【BARKS特別企画】今最も輝くギター女子からの直伝『ギター女子になるための指南書10箇条』

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この記事はタイトルのとおりである。我々BARKSは、7月某日某所にSuzu、Saku、新山詩織というギタ女3人が結集するとの情報をゲット。今最も勢いのある彼女たちに直撃すれば『ギター女子になるための指南書10箇条』が完成できるのではないか、と現場に駆けつけた。

ギター女子が熱い昨今であればこそ、『ギター女子になるための指南書10箇条』を発表できれば全国5000万人のギタ女の卵のバイブルとなり、明日のスーパー女子誕生の一助になるはず…だ。直撃取材に際し、あらかじめBARKS編集部にて10箇条のうち「こんなもんじゃね?」と5項目を埋めておいた。誰でも分かる基本中の基本をはめただけだが、さて残りはどんな言葉が入るのか?残りの5つはSuzu、Saku、新山詩織に埋めてもらおうという、虫のいい話である。

『ギター女子になるための指南書10箇条』
1.「音楽が好き」
2.「歌うのが好き」
3.「ギターを弾きたい」
4.「曲を作って表現したい」
5.「人に聴いてもらいたい」
6.「    」
7.「    」
8.「    」
9.「    」
10.「    」

カッコいいギタ女になるために必要な素養とはどのようなものだろうか。社交的であるほうがいいのか?ひきこもりのほうがいいのか?ギターの腕前はどの程度必要なんだろうか。くじけそうになる時もあるだろう。その克服法はあるのか?理想的なパフォーマンスやステージングの秘訣があればそれも知りたい。んー、そもそもカッコイイギター女子って、どんなもの?

…本当にギタ女になるための条件などというものは存在するのか?期待と不安の交差した心持ちで突撃取材はスタートした。

◆女子にとって一番の難関はギターの弦交換

――最初の5項目はBARKS編集部のほうで埋めました。どうです?合ってますか?

Suzu:正解です!

――ほんと?(笑)

Suzu:ビンゴです(笑)。

Saku/新山:はい。

――残り5箇条を埋めたいんですが…ここには何が入るでしょう。

Saku:カバーとかもいっぱいするとか。最初の頃は『月刊歌謡曲』や『ゴーゴーギター』を買ってカバーしたりって感じですかね。

――でもギターって、指先が痛いですよね。あの痛さでめげる人もずいぶんいるのではないかと。

Saku:F(コード)がめっちゃ痛い(笑)。

新山:私は中学の時にエレキギターから入ったので、アコギより持ちやすいし弦が柔らかかった。それでもやっぱり最初は音が鳴らなかったですけど。

Suzu:私は、父がアコースティックギターを弾いててカッコいいと思ったんですけど、Cが弾けなくてやめた(笑)。

Saku:Cなんだ、Fじゃなくて(笑)。

一同:(笑)。

――Cコードはむしろ簡単な方ですけど。

Suzu:指が痛くてやめました。

Saku:最初そうだよね。指先が硬くないからね。

Suzu:そう、痛いんですよ。血が出るぐらい痛かったです。でもギターでいちばんいいのは、コンセントがなくてもどこでもできるってところだと思うんですよ。ギター1本でどこでも音楽を楽しむことができるから、それで「絶対ギター頑張るぞ」っていう思いで。

――ギター習得の中で一番つらかったことは何ですか?

Suzu:ギターの弦を張るのが難しいっていう。それがいちばん難しかったです。すぐ忘れちゃうんですよ。

Saku:それ、わかる。

――え? 弦の交換が一番の難関なの?

Saku:コンスタントに換えるわけじゃないんで、2週間とか経つと忘れちゃうんですよ。

Suzu:そう、忘れるんです。

Saku:あはは。

――新山さん、否定してくださいよ。そんなことないよね?

新山:私も同じです…。

Saku:そう、浮いちゃうよね、最初ね。キレイにきゅっといかないっていうか。

Suzu:うん、難しいです。

――もういいです。いずれにしても皆さん、基本はアコギですか?

新山:エレキも弾きます。どっちかっていうとアコギかな。

Saku:私はアコギもエレキも両方やるんですけど、どっちかっていったら今はアコギ。高校生の時とかアコギ1本でよくやってきたんですけど、今はバンドサウンドの中にきらめくアコギの音が好き。スミスとか、ギターポップが大好きなので。スミスの「Please,Please,Please」とか、カーディガンズとか、そういうバンドサウンドの中のアコギの音が大好きです。

――若いのに、なんでスミスやカーディガンズなの?

Saku:もともと父親がピチカートファイヴとか聴いていて、渋谷系を通ってきたので、そこからギターポップが好きになり。

――なるほど。ギター女子への道程には、家庭環境が大きく作用している気がしますね。

Saku:私の父親はギターはたくさん持っていました。お父さんが弾いてるので、逆に絶対弾かないとか思っていたんですけど、父親が兄のために買ってきたベースに私が食いついて、ベース習っている子と一緒に習いに行ったんです。けど、ふたりともベースじゃバンドはできないってことで(笑)、私がアコギに変えたんです。仕方なく変えたっていう(笑)。

――ギタリストとしての腕前っていうのは、どれくらいあればいいでしょうか。

Saku:どれくらいって…(指を広げて)こんぐらい?

――4cmくらいですか。

一同:(笑)。

Suzu:歌うのは大好きだったんですけど、自分の声が嫌いだったから人前で歌ったことがなかった。でも姉が「家でこそこそ歌ってても成長しないし、人前で良い意見も悪い意見も聞いたほうがいいよ」って言われて音楽を始めたんです。下手とか上手いとか関係ないし、人前に出ることによって違いが出てくると思います。

――なるほど。オーディエンスと対峙する大切さ、ね。

Suzu:「このようにしたほうがいいよ」って言う人もいるし、「上手いよ」って言ってくれる人もいるし、いろんな意見を聞きながら成長していくのが上手くなる秘訣だと思います。

新山:その通りだと思います。私がストリートライブを始めた時も全然下手くそだし、今ももっと頑張らなきゃって感じだけど、ほんとに上手い下手は関係なく「楽しい!」って弾けばもうそれでいいんじゃないかなって思います。

Saku:私も同じく楽しさ重視。最初は、お手本になる人がいるだけで楽しくカバーしてどんどんやっていけばいいと思います。

◆これからもずっと大切にしていけそうなギターを選んだほうがいい

――適性ってどうでしょうか。社交的なほうがいいのか、引きこもりのほうがいいのか。発散するエネルギーと内にこもっていくパワーのようなものって、どちらの側面もアーティストは持っているでしょ?

Suzu:難しい。

Saku:どっちの良さもあると思いますけどね。引きこもり…って言うのもあれですけど(笑)、今の時代だからこそSNSツールを使って自宅からYouTubeに上げるとか、そういうところから入ってもいいんじゃないかな。それで反響を見たり、嬉しいコメントがきたら自信にもなると思うし。社交的な人はライブハウスとか行くと思うんですけど、そうでない方でも今は発信できるツールがいっぱいあるので。

――Suzuさんはどうですか?引きこもりの要素ゼロですけど。

Suzu:うーん…ないと思います(笑)。

――くじけそうになることもありますよね?壁にぶつかった経験は?

Suzu:ありますよ。思い出します、ちょっと待ってください(笑)。うーん…Fとかコードが弾けなかったら、Suzuはカポをずらしてコードフォームを簡単にしてFを弾いたりとかしてます。

Saku:簡単なFあるもんね。

Suzu:ある(笑)。

――カポタストを活用したりして、弾きやすいように工夫するのは大事なことですね。

Suzu:そう。アイデア。

Saku:私は、ギターというよりも曲を作ったりとかしてて、やっぱりできない時期とかあったりすると、けっこう陰になったりしますよ。

――そこからの脱出法や克服法ってあるんでしょうか。

Saku:いや、「いい曲ができる」しか克服法はないですね。いい曲ができるまで作って、いい曲ができたら救われる(笑)。

――カッコいいギター女子になるための、手っ取り早い方法や近道ってないのかな。

Saku:実技とかも大事ですけど、やっぱり好きな色のギターを買って、見た目から入るっていうのもすごい重要なことだなと思いますね。私は赤がすごい好きなので赤色のギターを買ったりとか。見た目が気に入らないと続かないですし。

Suzu:弾きやすさとかはありますね。ネックの太さとかも大事だと思うし、重さとかもだし。

Saku:弦高とかね。

Suzu:そうそうそう!だからかわいいとかで選ぶと同時に、やっぱり手に取って弾いてみて、自分の好きな音色とかもあると思うし、掴みやすさとかもあると思うので、そこも大事だと思うんです。

新山:シンプルすぎるけど、「これだ!」って一目惚れしたのがいいです(笑)。

Saku:始めた頃は『ゴーゴーギター』とかに載ってるのを見たり、ホームページ見たり。楽器店の店員さんに「こういうのが欲しいんですけど」って相談したりとかしていました。

Suzu:バイトしてお金が貯まったらそのまま楽器屋さんに行って、全部ギター弾いたことがあります。あるものを。

――片っ端から試した?

Suzu:そうです。アンプとかも繋げて、スピーカーから鳴る音もちゃんと聴いたりとかして。で、やっぱり詩織さんが言ったように一目惚れしたやつを選んでます。

――一目惚れって、例えばどういうことですか?

Suzu:もう輝いてるんですよ。これだよ!って。

Saku:特別に見えるよね。

Suzu:そうそうそう。選んでいても最終的に戻ってくるみたいな。

――ポイントは弾き心地? それともルックス?

Suzu:その時はギターのことは全然わからなかったので、テイラー・スウィフトが持っていたギターの形をずっと探してたんです。でも今はライブをやって、いろんなアーティストさんたちのライブを観て、どのギター使ってるんだろうとか勉強もして、今は形より音色を大切にしてます。パーカッションのようにボディを叩いて歌うのも大好きだから、そのボディの音色とかも気にしてます。

――価値観も変化してくるんですね。弾きやすさはどうですか?

Suzu:大事です。ネックが太かったらFとかもなかなかできないので。自分がいちばん弾きやすく、これからもずっと大切にしていけそうなギターを選んだほうがいいと思います。

Saku:私もやっぱり弦高は気にしますね。最初に使ってたギターは2万円くらいのやつだったんですけど、めっちゃ弦高が高かったんですよね。知識がないのでこれが普通だと思ってて、新しいギターを買いに楽器屋さんに行った時に「こんなに弾きやすいならもっと早くF弾けたじゃん」みたいな(笑)。

――でも、おかげで鍛えられた。

Saku:そうですね。逆にそれがあって良かったなと思いますね(笑)。

――人前に立てると思えるまで、どれくらいかかりました?

Saku:ギターを始めて3ヵ月でライブを始めました。

――え、たったの3ヵ月で大丈夫?

Saku:いや、大丈夫ではなかったと思います(笑)。だけど、とりあえずやってみよう精神で。Fとかは極力避けて、バレーコードを使わない簡単なFで弾いてました(笑)。3ヵ月でライブを始めて、ライブとともにだんだんレベルアップするみたいな感じでしたね。

――まず現場に立っちゃえ的な。Suzuさんは?

Suzu:ギターを始めて6時間ぐらいでライブハウスに行って、ライブやりました。

――は?

Suzu:ライブハウスで飛び入り参加OKというのが月に1回あって、「今日あるから行こう」ってお母さんに言われて。6時間ぐらい練習して、Fとかも使わない曲でそのままステージに立った。もうボロボロだった。でも楽しかった。自分の声が昔から嫌いだったので、ミュージシャン仲間が「声いいね」とか言ってくれて、そこから、じゃあまた来週も来ようみたいな。仲間がいるのがいちばんの支えだったと思います。

Saku:Cは避けてやったの?

Suzu:難しかったからGとDで(笑)。

――押さえやすいオススメのコードってあります?

Suzu:意外とテイラー・スウィフトの曲とか簡単です。G、D、あとCは今は簡単(笑)。

Saku:私はAadd9(アドナインス)が好きです。ふたつしか押さえないし、開放弦の音がすごい好きで。そのままずらすだけでAとかも開放弦でキレイな響きになったりとか。

――それで曲っぽいものが弾けると、ひと通り自信がついてくるかな。

Saku:スリーコード、Em、C、Gとかじゃないですかね。あ、Dですね。「G、C、D」が弾ければ曲になるとは思います。

新山:EとAとDが、自分の中ではスリーコードですね。

――「AとDとE」のスリーコードがあればロックンロールができちゃいますね。

新山:できます(笑)。ローコードでいけます。

Saku:あとは、憧れのアーティストのライブ映像とかパフォーマンスを真似したり、自分の良さも採り入れたら、もう“自分っていうアーティスト”になるんじゃないかなって思いますね。

◆インタビュー続きへ
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