【インタビュー】ユナイト、両A面シングルに「踏み出すための決意とV系らしさ」

ポスト

ユナイトが9月17日、両A面シングル「レヴ/ice」をリリースした。新ドラマーの莎奈加入後に初めてリリースされる同シングルは、ギタリストの椎名未緒曰く「ちょっと振り切ってみようかな」という「レヴ」と、「今までのユナイトじゃない感」が詰め込まれた「ice」の2曲からなるもの。これまでもタイプの異なる様々な楽曲を世に送り出してきた彼らだが、この作品は従来のテイストを踏襲しつつ、新たに踏み出した彼らだからこその新奇性がそこかしこに息づいている。

◆「レヴ/ice」ミュージックビデオ full ver.

結成当初からの目標のひとつだった渋谷公会堂ワンマン、同公演で初披露された新メンバーの莎奈、そしてシングル「レヴ/ice」と、新生ユナイトは歩みを止めることがない。“終わらないバンド”というテーマを掲げる彼らの最新作について、その先に見据えるヴィジョンについて、メンバー5人が語り尽くすロングインタビューをお届けしたい。

■それまでの5人やファンが積み上げてきたものを途切れさせたくない
■想いを引き継いで、これからを発信できるようなライヴにできたらと

──まずドラマーに莎奈さんが加入して、この5人が揃っての最初のステージが8月の渋谷公会堂でのライヴでしたね。渋公は念願のステージでもあったそうですが、実際ライヴはどうでしたか。

結:結成当初からいつかやりたいねという目標の場所のひとつだったんです。ただ、僕的にはその思い入れももちろんですけど、莎奈君が加わって5人で初めてのライヴというほうが気持ち的には強かったですね。やっぱり、今まで応援してくれていたファンの人たちも不安だったと思うんです。今までのユナイトとちょっと違くなってるんじゃないかとか。その不安を払拭できるのは、自分たちがかっこいいライヴをすることだなと思っていたので。絶対に失敗できないなって。

──では、いつもよりも緊張感が高かった?

結:メンバーでしっかりコミュニケーションをとっていいライヴにしようっていう雰囲気だったので、緊張感というよりは、いつもよりも気持ちは落ち着いて、いい状態でライヴに臨めたなと思います。

──なるほど。莎奈さんは、初めての舞台ということではいかがでしたか。

莎奈:最初のライヴっていうのもあって、メンバーとして認めてもらえるようなライヴができたらなと思ってはいたんですけど、それとは別に僕は外から見ていたときからも普通にユナイトが好きだったので、それまでの5人やファンが積み上げてきたものをそのまま途切れさせたくないというか。その想いとかを引き継いで、これからを発信できるようなライヴにできたらなとは思っていました。

──それまで外から見ていたときは、ユナイトというバンドをどう見ていましたか。

莎奈:普通に先輩でもあったし、やってる音楽とか、掲げているテーマ性……“終わらない”というテーマも好きで。好きなアーティストとして普通にCDを買ったりしてましたね。

──ファンとして実際に自分が身を置くのとはまた違ってきますよね。

莎奈:たぶん違うと思います(笑)。加入するまでに僕は、1~2回断っているんですね。それは、ユナイトが掲げているテーマを今の自分の力量で背負えるかとか、いろいろ考えた上でだったんですけど。もう覚悟を決めたので(笑)。

──改めてお聞きしたんですが、莎奈さんに白羽の矢が立ったのはどういった経緯だったんですか。

LiN:2年くらい前に、ユナイトと莎奈が前にやってたバンドとかで回っていたイベント・ツアーがあって、そこからの付き合いなんです。ちょっと自分と似てるところを感じて、連絡先を交換して遊んだり、電話したり、お互いのライヴに行き来したりという仲になって。その後、ユナイトがサポートドラマーを入れて活動していたとき、やっぱりちゃんとしたドラムを見つけないとなって、メンバーそれぞれが探したりしたんですけど。そのときに、いい感じの人がいるんですよってメンバーに提案して。音源とかも聴いてもらったんですよね。

──そこでいいんじゃない?と。

結:僕ら的にはそういう気持ちでしたけど、莎奈君的にはなかなか迷いもあったみたいで。

──そして、最後のひと押しがLiNさんだったと。

LiN:いや、全員ガン押しだったんです。先にリーダーの未緒さんに「こういう人いるんですけど、どうですか?」って言ったら、とにかく話そうってなったんですよね。その当時、莎奈は大阪を拠点にしていて、ちょっとサプライズで、僕らふたりで大阪まで会いに行ったんですよ。で、ユナイトがこういう状況でって加入を打診したら、「いや、無理です」って言われて。

莎奈:無理ですっていうか、「いやぁ、ちょっと……いやぁ、ちょっと。いやぁ……」って(笑)。「今決めれないっす」みたいな。その日がジャブで、そのジャブのジャブみたいな電話はずっとかかってきていて(笑)。

メンバー全員:ははは。

莎奈:前に組んでいたバンドが3月末くらいに解散発表していたんですけど、活動自体は6月まで続くという状態だったので。終わりが見えているけれど、まだ自分が籍を置いているバンドが活動しているなかでの話だったので、それもあって整理がついていなかったという。「まだちゃんと終わってないので、わかんないっす」っていう逃げ方をしていたんですよね。

──きちんと両方にけじめをつけようということですよね。では、実際にこの5人が揃ったのはいつごろのことだったんですか。

莎奈:この2人が大阪に来たときに、「他のメンバーの気持ちを聞いてないので」という話をしたら、「一回東京で全員と話す機会つくったからおいで」っていうことで、僕が大阪から東京に行ったのが7月の頭くらいですね。

未緒:そのときはもう、入るでしょ?みたいな話でね(笑)。

莎奈:入るでしょっていう話を、ファミレスのはしっこで。

──そこで心は決まったわけですね。

未緒:あの状況では断りづらいよね(笑)。

莎奈:でも俺、行きの新幹線では“どうやって断ろうかな”って思ってましたよ(笑)。

LiN:あれで断ってたら、俺ら全員、「お前、なにしに東京来たんだ」って言うよね。

莎奈:そんなこと言われても(笑)。

◆インタビュー(2)へ
この記事をポスト

この記事の関連情報