト