【インタビュー】キリト、Angelo主催イベントの意図を語る「ピースフルなんですよ」
Angeloが、7月29日から7月31日までZepp DiverCity Tokyoにて3Daysライブを開催した。その初日は、自身主催イベント<THE INTERSECTION OF DOGMA>。第3回目を迎える今回のステージには、D’ESPAIRSRAY、FAKE?、lynch.、RIZE、そしてAngeloの計5バンドが出演し、熱演を繰り広げた。結論から言えば同公演は、世代やジャンルに横たわる壁を木っ端微塵に吹き飛ばし、あまりにも痛快なライブ空間を創造することに成功している。MCで語ったキリトの言葉を借りれば、「不可能だと思われていることを、僕たちの側が可能にしていけたら」という意志に満ちあふれたものとなった。BARKSは、ライブ終演直後のキリトに直撃、このイベントの意図と未来を改めて語ってもらった。
◆キリト 画像
■オーガナイズしていくのがキリトだってことになると
■妙なオトナの政治介入ができない状態になるんで(笑)
━━3回目となった<THE INTERSECTION OF DOGMA>は、出演アーティストのラインナップにまず驚いたんですが、どういう考えで決めたんですか?
キリト:俺の場合、何系とかジャンル分けはどうでもよくて、身体を張ってやっているか、極端なことを言えば、命を張ってライブをしているという気迫やスタンスのストイックさ。そういうところで共通項のあるアーティストが集まって、今、メディア側から与えられているカテゴライズではないものをこっち側から提供していく、そういうことをしていいんじゃないかって思いはずっとあったんです。1回目の「THE INTERSECTION OF DOGMA」からそういうところはあったんですが、2回目にはもっと突っ込んだ感じになり、今回の3回目は、さらに自分の理想に近い形になったと思うんですよ。
━━ミュージシャン・サイドが企画して主催するイベントだからこそ、本気のヤツらだけを集めたいと?
キリト:そう。イベンターやメディア媒体がイベントを主催すると、どうしてもオトナの実行委員会の思惑によって…、よく言えば玉石混交。もっと平たく言えば、バラバラになっちゃってると思うんですよ(笑)。「こんなに凄いアーティスト達も出るのに、こんなのも一緒に出るんだ」みたいに。そういうのは自分の立場からダイレクトに暴露しちゃうと、政治でしかないんです。表に出ないオトナの政治的なものが絡んでいる。それによってイベントがつまらなくなっちゃうのは美しくないなって思いもあったんでね。そこでオーガナイズしていくのがアーティスト本人であり、自分で言うのも変だけど、そのアーティストがキリトだってことになると、妙なオトナの政治介入ができない状態になるんで(笑)。もちろん最初から1ミリも入り込ませる気もないし。同時に、出演してくれるアーティスト達の思いを、最大限に重視して作ってきたつもりなんです。アーティスト達の意志みたいなものが、このイベントを作っている。事実、このイベントを目にした人達は、統一した空気感や何かしら感じてもらえていると思うんです。
━━今回、D'ESPAIRSRAYの復活ステージで幕を開けました。バンド側からやりたい、と逆オファー的な感じだったんですか?
キリト:いや、単純にそういうことでもなかったんです。D'ESPAIRSRAYは解散して3年半経つけど、解散後もメンバー同士の交流はあって、Angeloのライブにもよく遊びに来てくれていて。2014年は結成15周年というタイミングで、何かやりたいという話もしていたらしくて。解散ライブもできないままだったからね。そこで俺が相談に乗り、D'ESPAIRSRAYの状態のまま彼らがステージに上がるために、協力出来ることはやろうって。やっぱり解散によって悲しい思いをしたファンの人達に、あのままのメンバーが再び集まったD'ESPAIRSRAYのライブ・パフォーマンスを、ほんの少しの時間でも観てもらえる機会を作ってあげたいと思っていたんで。
━━ライブ後、メンバーはすごく満足感と達成感を味わっていたようでしたよ。彼らのライブは袖から観ていたんですか?
キリト:ステージへ送り出すときからステージが終わって迎え入れるまで、ずっと袖にいましたけどね。TAKEOも袖から観ていたらしいけど、俺がどんどんステージ側に近寄っていくからヒヤヒヤした、と言ってました(笑)。俺も気づいたら前へ前へ行ってて。いろんな意味で入り込んで観てました。いろんな思いも重ねて観ていたのかもしれないし。ファンの人達にとっても、D'ESPAIRSRAYの復活ステージはあり得ないことだったろうし。D'ESPAIRSRAYを再び目にするファンの人達は、どういう表情でいるんだろうかとか、そういうのも観たかったし。いろいろあった中で再び一堂に会して、メンバーはどういうパフォーマンスをするのかってのも観たかったしね。
━━ライブ直後、メンバーは満足感と達成感で笑顔をこぼしていましたね。FAKE?のKEN LLOYDとは昔から仲がいいのか悪いのか知らないんですけど…。
キリト:いや、仲いいですよ。彼はパブリックな発言とプライベートな発言が一緒なんですよね。思ったことをそのまま口にする。俺は昔から彼の裏表のないところも好きで。欧米人だからしょうがないじゃん、みたいなところが(笑)。オブリヴィオン・ダストのころ、ライブはあんまり好きじゃないとか平気で言うしね。だからアンコールもやらないとか。そういうスタンスって逆に潔くていいなと思っていて。今回のイベントで久しぶりに話をしたときも、やっぱり全然変わってなかったな。ちょっとはオトナになったのかな?
━━“ミスター謙虚”と自分では言ってました。
キリト:自分で(笑)? 出会った当初よりはそうかもしれないけど(笑)。
━━謙虚かどうかはともかく、ピースフルで前向きなステージを観せてくれたと感じましたけどね。
キリト:そうですね。カッコ良かった。
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