【インタビュー】“俺を頼ってくれないか” 前進あるのみ!ダウトが届ける新作「ざんげの花道」
五月病でへこんでいる人への救済ソング?
ダウトのニューシングル「ざんげの花道」が5月21日にリリースされた。結成七周年を迎えた矢先にドラマーのミナセが家庭の事情により、バンドを卒業するというニュースが発表され、不安になった人もいると思うが、ダウトらしい世界観が爆発している今回のシングルにみなぎるエネルギーを体感すれば彼らのアティチュードが何も変わっていないことが伝わるはず。今後はもっと柔軟に面白いと思うことにどんどんチャレンジしていきたいというメンバーに、今の心境をふくめて話を聞いた。
◆ライブ映えする曲だなと思いましたね。ライブだと、よりバンドサウンドが
押し出されていますけど、CDで聴いたらキレイな曲だなって
──ニューシングル「ざんげの花道」は今年のZeppツアーのファイナルで初披露された曲でもあり、ダウトならではの和風ダンスロックに仕上がっていますが、どんなふうに生まれた曲?
幸樹:いつも歌メロを思いついたら、携帯に入れるんですけど、「ざんげの花道」は駐車場から家までの徒歩5分の間にできました。最初はこんなにビートのきいたバンドサウンドではなかったんですけれど、メンバーと話してちょっと骨太な感じのアレンジに仕上がりましたね。
──この曲、サビだけじゃなく、すべてのメロディがいいですね。
幸樹:いつも思うんだけど、俺、コードから作らないから、コード進行が一緒の曲が多いんだよね。
玲夏:そうだね。
──好きなコード運びなんでしょうね。
幸樹:そうですね。ただ典型的なコード進行に典型的な歌メロのときもあれば“この歌メロがこのコードなんだ?”っていうときもあるので、面白味がありますね。歌詞は“五月病”っていう大まかなテーマが決まっていたぐらいで、アレンジができてから書いていきましたね。
玲夏:最初に聴いたときはもうちょっとポップソングなイメージで、Bメロが輪唱みたいに追っかけていく感じの箇所が印象的でしたね。幸樹っぽい曲だなって。
威吹:僕も初めて聴いたときからメロディがいいなと思っていましたね。幸樹の曲っていつもメロディが覚えやすいんですよ。
ミナセ:うん。最初はメロディがキャッチーだなって。疾走感に力強さがプラスされていて、耳より先に身体にダイレクトに伝わってくる曲になったと思います。
ひヵる:初めて演奏したときにライブ映えする曲だなと思いましたね。ライブだと、よりバンドサウンドが押し出されていますけど、CDで聴いたらキレイな曲だなって。
。
幸樹:今、制作期間中なんですけど、(ひヵるは)曲に没頭すると食事とか眼中になくなって、やりこむタイプなんですよ。
──寝食を忘れて打ち込んじゃうんですね。
ひヵる:そうなんです。「ざんげの花道」は原曲より少しテンポを落としたことによって重量感が出た曲ですね。速かったら、もっとポップに聴こえたかもしれないし、もっと遅かったら、メロディが活きなかったかもしれない。絶妙なテンポかなって。
玲夏:なんで、そういう発言が出るかというと、この人(幸樹)不思議な人で覚えやすいメロディー作ってくるくせにポップな曲はやりたくないって言うんですよ。
幸樹:だから、ウチらってライブであんまりシングルを演奏しないバンドなんですよ。
◆今回はいいって言ってくれた人たちや今までダウトを支持してくれた人たちに
“これぞ!”って思ってもらえる感触はあります
──それは何か理由があるんですか?
幸樹:なんなのでしょうね(笑)。もちろん、シングルも1~2曲は演奏するんですけど、カップリングやアルバム曲が多いですね。最近のシングルは同期が耳に残る曲だったんですけど、「ざんげの花道」は楽器隊が前に出るアレンジで、あらためてバンドサウンドっていいなと思いました。前回のシングル「感電18号」は幅広くいろんな人たちにいいねって言われた作品だったんですけど、今回はいいって言ってくれた人たちや今までダウトを支持してくれた人たちに“これぞ!”って思ってもらえる感触はあります。
──演奏も振り切れてますが、ライブで演奏していてもカタルシスを感じる曲ですか?
威吹:出だしから勢いのある曲なので、イントロの時点で一体感を感じられる気がしますね。ノリやすい曲だと思うし、自然に身体が動いちゃうような……。
──各自の楽器のテーマは?
玲夏:ベースは“猪突猛進”ですね。
威吹:ギターは自分が得意じゃないフレーズを弾いているのと、曲にベストマッチじゃないものをあえて持ってきていますね。
ひヵる:ドラムが土台を支えてベースがグルーヴ感を出してくれているので、ギターはビート感を重視しましたね。「ざんげの花道」はいい意味でラフな感じで弾いてます。
ミナセ:この曲は歌が重要だと思ったので、ドラムはそこを活かす役割だと思って叩いてます。
──歌詞に関しては“五月病”がテーマだという話が出ましたけど、サビの“俺を頼ってくれないか”っていうところがすごく耳に残るんですよね。
幸樹:ホントですか? それ、みんなに言われるんですよ。
玲夏:100%言われますね。
──頼らせてくださいっていう気持ちになりますよ(笑)。
幸樹:自分の中では、そこまでそのフレーズをフィーチャーしたかったわけではないんですけどね。
玲夏:それって女性目線なんですかね。
ひヵる:でも、俺も同じところが印象に残りますよ。
幸樹:サビの頭より真ん中の詞が勝っちゃった(笑)。
◆見えない殻を破って翼が生えるっていうシーンにメッセージを込めてますね。
今までにない映像になっていると思うし、また可能性が広がりました
──どんな想いがあって書いた歌詞なんですか?
幸樹:五月病やら何やらで悩んでいる現代の人間関係をクローズアップした救済ソングではあるんですけど、僕は“何もかも全てうまく行くさ”的な希望に満ちた歌詞があまり好きじゃないんですよ。光の中にも闇や毒がないとリアルじゃないなと思うので、そこは大事にして書きましたね。
──それとミュージックビデオはメンバーの背中に羽根が生える映像がインパクトがありました。
幸樹:ミュージックビデオってカメラ映りを意識するんですけど、演奏シーンに関してはすごい顔になってようと関係なしで頭を振るだけ振っているのでライブ感が味わえると思います。各自のイメージシーンでは、見えない殻を破って翼が生えるっていうシーンにメッセージを込めてますね。今までにない映像になっていると思うし、また可能性が広がりましたね。
──ではカップリングの「妄想天国」についても教えてください。この曲はハンドクラッピングで盛り上がる絵が浮かびます。
玲夏:俺はライブで華やかな部分を彩るような曲ってあまり書かないんですけど、この曲はちょっと思考を表に向けてみようかなと。あとはバンドの思いきり男らしい部分を出したいなと思って作った曲ですね。
──ベースから始まる曲だし。
玲夏:そうですね。この曲のベースはコードの変化を見せる役目をしてるかなって。
威吹:この曲は意外でしたね。玲夏の作る曲って複雑というか、コードも工夫している曲が多いんですけど、ノリも含めてすごくわかりやすい。女性コーラスもいいスパイスになってますね。ギターはテンション重視ですね。
ミナセ:ウチのバンドってお祭り的なノリの曲が多いんですけど、この曲はどちらかというとパーティーチューン。みんなで騒げる曲でライブの絵が浮かぶ。ドラムはリズム自体で聴く人の身体を動かすノリを出すのがテーマでした。
ひヵる:うん、ファンのコが手拍子しながらシンガロングできる曲かなって。ギターは「ざんげの花道」とは対照的にカッチリキッチリ弾いてますね。
幸樹:曲自体はダンスフロアーでみんなで楽しもうよっていう雰囲気だけど、歌詞は玲夏からのリクエストもあってパーティーって感じの内容ではないですね。(フィンガー5の)「学園天国」もパーティーチューンだけど、歌詞は違うじゃないですか。基本、僕、例にあげる曲がちょっと古いですけど(笑)。
玲夏:時代背景が古い(笑)。
──妄想のススメソングですよね。
幸樹:そうですね。最後に“レッツ ポジティヴ シンキング”って歌っていますけど、妄想って基本、ポジティブなことしか考えないなって思ったところから書きましたね。
──なるほど。“中二病は素敵”ってフレーズもウケました。
幸樹:いろんな人と出会って思ったんですけど、いつまでも子供心を持っている人のほうが若いですよね。そういう人になりたいなって思って。
ひヵる:僕もそういう人になりたい。人生にもっと前向きにポジティブに取り組めたらステキなんだろうなっていうことを今、妄想しています(笑)。
◆インタビュー続きへ
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