【ライブレポート】DAMIJAW、ka-yuがファンの心に届けた“ありがとう”&年末年始ライブ発表も
2014年9月11日、Janne Da Arcのベーシストka-yuのソロプロジェクトDAMIJAWが、7月18日の新横浜NEW SIDE BEACH!!を皮切りにスタートさせた全国ツアー<2014 tour『THIS IS MY WING』>のファイナルをZepp DiverCityで行った。
◆<2014 tour『THIS IS MY WING』> 9月11日/Zepp DiverCity 画像
このツアーは、5月21日にリリースしたミニアルバム『THIS IS MY WING』を引っ提げ、全国21ヶ所をまわったもので、ラストを9月6日のZepp Namba(大阪)、8日のダイアモンドホール(名古屋)、11日のZepp DiverCity(東京)の東名阪公演で締めくくったのだ。
この日は、ファイナルを盛り上げようと全国から集まったファンたちが早くから会場の周りに集まっていた。このツアーのオリジナルTシャツのバックには、アルバムとツアータイトルにちなみ、羽のプリントが施されていたのだが、この羽は、ka-yuの背中に羽が生えているジャケットが印象的だった『THIS IS MY WING』を受けてのもの。
背中に羽の生えた大勢のファンたちが集まっていたその光景には、“君の心がまた僕の羽になる”と歌うka-yuの思いを、ファンも同じように感じているような心の結束力が感じられたものでもあった。
さらに、会場のロビーには<THIS IS MY WING展>と題された展示スペースが設けられ、実際にジャケット撮影でka-yuが背中に背負っていた大きな羽と、ka-yuが普段から愛用しているオリジナルベースが4本飾られていた。これはきっと、より深く、そして、より近く、DAMIJAWを感じてもらいたいというka-yuからの、ファンへの心遣いだったに違いない。
DAMIJAWは、これまで、『I AM』と『made from your heart』という2枚のアルバムと、ミニアルバム『THIS IS MY WING』をリリースしているのだが、松本和之としてのソロ活動を経て、DAMIJAWをスタートさせ、2回の47都道府県ツアーをまわり、“ファンのみんなからもらう力をなによりも大きく感じた”というka-yuは、『I AM』と『made from your heart』に“アーティストとしての自分は、みんなの心でできている”ということを詰め込み、最新作である『THIS IS MY WING』では、その気持ちに加え、“ファンの心が、もともと自分になかった羽にさえなって、空をも飛べるんじゃないか”という“不可能なことも可能に出来る強さ”をストレートに表現したと言うのだ。
そんな言葉からも感じ取れるように、この3枚が“三部作”的な要素を含むモノになったのは、とても自然な流れだったのだろう。そしてそれは、ka-yuの純粋な気持ちが赤裸々に描かれたモノでもあったと言えるだろう。
まさに。『THIS IS MY WING』は、ka-yuの“今”そのものなのである。
そんな“今”を直接届けるためのツアーは、各地で素晴しい景色を描き出し、ファイナルの地に戻ってきたのである。2014年9月11日。Zepp DiverCityに広がった景色は、DAMIJAWであるka-yu、そしてKENTA、Kazuma、shujiの4人と、全国のファンが、このツアーで感じた想いを持ち寄り、全力でぶつけ合い、受け止め合った集大成となったのだった。
定刻どおりにフロアの照明が一気に落とされると、ライヴはいきなりのヘヴィチューン「ダーミー城の吸血悪魔が愛したダリア(哀)」から幕を開け、間髪入れずに「MESS」、「AOBUSA」と激しく畳み掛けられた。激しくもメロウな旋律を宿す「AOBUSA」では、オーディエンスが拳を上げながら、一緒に歌っていたのもとても印象的だった。
ka-yuは、3曲届け終わったここで、“ただいま”の一言を短く挟むと、「薔薇の棘」や「Lost in conflict」などでさらに激しく畳み掛けた。
パワフルなツーバスに力強く抜けるスネアの音。どっしりと構えたプレイスタイルでDAMIJAWのサウンドを支えるshujiのドラムと、ka-yuが作り出すグルーヴを中心に、まったく違った個性を持つギタリストのKENTAとKazumaがその脇をしっかりと支える。shujiとのさすがの息を感じさせるka-yuの図太いベース音を軸に、KENTAはときに美しく、ときにきらびやかなギターサウンドをそこに乗せ、Kazumaはときにリズミックに、ときにトリッキーに楽曲を操った。
フロント3人が横一列に並び、足を肩幅以上に広げ、力強いサウンドを生み出していくその様は素晴しくロック。そんな光景は、ここ最近、男性ファンが増えていることを納得させられた景色でもあった。
一方、中盤に届けられたミディアムチューンのゾーンでは、ずっしりとした重みを感じる壮大な景色を描き出した。透明な響きを持ったKENTAのアルペジオから描きだされていった「BIRTHDAY~ダミ嬢の憂鬱~」や、『made from your heart』の最後に置かれていた「end of the sky…~出逢えなかった君へ~」では、拳やヘドバンで埋め尽くされていたフロアが嘘のように静まり、ka-yuの声を通して伝えられる深いメッセージを静かに受け止めていたのだった。
「end of the sky…~出逢えなかった君へ~」は、“出逢えた人”が居た一方で“出逢えなかった人”も居る。出逢えていたら何かが変わっていたかもしれない……そう思ったことから生まれた曲である。ka-yuは、ライヴに来れなかったファンのために、この曲が届くことを信じて、心を込めて演奏した。
ライヴに来れなくても彼のもとに届く手紙や思いにきちんと応え、またいつか出会う奇跡を信じるというka-yuの愛をそこに見た気がした。彼は、そんな大切なメッセージを届けたあと、再び、DAMIJAWらしいヘヴィなナンバーでライヴを盛り上げていった。
そして。DAMIJAWのライヴでは欠かせない、恒例となったステージにオーディエンスを上げて全員でライヴを盛り上げて行くというパフォーマンスが人気の「ダーミー城の吸血悪魔(笑)」へと引きずり込んだである。それは、ka-yuが直接フロアから“そこのオマエ、上がって来い!”と指名し、選ばれたオーディエンスがステージに上がり、曲の始まりと共に激しいヘドバンでライヴを盛り上げるという、前代未聞のパフォーマンスだ。このスタイルは、『I AM』のツアーからka-yuが自ら始めたモノであり、いまではすっかりDAMIJAWのテッパン演出として定着したのである。
ちなみに、この日、ka-yuがステージに呼び込んだオーディエンスの数は117人であったと言うから驚きだ。常にお互いを近くに感じていたいと願う、実にka-yuらしい演出である。そして。本編の最後に置いていたのは、もちろん「THIS IS MY WING」。
口下手なka-yuが、素直な言葉で綴った“ありがとう”が詰め込まれた「THIS IS MY WING」は、とてもあたたかな“ありがとう”だった。そんな“ありがとう”をしっかりと胸に受け止めていたオーディエンスだったが、ファイナルとあって、まだまだ遊び足りなかった様子とあり、ライヴがこれから始まるのか? と思うほど大きな歓声で再びDAMIJAWを求めたのだった。
そんな歓声を受け、DAMIJAWは再びステージに姿を現し、鳴り止まぬアンコールの声に、何度も応えた。1度目のアンコールは、ツアーで生まれたメンバーとの関係性や、ファンを楽しませたいというka-yuの思いがリアルに伝わってくる、この日のために作られたというセッション曲(shuijがボーカル、ギターがka-yu、ベースがKENTA、ドラムがKazumaという編成)「ちゅぽんちゅぽんーメタルバーションー」などで楽しく盛り上げられ、さらに“ファイナルなので、久しぶりのこの曲を”というka-yuの言葉の後に「message」も届けられた。2回目のアンコールでは「WOW!WOW!WOW!」で会場中が大合唱し、3回目のアンコールでは「JAW」で、DAMIJAWらしいヘドバンの波を作り、熱く激しく盛り上げられたのだった。
そしてこの日、ka-yuの口から、12月25日に大阪 梅田CLUB QUATTROで<ダーミー城の吸血悪魔のクリスマス(楽)>、12月31日に東京 新宿BLAZEで<DAMIJAW COUNTDOWN 2014-2015“ゆく年 くる年 筆下ろし”>、また、2015年の一発目のライヴとして名古屋Electric Lady Landで<ダーミー城の吸血悪魔の新年会(寿)>を開催することが発表されたのだった。
現在、全国にダミ嬢・ダミージョウと呼ばれるファンが増殖中。この先も、ますますDAMIJAWから目が離せなくなりそうだ。
取材&文◎武市尚子
<ダーミー城の吸血悪魔のクリスマス(楽)>
12月25日(木) 大阪 梅田CLUB QUATTRO
open 18:00/start 18:30
<DAMIJAW COUNTDOWN 2014-2015“ゆく年 くる年 筆下ろし5”>
12月31日(水) 東京 新宿BLAZE
open 22:00/start 23:00
<ダーミー城の吸血悪魔の新年会(寿)>
2015年1月4日(日)愛知:名古屋Electric Lady Land
open 17:00/start 17:30
チケット一般発売日:2014年11月29日(土)
チケット代金 ¥6,480(税込)
※入場時にドリンク代¥500が別途必要となります。
※6歳未満の方のご入場は出来ません。
※12月31日(水)<DAMIJAW COUNTDOWN 2014-2015“ゆく年 くる年 筆下ろし5”>に関しましては、深夜までの公演となりますので18歳未満の方は保護者同伴もしくは保護者の同意書をご持参の上ご来場ください。
◆DAMIJAW オフィシャルサイト
◆DAMIJAW オフィシャルYouTubeチャンネル
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