【レビュー】doa、10周年記念ベストアルバムに刻まれた“これからも君と”
doaが6月25日、メジャーデビュー10周年を記念して初のベストアルバム『open_door" 2004-2014』をリリースした。
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doaは、徳永暁人、大田紳一郎、吉本大樹からなる3ピースボーカルバンドだ。2004年7月のメジャーデビュー以来、精力的に制作活動を行なってきた彼らは、楽曲ごとにメインボーカルが入れ替わる変幻自在なスタイルと、3声の美しくも力強いボーカルワークでファンを魅了し続けてきた。
ウエストコーストロックを基調としたサウンドにはバンドとしてのスケール感がみなぎる。徳永は過去にB'zのサポートベースを担当したほか、ZARDや倉木麻衣などの作曲や編曲を務める実力者だ。また、大田もB'zや稲葉浩志ソロほか、ZARDなどのサポートギターとコーラスを担当した経歴を持つ。そして現役レーサーでもある吉本は抜群の英語力を有する異色ボーカリスト。作曲者、プレイヤーとしての確かな技量と、3人の多彩なボーカルワークは独自のオリジナリティ確立へと結びつき、2014年7月、デビューから10年のときを迎える。
リリースされたベストアルバム『open_door"2004-2014"』はdoa10年の軌跡を辿るもの。disc1にはメジャーデビューシングル「火ノ鳥のように」から15thシングル「Now and Forever」までの全15曲を収録した。disc2には6曲のデジタルシングルナンバーほか、アルバム収録曲から人気の高いナンバー8曲に新曲「Amazing Days」を加えた全16曲を収録、計31曲の特大ボリュームで届けられる。また、初回限定盤には全シングル表題曲15曲と「地球の中で二人っきり」「FRONTIER」、未発表曲「Amazing Days」を含むミュージックビデオを収録した特典DVDが付属。全18曲のミュージックビデオ集はそれだけで価値あるものだ。
disc1には、1stから15thまでのシングルが発表順に並べられた。その変遷を感じながらdoaの音楽に身を委れば、どの曲も入念にボイシングされ、濃く厚く重ねられた3人のボーカルがあまりにもパワフルで壮大であることに気付くはずだ。「火ノ鳥のように」などはデビューシングルながらそのオリジナリティ溢れるサウンドが、すでに完成の域に達した感すらある。これはやはり、それぞれがソロボーカリストとしての実力を備えた3人を擁するバンドスタイルによるもの。もちろん、一朝一夕では成し得ない個々の音楽家としての高い技量に裏付けられたサウンドでもある。
コーラスはバンドサウンド全体に和音的な厚みを持たせるばかりか、使い方次第では空間的な広がりを持たせることができる。そのことを実証したのが「白の呪文」に代表されるナンバーだ。メインボーカルに対してハモるといった一般的なコーラスワークはもとより、メンバー3人の顔が目に浮かぶような掛け合いや3声のユニゾンなど、3人が生み出すボーカルワークが実に豊か。一方で、和音数が増えれば増えるほどボイシングとして濁る可能性も高まってしまうという危険性をはらむのがコーラスであり、トリプルボーカルでもある。「ゼロの気持ち」のように全員がメインボーカルともいえるナンバーではリズム、ピッチ、アクセントはもちろん、細部のニュアンスに至るまで、3人が巧くかみ合わなければパワーも美しさも半減してしまう。
「日々精進だという心構えは、メンバー全員の中に常にあるので。同じパートが3人いるからこそ刺激を受け合うし、いい意味でライバル心みたいなものがあるんですよ」
これは、最新オリジナルアルバム『WANTED』取材時の徳永による発言だ。あのパワフルなトリプルボーカルを作り上げるには試行錯誤もあるようだが、それは日頃の練習と個々の力量、そして何よりも3人の絶妙な関係性があってこそ可能な業だといえる。キャラクターの異なるシンガー3人が織りなすボーカリゼーションは、曲ごとに切り替わるリードボーカルの豊かなバリエーションを楽しめることはもとより、一曲のなかに詰め込まれた3人のコーラスワークにも注目したい。
なお、disc1の中盤では「心のリズム飛び散るバタフライ」「はるかぜ」をはじめとした聴かせるミディアムチューンが続く。哀愁漂うメロディは美しく、アニメ『蒼天の拳』エンディングテーマに抜擢された「心のリズム飛び散るバタフライ」は、ジャンルを超えて愛されるバラードとしてロングセールスを記録、当時のUSEN年間総合チャートで2位にランクインした。「バラードを作っても、自然と西海岸っぽい匂いのあるものになるんです」とは前述のインタビューでdoaの音楽性について語った徳永の言葉だが、カントリーやウエストコーストロックを土台としたdoaサウンドは、ミディアムチューンでも独特の乾いた優しい輝きを放っている。
6曲のデジタルシングルナンバーほか、人気の高いアルバム収録曲などが収録されたdisc2は、こちらも発表順に楽曲が並べられた。2曲目に収録された「Siren」はB'zの稲葉浩志が作詞およびブルースハープ演奏を担当したことでも知られるナンバーだ。ちなみに徳永は、稲葉浩志の最新ソロアルバム『Singing Bird』収録曲にベーシストとして参加、その手腕を振るっている。
disc2の中盤には1st配信限定シングル「We are one」を収録。同曲は震災直後にチャリティーソングとして無料配信されて多くの共感を集めたナンバーでもある。作詞はdoa名義によるもので、“今こそみんなで声を合わせたい”という思いから制作されたこの楽曲は、“愛をつなごう”とリフレインされる歌詞がストレートに勇気を与えてくれた。また、配信リリース前からツアー中に披露されていた「まわり道」。毎日のしがらみに押しつぶされながらも頑張って働いている大人たちへ向けられた応援歌として、優しいメロディーとコーラスワークの中にあるメッセージが心に響く。
▲doaよりBARKSユーザー限定特製USBメモリーをプレゼント。 |
時代を超えて輝き続けるdoaは、7月5日および13日に10周年記念ライブ<doa 10th Anniversary LIVE "open_door" 2014>を開催する。新旧のdoaサウンドをぜひこの機会にお楽しみいただきたい。なお、doaよりBARKSユーザー限定プレゼントが到着した。抽選で5名様に当たるdoa特製USBメモリーにふるってご応募を。
取材・文◎BARKS編集部 梶原靖夫
■『doa BEST ALBUM "open_door" 2004-2014』
2014年6月25日(水)発売
【初回限定盤 2CD+DVD】GZCA-5262,5263,GZBB-5262 \4,500+税
【通常盤 2CD】GZCA-5264,5265 \3,000+税
<DISC 1>
01.火ノ鳥のように
02.白の呪文
03.英雄
04.青い果実
05.君だけに気づいてほしい
06.キャンドル
07.ゼロの気持ち
08.心のリズム飛び散るバタフライ
09.はるかぜ
10.ガラスのハイウェイ
11.サザンライツ
12.I wish
13.365のダイヤモンド
14.旅立ちの歌
15.Now and Forever
<DISC 2>
01.open_d〈1st AL「open_d」M-1〉
02.Siren〈1st AL「open_d」M-3〉
03.危険なカーブ〈2nd AL「CANDLE」M-8〉
04.地球の中で二人っきり〈3rd AL「3」M-2〉
05.手紙〈4th AL「Prime Garden」M-12〉
06.FRONTIER〈5th AL「FRONTIER」M-5〉
07.THIS LIFE〈6th AL「THIS LIFE」M-1〉
08.We are one〈配信single〉
09.シュガー トレイン〈配信single〉
10.まわり道〈配信single〉
11.RIDE ON〈7th AL「RIDE ON」M-1〉
12.Something〈配信single〉
13.コンビニマドンナ〈配信single〉
14.誰よりも近くにいるのに〈配信single〉
15.WANTED〈8th AL「WANTED」M-6〉
16.Amazing Days (※未発表曲)
<DVD>※初回限定盤のみ収録
1.火ノ鳥のように
2.白の呪文
3.英雄
4.青い果実
5.君だけに気づいてほしい
6.キャンドル
7.ゼロの気持ち
8.心のリズム飛び散るバタフライ
9.はるかぜ
10.地球の中で二人っきり
11.ガラスのハイウェイ
12.サザンライツ
13.I wish
14.365のダイヤモンド
15.FRONTIER
16.旅立ちの歌
17.Now and Forever
18.Amazing Days (※未発表曲)
■10周年記念ライブ<doa 10th Anniversary LIVE "open_door" 2014>
7月5日(土)東京/赤坂BLITZ
Open 16:00/Start 17:00
[問]ディスクガレージ:050-5533-0888
7月13日(日)大阪/堂島リバーフォーラム
Open 16:00/Start 17:00
[問]サウンドクリエーター:06-6357-4400
◆doa特製USBメモリー プレゼント応募ページ
◆10th Anniversary 特設ページ
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