【ライブレポート】スマイレージ、初の日本武道館公演。「スマイレージの現場って、こんな感じなんです。」

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スマイレージ初の日本武道館公演<スマイレージ LIVE 2014夏 FULL CHARGE ~715 日本武道館~>が7月15日に行なわれ、8000人のファンが、ついに武道館のステージを踏んだ6人に大きな声援を送った。

◆<スマイレージ LIVE 2014夏 FULL CHARGE ~715 日本武道館~>画像

この日、日本武道館周辺には、初のスマイレージ単独武道館公演を心待ちにしていたファンが殺到していた。予定時刻を少し過ぎて開場が始まると、ファンは次々に館内へと吸い込まれる。期待と希望を含んだ熱気が、巨大な五角形の空間を満たしていくように。さらに開演間近のPAブースには、病気療養中のつんく♂プロデューサーが姿を見せる。そして関係者席には、最後のインタビューで「多分、これからファンの中で、スマイレージの良さを一番知っているのは、私になるんですよ(笑)」とはにかんでいた、懐かしい元メンバーの顔も。

「なんだっけ。前に、『3年目までに日本武道館できなかったら、もうできないって思ったほうがいい。』って言われたので、たとえ武道館はできないにしても、一歩でも、会場とかで成長が見られるようにはなりたいですね。」── 福田花音(2011年末に行なわれた「プリーズ ミニスカ ポストウーマン!」インタビュー より)

2011年、初期メンバーにとっては波乱続きだった結成3年目。サブメンバーから昇格する形で4人の2期メンバーが入ってきたものの、今、振り返ると、ファンもメンバーも、未来のスマイレージについてのビジョン、見るべき夢を見失いそうになっていた時期。そんな雰囲気が全体的に漂っていた。

ただ一方で、同じインタビューにて、リーダー・和田彩花と福田花音は、こんなフレーズを口にしていた。

「まだまだスマイレージの物語は続いていくし」── 和田彩花

「いろんな物語が集まって、スマイレージっていう伝説になるんじゃないかな」── 福田花音

結成から5年。2014年7月15日。スマイレージは、一度は諦めていた日本武道館への扉を開け、ステージに立つ。それはスマイレージにとって、またひとつ、新しい物語の幕開け── 。

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多くのファン、そして関係者が見守る中で、スマイレージは、初めてのオリジナル曲だったインディーズデビューシングル「ぁまのじゃく」から初武道館公演をスタートさせる。割れんばかりの歓声の中で、左右に伸びた花道の先、そしてサブステージと各所からひとりずつ登場したメンバー。センターに集まり光に包まれたその時、福田花音は、眼前に広がった6色のサイリウムの光に、思わず涙を拭っていた。

聞き慣れたイントロに、岩に激しくぶつかる波のような大きな声援が発生する。彼女たちにとってメジャーデビューシングルとなった「夢見る 15歳」。コールひとつひとつが会場を揺らし、一気に熱を帯びていくのがわかる。さらに、グループの節目で発表された2曲に続くのは、最新曲。8月20日リリースの両A面シングルから「嗚呼 すすきの」が披露される。

「本日、ここ日本武道館で大暴れするのは、私たち、スマイレージです!」── 和田彩花

スマイレージの歌声に熱いコールが交差する前半戦。「ミステリーナイト」「良い奴」を経て、来てくれた観客に向けてのサプライズとして、Juice=JuiceとBerryz工房が登場する。「(スマイレージの初武道館公演が)おめでたすぎて、黒の衣装で被ってくるという大失敗をしてしまったんですけども。」と、ももちも軽く笑いを取りながら、ここではJuice=JuiceとBerryz工房からスマイレージへ手紙を読むという展開に。会場は早くも感動的なムードになる……かと思いきや、Juice=Juiceは「ところで、中西香菜さん。中西さんはよく、Juice=Juiceメンバーに悪戯をしてきますね。」と、宮崎由加の歯ブラシに名前を書いたり、人のスマホで勝手に写真を撮ったり、ペンで腕に落書きしてくるといった悪ガキっぷりを暴露(中西香菜以外のスマイレージメンバーは弄りづらい、ということまでサラリと発言)。

一方、Berryz工房は、先輩としてちゃんと感動で会場を包み込む手紙を用意した……はずもなく、「さて、ここで田村芽実ちゃんに。」と、舞台中に楽屋が一緒だったキャプテンから、田村が「“夏焼”“菅谷”ってBerryzメンバーを呼び捨てにしていたのが聞こえてきて、めいめい大物だなーって思いました。」という驚愕の事実が披露される(多分、楽屋に貼ってある紙をそのまま音読しただけ、というフォローはあったが)。圧倒的な存在感から「後輩たちが怖がっている」と、まことしやかに噂されているBerryz工房。その中でも、とりわけある種のオーラを発しているふたりを呼び捨てにしたということで、会場の8000人は、恐怖で思わず顔を引き攣らせる。まぁ、もっとも、当の雅ちゃんはその話に爆笑していたのだが。

そして熊井友理奈は、福田花音に「花音、これからもよろしくね。」とメッセージ。常日頃から熊井ファンであることを公言している福田は、熊井からのそんな言葉に「はーい、もちろんですともー。」と完全に舞い上がっている、というか溶けている。さらにBerryz工房からの手紙は、普段から仲良しな“りろまろコンビ”菅谷梨沙子から福田へと手渡された。

スタンドマイクにステッキ、そして当時の4人を彷彿とさせる衣装での2期メンバーによる「○○ がんばらなくてもええねんで!!」。またサンバをモチーフにした「ドットビキニ」では、武道館のステージを縦横無尽に動きまわって、スマイレージの元気さを全開にしていく。

中盤のMCコーナーでは、℃-uteとモーニング娘。'14もサプライズゲストとして登場。Berryz工房とJuice=Juiceがそうであったように、ここでは両組からスマイレージに向けた手紙が披露される。℃-uteは、スマイレージと回った<ナルチカツアー>にて、勝田里奈がステージでお辞儀をしながら靴紐を直していたというエピソードを紹介する(もっとも、そんなマイペースなところが“勝田里奈らしさ”でもある)。さらにMCで上手く気持ちを言葉に出来なかった竹内朱莉が、思わずステージで叫んだ「ちくしょー!」という言葉に衝撃を受けたという話まで飛び出す。

モーニング娘。'14からは、鞘師里保が同い年の田村芽実に対して、「楽屋にいる時に、服を脱ごうとするのと甘えてくるのはいいけど、やたらとキスを迫ってくるのはやめてください。」と、このふたりは一体どういう関係なのだろうかと妄想しかねない発言。田村は「可愛いからさ。許して。」と、指摘されても止める気はなさそうである。また、飯窪春菜からは、仲良しの和田彩花に「私はずっと彩ちゃんが大好きなんですけど、彩ちゃんは最近、モーニング娘。'14の工藤遥ちゃんにとってもお熱ですね。」と、嫉妬心が見え隠れするメッセージが送られる。さらに和田が飯窪に「これって、いわゆる三角関係だね」と言ったことに触れるものの、「結局、最後は私に戻ってくるんだから。」と、器の大きさを見せつけた。鈴木香音が「(武道館公演の)差し入れ、もちろん私にも分けてほしいです!」と、なんともキャラどおりの発言で会場を爆笑させたのち、モーニング娘。'14からの手紙は、工藤遥が手にして、和田彩花のもとに。「彩花、頼んだぞ。」と、手渡す工藤に、飛び跳ねながら本気で照れている和田彩花であった。

ライブも折り返し地点を過ぎた頃、正方形をしていたサブステージにロープが張られ、リングが姿を現す。プロレスでも始まるのかと唖然としている観客。同時に会場の大型スクリーンでは、先日YouTubeで公開された映像が流される。

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