【インタビュー】SID(シド)、アルバム『OUTSIDER』完成「あの辛さを乗り越えたことでまたひとつ次の場面に行けたというか、強くなれた」

ポスト

SIDが3月12日、メジャー4thアルバム『OUTSIDER』をリリースする。収録された全11曲のバンド感は素晴らしく、「V.I.P」「恋におちて」「サマラバ」「ANNIVERSARY」「hug」といったバラエティに富んだ5作のシングルをはじめ、このアルバムのために制作された新曲が、SIDの音楽性が急激な加速度をつけて広がり続けていくことを示すかのような仕上がりだ。

◆SID(シド)拡大画像

SIDは去る2013年、“10th Anniversary 10Projects 2013+α”なる結成10周年プロジェクトを開催した。新作リリースはもちろんのこと、ベストアルバム発表や横浜スタジアムで行なった10周年記念ライブ、そして公演ごとにセットリストを変え、全5本で100曲を演奏するという前代未聞の野外ツアーなどを遂行、“10”のさまざまな企画でアニバーサリーイヤーを彩った。

それだけ多忙なプロジェクトをこなしながら、感動と興奮冷めやらぬうちにリリースされるアルバムは、これまでにない新境地だらけだ。自らの過去を振り返った10周年イヤーを経て、4人4様に突き進む彼らのサウンドは広がってまた新たな一面をのぞかせた。その可能性は止まるところを知らず拡大する一方で、バンドサウンドにはまるで隙がない。はみだし続ける“OUTSIDER”なアルバムをメンバー4人が語るロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■ツアーを意識したアルバムにしようってことは話していました──マオ
■バンドやってる人がコピーしたくなるような曲を入れたいなと──Shinji

──まずはニューアルバム『OUTSIDER』についてうかがう前に、昨年行なわれた“SID 10th Anniversary Projects 2013+α”の中で一番印象深いものをそれぞれ挙げていただきたいのですが。

ゆうや:野外ツアー(SID 10th Anniversary TOUR 2013)ですね。ほぼ全曲……百何曲かをツアーでやるのって、もちろん初めてのことだったし、それがまた10周年ってタイミングでできたっていうのが良かったなと。あー、俺らこんなに曲数あったんだとか、こんなタイプの楽曲あったのかとか、そういう発見もあってすごく印象的でした。準備にしても当日の暑さとか、そういうことにしても大変ではありましたけど、ちゃんと10年を振り返れたなと思います。得たものも多かったです。

マオ:僕も夏の野外ツアーですね。本数は5本でしたけど、すごく内容が濃いものになったし。個人的には体調とかとの闘いもあったりしたんですけど、あの辛さを乗り越えたことでまたひとつ次の場面に行けたというか、強くなれたと思うんで、経験できて良かったなと。

明希:俺は、12月にやった自分たち主催のイベント(Visual BANG! ~SID 10th Anniversary FINAL PARTY~)かな。武道館で自分たちのイベントができるっていうのも嬉しかったですし、自分たちの曲を聴いてくれてた下の世代のミュージシャンたちがたくさん出てくれたのも嬉しかったです。この10年で、それなりに人に影響を与えることができたのかなと思うと感慨深いですし。ライブ自体もすごく楽しくて、いい締めくくりになったと思ってます。

Shinji:ベストアルバム(SID 10th Anniversary BEST)のリリースが嬉しかったですね。やっぱベストアルバムって、ある程度世の中に認知されていないと出せない気がするので、ベスト出してる人ってすごいなと昔から思ってたんですよ。だから自分たちが出せるようになったことがありがたいなって感じてますね。

──そんな経験値もきっと生かされているであろうニューアルバムですが、オリジナルとしては約1年半ぶりということで、制作前、何かみなさんの中での共通テーマのようなものというのはありましたか。

マオ:ツアーを行なうってことが決まってたんで、ライブは……というよりはツアーですね、ツアーをすごく意識したアルバムにしようってことは話していました。

──具体的にはどういう曲を入れたいと思われたんでしょうか?

ゆうや:一番大きかったのは……シングルが5曲入るって決まってたんですけど、けっこうライブでやってる曲も多かったんで、自分が作る曲に関しては、インパクト感というか、新しいSID感というか、何が足らないのかをいろいろ考えましたね。

明希:シングルに明るい曲が多かったんで、曲調が同じようなものになってもどうかなと思ったのもあり、違う場面の見える曲がいいなと思ってました。

Shinji:これ、アルバムを作るときって毎回思うことなんですけど、バンドやってる人がコピーしたくなるような曲を入れたいなというのは、今回改めてみんなで話しました。

──あぁ、聴く人がワクワクするフレーズやサウンドで溢れてる感じというか。

Shinji:うん、そうですね。そういうものにしたいって気持ちは強かったです。

◆インタビュー(2)へ
この記事をポスト

この記事の関連情報