【イベントレポート】東北震災復興を目的に、豊洲PITオープン
10月17日にオープンしたライブエンタテインメント専用シアター、豊洲PITのオープニング・セレモニー<THE RISING OF THE CURTAIN at 豊洲 PIT>に、甲斐バンド、川井郁子、岸谷香、西田敏行&倍賞千恵子、溝口肇&紫舟らが5組のアーティストが参加した。豊洲PITは東北震災復興を目的として運営され、今後、いわき市、仙台市、釜石市と東北3県にも開設されるという。
◆<THE RISING OF THE CURTAIN at 豊洲 PIT>画像
▲岸谷香&高嶋ちさ子 |
岸谷香は「復興支援のもと、ジャンルが違うミュージシャンが、こうしてここに集まれる事ができました」と、このメンバーでの演奏を心から楽しんでいるようで、「また、ここに戻って来られるよう頑張ります」とコメントを残し、ステージを降りた。
▲川井郁子 |
3番目に登場したのはチェリストの溝口肇。お馴染みの「世界の車窓から」を演奏した後、ステージに表れたのは書家の紫舟だ。舞台上手には巨大な白いボードが設置され、前代未聞のチェリストと書家のコラボレーションが始まる。
溝口は「被災地を訪れ、周囲に何もない風景を見た時、鳥の声だけが聞こえました。その時に感じた思いの曲を今日演奏します」と、この日の為にに選曲したのはパブロ・カザルスの「鳥の歌」。さらに、このコラボレーションのために今朝出来上がったばかりという新曲を用意。溝口肇が弾くチェロにあわせ、紫舟が大きな筆を抱えながら絵を描いていく。広い会場は水を打ったように静かになり、両者のパフォーマンスをじっと見守る。
▲溝口肇&紫舟 |
そして舞台に上がったのは、ミュージシャンではなく俳優の倍賞千恵子と西田敏行。この二人は映画では何度か共演しているものの、同じステージに立つのは初めてとの事。二人の歌をピアノで支えるのは倍賞千恵子の夫でもある作曲家の小六禮次郎。小六は40年前に西田のアルバムの編曲を担当して以来の縁だ。
1曲目は倍賞千恵子が歌うタンゴ調のナンバー「さよならはダンスの後に」。倍賞も出演した1965年公開の同名タイトル映画の主題歌だ。そして西田の「もしもピアノが弾けたなら」。小六から「素晴らしい声」と褒められると西田は照れながらも「このホールは日比谷公会堂よりいい音がする!今日はいつもより上手く歌えた」と歌の出来を納得する一幕も。
▲倍賞千恵子&西田敏行 |
最後に西田が「もう一度日本中の人が福島に目を向けて、時間かけて応援して欲しい」と話し、倍賞は「自分たちが出来る事から少しづつ、長く応援し続けていきたいと思ってます」と被災地復興への想いを語った。
▲甲斐バンド |
この日の甲斐バンドはベース・レス、ドラム・レスのアンプラグド・スタイルながら、迫力ある圧巻のパフォーマンスでオーディエンスをグイグイと引き込んでいく。ラストの「ヒーロー」ではメンバーと客席が完全に一体化していた。「今日ここに、自分たちも含めたミュージシャンが集まったという事、それ自体がメッセージ!そして、今日ここに皆さんが足を運んでくれた事、それがメッセージ!だと思います」と熱いコメントを残し、ステージを降りた。
豊洲PITは、エンタテインメントを通じて東日本大震災の復興支援活動を続ける「一般社団法人チームスマイル」が運営、収容客約3,100人(スタンディング)の音楽や演劇やミュージカルなど、様々な用途に活用できるホールとして誕生した。
同ホールの事業によって生み出される収益金は、東北地区の「PIT」の開設や運営、そして、エンタテインメントを通じた復興支援のための活動にその全額が活用される。PITは「Power Into Tohoku!」の略称で、東京・豊洲を皮切りに2015年の春から秋にかけて福島県いわき市、宮城県仙台市、岩手県釜石市に開設を予定している。
今後、豊洲PITで開催される公演では、来場者が購入するドリンクチケット(500円)のうち、50円をドネーション(寄付)として預かり、復興支援活動に活用される。
<豊洲PIT オープニング・セレモニー/THE RISING OF THE CURTAIN at 豊洲 PIT>
総合MC:木佐彩子
1.岸谷 香
Diamonds /GET CRAZY! /M
2.川井郁子
ジュピター /夕顔 ~源氏物語より~ /荒城の月~ホワイト・レジェンド
3.紫舟&溝口肇
世界の車窓から /鳥の歌~全力(仮タイトル・新曲)
4.倍賞千恵子&西田敏行/ピアノ:小六禮次郎
さよならはダンスの後に /もしもピアノが弾けたなら /ふるさと&花は咲く
5.甲斐バンド
ビューティフル・エネルギー /安奈 with溝口肇 /風の中の火のように /HERO(ヒーローになる時それは今)
◆豊洲PITオフィシャルサイト
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