【インタビュー】minus(-)、1stミニアルバム『D』完成「絶望しかなかった」
■夫婦みたいなものですね(笑)
■ま、夫婦だったらDVが絶えない2人でしょうけど(笑)
森岡:あれは偶然の産物だよね?
藤井:いや、けっこう緻密に作ったよ(笑)。
森岡:緻密に作ったけど、結果的にこうなった感じ(笑)。この曲は僕がポロンポロンって弾いたピアノを元に藤井が作ったんだけど、僕のフレーズは憂いがあるというか、迷いがあるものだったんですよ。ネガティブだったものを彼のノイズやシンセで反転させたというか、ポジティブな波動に持っていった曲。完成した曲を聴いたときは感動しましたね。今まではどちらかというとポジティブなものを藤井がネガティブな方向にアレンジすることが多かったから。今回、こういう在り方は珍しいというか、初なんじゃないかな。
──藤井さんはノイズに対してのこだわりとか考え方が以前と変わってきたんですかね?
藤井:何しろ作品を出すこと自体が5年ぶりなので、そのあたりの変化はわからないですけどね。
森岡:お互いにないものをそれぞれ補うような関係なのかもしれないですね。僕と藤井に限らず、人間誰しもそういう面があるのかもしれないけど。
藤井:31年も経つとそういう関係になるんじゃないですか。自分にないものを彼は持ってるし、彼にないものを僕は持ってるだろうし。夫婦みたいなものですね(笑)。ま、夫婦だったらDVが絶えない2人でしょうけど(笑)。
──そして、このアルバムにはKENT(Lillys and Remains)、KEN LLOYD(FAKE? / OBLIVION DUST)、クガツハズカム(きのこ帝国の佐藤のソロユニット)と、3人のゲストボーカリストが参加していますが、その経緯というのは?
藤井:最初はゲストボーカルを入れることは考えてなかったんですけど、出来た曲が人を呼んだ感じですね。
──みなさん、交流があるボーカリストですか?
藤井:佐藤さんは交流がなかったです。歌う声を聴いて声をかけさせてもらった感じですね。
──KEN LLOYDさん参加の「No_4」からクガツハズカム参加の「B612」(Ver.0)への流れも絶妙です。特に「B612」は切なくてメロディも素晴らしいなと。
藤井:佐藤さんの第1声からホロリとしますね。レコーディングで歌ってもらったときに大成功だと思いました。
──歌詞は孤独感を感じさせます。
藤井:孤独感というより絶望ですね。僕がまさに音楽をやりたくなくなったときの感情に近い。
森岡:「B612」って、僕が作った断片を彼が形にして、こういうドラマ仕立ての曲にしたんですよ。その藤井の構築力はスゴイなって思いました。
──最後の曲「No_2」のイメージは?
藤井:森岡賢から最初にもらったピアノのフレーズ集の中に入っていたキレイなアルペジオをもとに作った曲ですね。僕、「月光」が好きなので、これいいなぁと思って。最初のライブから演奏していた曲です。
──ジャケットのビジュアルも気になります。
藤井:基本コンセプトは“連続性"。それはアルバムを聴くとわかってもらえると思います。マニアックな話で言うと、ベジェ曲線を避けたかったというのもありましたね。昔の絵本のような質感や色味を出したかったって言ったほうがわかりやすいかな。「FRONT」っていう日本のプロパガンダ雑誌やロシア・アバンギャルドのイメージも入ってるんですけど、とにかく過去に僕らが作った音楽作品とは異なるものを作りたかったんですよ。過去からの継続性を分断したかったっていう意味合いも、このジャケットにはあるんです。前のバンドなら絶対やってない。アルバムのタイトルもユニット名も含めて、音がイメージできないものをチョイスしてますね。
──最後にminus(-)初の東名阪ツアーはどうなりそうですか?
藤井:あと10日ぐらいしたら結論が出るかな。まだ、現実的に考えてないですね。
森岡:あと数週間後にスタートだよね。
藤井:大丈夫大丈夫(笑)。前もそういうふうに言いながら、やったじゃない。
森岡:最近、心配症なんですよ。曲作っても大丈夫かなって心配だし、ライブもそうだし。
──藤井さん、森岡さんがこう言ってますが、どうですか?
藤井:まぁ、嫁が心配してたら、「大丈夫だよ」って言うのが夫なので(笑)。
──それが夫婦ですよね。このアルバムに収録されていない曲も演奏しますか?
藤井:そうですね。アルバムに入れなかった曲もあるので。
──アルバム収録曲のタイトルには番号が付いてる曲が多いけれど、「No.0」から存在するんですか?
藤井:0はないね。
森岡:デモに付けてたタイトルのまんまなんですよ。
藤井:いや、まんまじゃないんだ。アンダーバーが入ってたり(笑)。あと、別のタイトルが付いてる曲も何曲かあるし。
──そういう曲も聴けるかもしれないですね。
森岡:かもしれないです(笑)。
取材・文◎山本弘子
■minus(-) 1stミニアルバム『D』
2014年10月22日発売
【CD+DVD】AVCD-93018/B /2,500円(税別)
1.No_9
2.RZM(GUEST VOCAL:KENT/Lillies and Remains)
3.No_6
4.No.4(GUEST VOCAL:KEN LLOYD/FAKE?,OBLIVION DUST)
5.B612(GUEST VOCAL:クガツハズカム)
6.No_2
[DVD]
※5月30日<minus(-)1st experiment“too short to show”>at 高円寺HIGHより
1.No_2
2.No_4
3.No_6
4.No_5(CD未収録)
■<minus(-) tour2014 [D]rive>
10月23日(木) 名古屋RAD HALL
10月24日(金) 梅田Zeela
10月27日(月) 渋谷WWW
全会場 OPEN/19:00 START/19:30
名古屋/大阪公演:前売¥4,500(税込) 当日¥5,000(税込)/全立見・ドリンク代別
東京公演:前売¥5,000(税込) 当日¥5,500(税込)/全立見・ドリンク代別
■<[AM] bit minus(-)xATOM ON SPHERE>
2014年11月9日(日) 新代田FEVER
出演:minus(-)、ATOM ON SPHERE
◆minus(-) オフィシャルFacebook
◆インタビュー(2)へ戻る
◆インタビュー(1)へ戻る