【イベントレポート】赤い公園の佐藤千明、映画『バルフィ!人生に唄えば』にキュンキュン
7月27日、中目黒で無料映画上映&トークイベント<ナカメキノ>が開催され、8月22日(金)より全国公開となる映画『バルフィ!人生に唄えば』の上映会に、赤い公園の佐藤千明が登場、熱いトークが繰り広げられた。
◆映画『バルフィ!人生に唄えば』画像
圧倒的な演奏力と存在感で注目を集める赤い公園だが、ボーカルの佐藤千明は強烈な映画ファンでも知られている。イベントでは映画解説者/「ナカメキノ」ディレクター中井圭、映画文筆家/WOWOW公認初代「映画王」松崎健夫を迎え、鼎談がスタートした。
佐藤千明:インド映画は歌って踊るイメージが強くて手を伸ばしてこなかったけど、ストーリーが日本人にとってなじみやすいなと思いました。私が今まで観てきた恋愛映画の中で一番可愛らしかったです。おでことおでこのキスはとてもキュンキュンしました。母親が映画好きで、小学校の頃から週1日、家族それぞれが一人2本映画を借りてくるという習慣があったんです。私は子供の頃はディズニー映画をよく見ていて、それから『ジョゼと虎と魚たち』のような邦画にはまったり、高校でまた洋画に戻ったり…。最近は人から薦めてもらっている映画をよく観るようになりました。映画の奥深さを勉強させてもらっています。この映画を通して、インド映画がもっと身近なものになってくれるのではと思いますね。
中井:『街の灯』へのオマージュのシーンもありましたよね。でもこの映画のいいところは、そういったことがわからなくても、成立していることだと思うんです。アカデミー賞インド代表ということもあり、インドだけじゃなく多くの人に伝わるように作られている、というのもポイントだと思います。
松崎:たとえば、雨が降るシーンは悲しい場面になるという映画の定義がひとつありますね。この映画は、言葉がなくても、そのようにイメージは視覚的に伝わるということを、各シーンにちりばめています。中井さんがおっしゃるように、いろんな国の人が観ても同じように感じられる、ということを信じてこの映画はつくられているんですよね。
中井:さらに普遍的なテーマもありますよね。昨今、言葉に頼りすぎていることが多い中、愛があれば言葉を超えるという物語であること、そして、登場人物3人それぞれが、誰かのことを想っているというところもポイントだと思うんです。自分以外の誰かのために生きるというのは、日本人の気質にマッチしますし、この作品の魅力につながっていると思いますね。
松崎:最近、世の中が利己的になっている中で、『チョコレートドーナッツ』でも思ったことなんですが、自分のためだけじゃなく、誰かのために生きるってことで人は生きていけるんじゃないかと思いますよね。恋愛映画として観たら、美しい物語ではないかもしれない。でも、この映画は、人生の向こう側まで描いていることがとてもいいですよね。
中井:最近のディズニーアニメもそうですけど、お姫様が王子様と結ばれて…のような単純なお話でうまくいくということはないですし、時代の流れが変わってきていますよね。そう意味で、この作品は、現代のおとぎ話としてもうまく描かれている一本だと思います。アメリのような作風もありますが、佐藤さんは、音楽の面はどのように感じましたか?
佐藤:主人公のバルフィが、話ができないというキャラクターなので、より音楽が必要ですし、インド映画である意味も感じました。
中井:今映画の中心は、ハリウッドに加えて、中国やインドも市場として大きくなっていますよね。インド映画というと歌って踊るというのが固有のイメージですが、それ以外にもっと色々なジャンルがあるということをとらえた方がいいと思うんです。日本でスマッシュヒットした「きっと、うまくいく」に続き、この「バルフィ!人生に唄えば」のような、ザ・インド映画ではないタイプの映画をお客さんが観ることで、インド映画の印象も変わっていくでしょうし、作品ももっと入ってくるかもしれないですね。
松崎:映画ファンだけじゃない人が観てはじめて、一般的になるということですからね。そして、最後に、みなさんぜひジルミル役のプリヤンカー・チョープラーの画像検索してみてください。彼女はミスワールド2000グランプリで、驚くほど美人なんです。
映画『バルフィ!人生に唄えば』
君の声が聞こえなくても、愛の言葉を囁けなくても、僕たちは、心で通じ合える。切なくも、さわやかな涙を誘う、感動の物語。生まれつき、耳が聞こえず、話せないバルフィは、豊かな感情を、眼差しと身ぶり・手ぶりだけで完璧に伝える街中の人気者。そんな彼に、密かに想いを寄せる二人の女性がいた。一人は、資産家の男性と結婚したシュルティ。どこか愛情が欠如した関係に悩みを抱えていた中で、バルフィと運命的に出会い恋に落ちる。しかし一方で、「安定した未来」も捨てきれず、心の奥で気持ちは揺れ動いていた…。もう一人は、人とうまく付き合えず、心を閉ざしていたジルミル。バルフィとは幼馴染で、ある日、偶然再会を果たす。そして、いつも優しくそばにいてくれるバルフィにだけは、次第に心を開いていき…。“恋のリスク”に悩むシュルティ、本能的にバルフィに惹かれていくジルミル。二人の人生が、バルフィの愛によって動き始めていく。彼らの間では、どこにでもある甘く優しい言葉は必要ない。ただひとつ、相手を想う“心”さえあれば、互いの瞳を通して、愛を語り合うことができるのだ。
監督:アヌラーグ・バス「Gangster」「Kites」
出演:ランビール・カプール、プリヤンカ・チョプラ、イリアナ・デクルーズ
8月22日(金)より、TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテほか全国公開
制作:日本デザイン株式会社
機材協力:バンタン映画映像学部
会場協力:バンタンゲームアカデミー
音響・映像:FATHERMUSIC
特別協力:株式会社 藤造
映画協力:ファントム・フィルム
◆『バルフィ!人生に唄えば』オフィシャルサイト
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