【イベントレポート】真野恵里菜、パトレイバーの撮影現場は“オトナの空間”

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実写版パトレイバーこと『THE NEXT GENERATION パトレイバー』のデッキアップイベントが、3月17日にららぽーと豊洲のシーサイドデッキにて開催され、実物大イングラムの稼働する姿が報道陣に初公開された。

◆『THE NEXT GENERATION パトレイバー』デッキアップイベント 画像

沈みゆく夕日をバックに行なわれたイベントには、本作主演と主題歌「Ambitious!」を歌った真野恵里菜(特車二課 第二小隊 一号班 操縦担当・泉野 明 役)と筧利夫(特車二課 第二小隊 隊長・後藤田 継次 役)、そして総監督を務めた押井守が参加。まずは、本作品の見どころや、撮影を振り返ってのエピソードなどが語られる。

4月5日の第1章公開を控えて、真野ちゃんは「自分の中で(泉野)明を演じてきて、最初は葛藤とか悩みとかあったんですけど、今は達成感でいっぱいです。公開されて私の泉野明がみなさんにどう映るのかが楽しみ。」とコメント。筧利夫は「アニメのファンが多い役どころで、わたしに役が決定した時には賛否両論あったのですが、私が演じるのは後藤ではなく後藤田隊長ですので、ただ、アニメの後藤隊長も踏襲しないといけないということで、難しい入りがあったんですが、最終的には俺の演技に周りに慣れてもらうしかない。その結論で突き進ませていただきました。」と、それぞれ難しい役どころを演じきっての世間からの反応を楽しみにしている様子だ。

また押井守監督は、人気アニメシリーズの実写化について、「隊長(筧)にも、真野ちゃんにも、公開されたら相当叩かれるよって話をしたと思うんですよ。」「でも公開終わりに差し掛かった頃に、“やっぱりこのふたりでなければ、後藤田っていう隊長と明って女の子は演じられないんだ”って思ってもらえるようになるから大丈夫。そうならなかったら、僕の責任です。」と、作品と役者の演技への自信をのぞかせた。

「(特車二課の出演者は)キャラクターそのままでしたね。真野さんと1対1のシーンはほとんどなくて、後半のほうでワンシーンだけあったんだけど、その時も、真野さんなんだか泉野さんなんだかよくわかんなかったです。みんなキャラクターそのまんまでしたよ。みんなそのまんまでプライベートで飲みに行ったりしてたし。」と、筧は撮影を振り返る。真野ちゃんも、「自分のなかで明になろうとか、自分に戻ろうとか意識はなくて。特車二課のほかの方々のキャラクターが本当に濃くて、その中で自分をどう活かしたらいいだろうなっていうのに悩んじゃって。明っていうのは、自分自身が生み出したわけではなくて、押井さんはじめ、隊長やほかの隊員、スタッフさんの支えがあって生まれたので。プライベートとか気にしてなかったです。そのまんまやってました(笑)。チームワークとかそういうものじゃなくて、不思議な感覚なんですよ。みんな個性豊かで。“オトナの空間”だなって私は思いました。」と、撮影現場での様子、雰囲気を伝える。想像するに、撮影期間中は役者陣が集まって、カメラの前でひとつの物語を作り上げるのだが、各人がカメラの前であるかどうか関係なく普段から個性的だったため、その作り上げようとしている物語・世界も、まるで普段の生活の延長線上にあるかのような、そんな錯覚を覚えるような現場だったのだろう。

そしていよいよ今回のメインイベント、パトレイバーが起き上がる瞬間へ。後藤田隊長の出動命令を泉野が受け、パトレイバーがゆっくりとデッキアップ開始。湾岸地域に吹く潮風を受けて、夕暮れの空に立ち上がったパトレイバーを眺めながら、「外で観るのは違いますね。もうちょっと電池が入っていたら歩くんですけどね。」と、筧はジョークを飛ばす。「初めて観た時は、迫力がすごかったです。」と、真野ちゃん。ちなみにコクピット内のシーンは「クランクイン以上に緊張しました。実際に乗り込むといろんなスイッチがあって、ワクワクしましたね。」と、撮影を振り返って笑顔を見せる。押井監督は「パトレイバーは湾岸に立っているのが一番絵になる。」と、その雄姿に満足気だ。

「12本やったんですけど、全部違う映画なんです。違う種類の映画として作っちゃったんですよ。1本1本、好き嫌いはあると思います。シリーズ全体を通して、何がいいかというと、こちらの方々。隊員とか隊長とか、生活しているところを堪能してもらいたい。特車二課みたいな会社があったら、そこで仕事したいなって思えるかどうか。そういう感覚になってもらえたら、シリーズとして成功だと思います。」── 押井守

「(第1章の)見どころは全部です。エピソード0と第1章というのは、これからにつながる回になるので、パトレイバーのファンの方にも、パトレイバーを知らない世代の人にもまずは観てほしいです。」── 真野恵里菜

「ロボット映画ではなく、人間模様を描く中身なので、それを観て欲しいです。1章はキャラクターひとりひとり紹介みたいなのはあるんですけど、やっぱりね、パトレイバーは出てくるわけで、アニメの時にファンになった人は「あー、これは実写で観たかった」ってカットはいくつかありますね。あるね。ある。」── 筧利夫

なお、イベント終了後には関係者を集めて第1章の試写会を実施。CGではないリアルなものが動いているという迫力、そしてツッコミどころ満載の内容は、イベントの最後、押井守監督の「自分で言うのもなんですけど、かなり面白い作品になると思います。ある意味では、僕が想像したより面白いと思います。」という言葉が、決して大げさなものでないことを十分に実感することができた。端的に言うと、この映画、面白い。

『THE NEXT GENERATION パトレイバー』は、4月より12話を劇場公開用にシリーズ7章に再構成して順次イベント上映。また、長編劇場作品は2015年のゴールデンウィークに全国拡大ロードショーとなる。

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)



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