【インタビュー】DOLL$BOXX「自分達がお婆ちゃんになったときに、こんなカッコいいガールズバンドがいたと伝えられる作品を作れた」
■DOLL$BOXX結成当初はカッコいい姿を見せようとしていたんです
■でも、やっぱり無理だなということになりました(笑)
▲『ドールズ・コレクション』初回盤 |
▲『ドールズ・コレクション』通常盤 |
▲Fuki |
▲はな |
▲F チョッパー KOGA |
▲TOMO-ZO |
▲オレオレオナ |
Fuki:最初か……。TOMO-ZOとオレオは、初PVが同じバンド?
TOMO-ZO:そう、EU・PHORIA(ユーフォーリア)のとき。最初に撮ったのは、結婚式場だったかな。教会みたいな場所だった気がする。
オレオレオナ:たしか、そうだった。最初の頃に撮ったPVを見ると、もっと動けば良かったのに…と思いますね。そのときは精一杯頭を振っているつもりだったけど、今見るとちょっと頭が揺れているくらいなんです(笑)。
TOMO-ZO:そうそう。PVなんだからもうちょっと見せることに集中すればいいのに、ギターを弾くのを音に合わせることに一生懸命になっちゃってて。バランスが全然取れてなかったなと思います。
F チョッパー KOGA:私は、THE PINK☆PANDAというバンドで撮ったのが最初でした。普通にスタジオで演奏して、あとダンボールの中で撮影しました。
一同:ダンボール?
F チョッパー KOGA:うん(笑)。「PANDA」という曲で、中国のパンダをもじった歌詞になっているんですよ。それで、すごく大きなダンボールの箱に中国の漢字が“バァーッ”と書いてあるのを作って、その中で撮ったりしました。PVはアテぶりだから、ベースは弾かなくていいじゃないですか。だから、“やった! 動きまわれる!”と思って。演奏と音を合わせようという意識は、全くなかった(笑)。そういう感じだったから、PV撮りは楽しかったですね。ただ、あんなに時間が掛かるものだとは思わなかった。こんなに、いろいろ撮るんだと思って。
Fuki:そう。PVを撮る前は、沢山のカメラで撮って、バンドが演奏するのは1回くらいだと思ってた。実際には、バンドで撮って、ソロで撮って、アップでまた撮って…みたいに何度も撮るんですよね。
F チョッパー KOGA:私、FukiのPVは、結構見てるよ。ちょっと、ふっくらされてるときとか、ありますよね(笑)。
Fuki:シッ!(笑) 私は、LIGHT BRINGERを始めてからPVを撮るようになったんですが、ボーカルはマイクを持つPVとマイクを持たないPVがあるじゃないですか。私は、基本的にマイクを持たないパターンばかりで、ライブのときはいつもマイクを持っているから手持ち無沙汰になるんです。だから、歌うときの動きがすごく難しくて。PVは、そこが一番難しいなと思いました。
はな:私は、一番最初にPVを撮ったのが、小学校の4~5年生とかのときだったんです。バンドじゃなかったんですけど、大人数のグループをやってて、そのグループのPVを作ることになって。そのときはPVということ自体も分からないから、“撮影してるけど、なにやってんだろう、これ?”みたいな感じでした。その後バンドをやるようになってからは、最初のバンドはパートがボーカルだったんです。ボーカルと呼べないようなボーカルでしたけど。そのときは、時間が掛かるなということはやっぱり思いましたね。あと、朝すごく早くから夜遅くまで撮ったから、撮った映像の中に眠そうな顔のがあったりして。しかも、それがそのまま使われたんです(笑)。
Fuki:今回の撮影でも「ロールプレイング・ライフ」は、朝日を撮りたいということで、早朝…というか、夜中の2時とか3時に集合して、車で浜松まで移動したよね。
TOMO-ZO:「Merrily High Go Round」のときもそうだったよ。あのコスモス畑は、埼玉だったかな。今回の撮影では、いろんなところに行きましたね。最後に入ってる「Doll’s Box」に全部のPVのシーンとか、オフショットとかが入ってるじゃないですか。DOLL$BOXXを結成してから『DOLLS APARTMENT』とPVを作るまでの全てがあの曲のPVに詰まっている感じがして、見るたびに“ジーン…”とします。
F チョッパー KOGA:ライブとかPVというのは、キメていたり、カッコつけていたりするのが基本。リスナーとしての立場で言うと、私はメンバーの素顔が見られる映像とかが好きなんです。だから、自分達のPVにもそういうところを入れられて良かったと思います。それに、そういう意味では、『ドールズ・コレクション』の特典映像がメッチャ面白いです(笑)。
Fuki:<WWフェイス 2014>のツアー・ドキュメントが、かなり笑えます(笑)。<WWフェイス>というのはGacharic SpinとLIGHT BRINGER、DOLL$BOXXの3バンドが競演するイベント・ライブで、2014年の5月に東名阪ツアーがあったんです。そのときの大阪/名古屋のライブの裏側が映っていて。リハとか楽屋とかのシーンでは、みんなの素の姿がそのまま出ています。
はな:DOLL$BOXXを結成した当初は、Gacharic Spinと差別化するためにカッコいい姿を見せようと言っていたんです。だから、取材とかでも、みんなあまり喋らなかったりしたんですね。でも、やっぱり無理だなということになりました(笑)。
オレオレオナ:私は、当初言っていたDOLL$BOXXではカッコいいレディになるという目標が、今回のオフショットが入ることで、ちょっと崩れてしまったんですけど。でも、Gacharic Spinほどふざけていない、女の子らしいところを知ってもらえるんじゃないかなと思います。私は、Gacharic Spinでは、あまり女の子と思われてないんです。
F チョッパー KOGA:動物だもんね(笑)。
オレオレオナ:そう、動物。でも、DOLL$BOXXでは、ちょっと人間らしいかなっていう(笑)。
TOMO-ZO:……あまり変わらないと思う。
オレオレオナ:いやいや、変わる! 変わりますよ。
Fuki:(笑)。私はオフショットを撮られることに、あまり慣れてなくて。最初は大丈夫かなと思ったけど、全然平気でした。
F チョッパー KOGA:たしかに、LIGHT BRINGERのファンの人が、普段見れないFukiをDOLL$BOXXで見られて嬉しいという声は、よく聞きますね。LIGHT BRINGERでは、笑顔の写真とかを使うことはないんでしょう?
Fuki:ない。私の中では、LIGHT BRINGERは、DOLL$BOXXよりもカッコつけるバンドというイメージがあるから。
一同:そうか。私達と逆なんだ。私達はDOLL$BOXXをカッコいいバンドだと思ってるけど…。
Fuki:私は、DOLL$BOXXでは崩れてる(笑)。でもさ、結局みんなGacharic Spinとのギャップを出せてなくない?
一同:いやいやいや!!
F チョッパー KOGA:出せてるよ! 黒い衣裳、着てますから(笑)。
オレオレオナ:ライブのときは、頑張って“ビシッ!”と演奏してますから。
Fuki:確かにライブのときはね。そういえば、DOLL$BOXXはTOMO-ZOがリーダーなんだよね。
F チョッパー KOGA:そう。「リーダーどうする?」という話になって、適当に「TOMO-ZOで、よくない?」みたいな感じになって(笑)。それで、TOMO-ZOが仕切るリハというのが入っているんですけど、それが普段は絶対に見られないですね。
はな:そもそも、リハの風景はなかなか見られないよね。個人的には、ドキュメント映像はサウンド・チェックとかをしているところを見られるのがいいんじゃないかなと思います。自分がドラマーとして尊敬する人はどういう風にリハとかをしているのか知りたいから。私達は普通にやっているというか、みんなリーダーに突っ込みまくっていますけど(笑)。「次、なんの曲やんの? どうすんの?」みたいな。
TOMO-ZO:それで、「えーっと……じゃあ、この曲やりますか?」っていう。
Fuki:控えめなリーダーだ。
F チョッパー KOGA:リーダーといえば、このときのツアーの2日目に、私とはなが寝坊したんです。そうしたら、TOMO-ZOが「寝坊とかするのは、リーダーとして許せない」とか言っているんですけど、全然怖くないんですよね(笑)。
オレオレオナ:全然、怒れてない。
TOMO-ZO:“取ってつけた感”が否めない。
F チョッパー KOGA:あと、Gacharic SpinとLIGHT BRINGERとDOLL$BOXXなので、もう入れ替えが大変なんですよ。急いで着替えたりしてて。特典映像では、そういう裏側のドタバタ劇も見られます。
――見どころ満載ですね。それにしても、Gacharic SpinとLIGHT BRINGER、さらにDOLL$BOXXという組み合わせは、肉体的に相当ハードじゃありませんか?
一同:キツいです。
TOMO-ZO:自分達のワンマンよりも疲れます。1時間くらいずつやるから曲が多いし、転換があるし、着替えたりしないといけないので。
はな:すごく大変だけど、私はどっちも楽しいです。DOLL$BOXXのドラムは教則本的というか、自分がやれることを全部詰め込んだ感じになっていて。だから、Gacharic Spinとはまた違う叩き甲斐があるんです。
F チョッパー KOGA:ライブの雰囲気も全然違うから、長くは感じないし。疲れるけど、すごく楽しいです。
――さすがです。DOLL$BOXXのテクニカル&ホットなライブの様子は、特典映像の「KARAKURI TOWN」と「Take My Chance」「ロールプレイング・ライフ」で見ることができます。
Fuki:ライブ映像は、まだDOLL$BOXXのライブを見たことがない人に、DOLL$BOXXのライブの熱さを味わってもらえると思います。お客さんの盛り上がりとかも映っているのが嬉しいし。それに、ライブの予習になるというか。“ここで、みんな拳を上げるんだ”みたいなことが分かりますから。そう言う意味でもお薦めです。
――同感です。『ドールズ・コレクション』はDOLL$BOXXの魅力を多角的に味わえる一作になりました。
Fuki:これだけのPVを短期間で作るのは、本当に大変だったんです。大変だったのを、普通にどんどんネットにアップしていって。無料で見られる状態なのに、ファンの人達がPV集を出して欲しいと言ってくれたんですよ。それが、すごく嬉しくて。お金を払ってコレクションしたいと思ってもらえるものを作れたことが嬉しかったし、大変だった撮影の苦労が報われたなと思って。「楽しんでもらえる作品です!」と自信を持って言えるので、ぜひ購入して、ずっと手元に置いていて欲しいです。
はな:PV撮影はすごく大変でしたけど、アルバムのほぼ全曲のPVを作れるというのは、すごく恵まれたことですよね。作りたくても作れない人のほうが多いだろうから、すごく有難いことだなと思って。それに、想像以上にいい作品ができあがって、それを手に取れる形で残せることが本当に嬉しいです。
オレオレオナ:PVの1曲1曲の始まりと終わりに紙芝居みたいな演出を入れているんですが、ネットで見ると、どうしても切れ切れになってしまうんです。でも、DVDはつながった流れで見られるから、一層世界観が深まるんですよね。9曲のPVを一つの作品として完結させるという私達がやりたかったことが、より伝わりやすくなっているので、ぜひDVDを見て欲しいです。ネットでPVを何度も見てくれた人も、またちょっと違った感覚で楽しんでもらえると思います。
F チョッパー KOGA:今回の作品もそうだし、CDもそうですけど、一生残る物じゃないですか。それは、お客さんにとっても嬉しいと思いますけど、自分達にとってもすごく嬉しいことなんです。それに、私は元々音楽には、全く興味がなかったんです。なので、昔のアーティストのCDを渡されて、この人はすごい人なんだよと言われるよりも、目で見られるもののほうが楽しめたりするんです。そういう意味では、DOLL$BOXXがなくなってしまったり、自分達がお婆ちゃんになったりしたときに、こういうカッコいいガールズバンドがいたんだよということを、後の世代の音楽やバンドに興味がない人にも伝えられる作品を作れたことがすごく嬉しいです。
TOMO-ZO:9曲のPVだけでもいろいろな私達を見られるのに、さらにオフショット、ライブ映像も見られるということで、『ドールズ・コレクション』は本当にお買い得なアイテムです(笑)。それに、全曲私のギター・ソロが入っているということで、そこも見どころになっています。なので、ぜひゲットしてください!!
一同:えっ? リーダーなのに、自分推しがシメ? TOMO-ZOらしいね(笑)。
取材・文●村上孝之
『ドールズ・コレクション』
2014/08/27発売
KIBM-456 ¥4,500 + 税
[収録曲]
(Music Video)
01. Loud Twin Stars
02. Merrily High Go Round
03. Take My Chance
04. monopoly
05. ロールプレイング・ライフ
06. fragrance
07. KARAKURI TOWN
08. おもちゃの兵隊
09. Doll's Box
[特典映像]
WWフェイス2014大阪&名古屋でのライヴ模様を収録したスペシャル・ムービー
メイキング映像他収録予定
<『ドールズ・コレクション』発売記念イベント>
8月27日(水)SHIBUYA TSUTAYA
8月29日(金)ディスクユニオン お茶の水HARD ROCK/HEAVY METAL館
8月31日(日)タワーレコード横浜ビブレ店
9月06日(土)TSUTAYA EBISUBASHI
9月07日(日)HMV 栄
10月30日(木)タワーレコード新宿店
◆DOLL$BOXX オフィシャルサイト
◆キングレコード
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