【インタビュー】Salley「押し付けがましくなり過ぎず、ただ優しい感じでもなく、見返りを求めていないわけでもないという、微妙なニュアンスを出すのが難しくて」
■上口くんの曲はサビで急にせつなくなることがよくある
■だから最後は消えてしまうぐらいせつない歌詞にしようと
──だーりぃぃぃーん、の中にいろんな感情が見えるという意味でも、名フレーズだと思います。で、カップリング「カムパネルラ」はまた全然違って、パッと聴いて「Salleyっぽいな」と誰もが思う曲調というか。
うらら:私も、「上口節、来たな」と。まだバイト中に作ってたんで、おととし? ナンバリングでいうと、12か13です。
上口:一番最初にイントロが思い浮かんで、リフの感じとコード感がSalleyっぽいなと思って、そこからできていったと思うんですけど。夜の、ひんやりとした感じというか、そういうイメージがありました。
──カムパネルラといえば、銀河鉄道の夜。
うらら:はい。曲に疾走感があったので、その感じを残したくて、自転車で走っている曲にしたんです。イメージとしては、歌詞の主人公たちが自転車につけた名前なので、意味はわからなくてもいいから響きのいいものは何かないかな?と思って、浮かんだのが「カムパネルラ」でした。私の中では、「高校生のあこがれ、自転車の二人乗り」がテーマなんですけど、この女の子はひとりよがりなんです。女の子はそれをすごい楽しんでるけど、ひとりよがりに気持ちが大きくなりすぎちゃって、相手の気持ちと合わなくなってしまう…みたいな。高校生にありがちな、若い恋愛にありがちな気持ちのすれ違いを書きたくて。カムパネルラとジョバンニとの関係性も、ジョバンニはひとりよがりで、カムパネルラに「ずっと一緒にいようね」というセリフがあったりするんですけど、そのあとカムパネルラは消えてしまう。そういう部分もマッチするなと思って、これにしようと。
──これは本当にせつない歌詞。曲調がアップテンポなだけに、余計に。
うらら:上口くんの曲は、サビまではそんなでもないけど、サビで急にせつなくなることがよくあるので。これもそういう曲なので、最後は消えてしまうぐらいの、せつない歌詞にしようと思ってました。
──そしてもう1曲、恒例のアコースティック・セッション曲「その先の景色を」。これ最高です。個人的に、今までのアコースティック・シリーズの中でも一番好き。
うらら:ありがとうございます。私にとっても、レコーディングは魔法のような時間でした。目をつぶって歌ってたんですけど、本当にきらきらしてるのが見える感じで。一発録りだったんですけど、一番いいテイクが録れたんですよ。
──これは奇跡的なテイクだと思います。そしてギターも素晴らしい。エモい。
上口:もう解散しちゃったんですけど、ズータンズというバンドで鍵盤を弾いてた鈴木(謙之)さんという方に入ってもらってるんです。いつか絶対一緒にやりたいとずっと思い続けていて、やっと叶ったんです。何がいいといって、プレイは当然いいんですけど、熱量がむちゃくちゃ素晴らしい人。僕も鈴木さんの鍵盤に引っ張られて、ああいうプレイをしたという感じです。
──このシングルが出て、その次はいよいよ4月のツアー。ほんと、楽しみにしてます。現時点での意気込みは?
うらら:2013年の年末ぐらいにやっと、「自分がライヴをしてるな」って感じられるようになったんです。それまでは、「こうしなきゃああしなきゃ」「こうしちゃ駄目、ああしちゃ駄目」って、頭でずっと考えながら、機械的にライヴをしてる部分がちょっとあったので。年末のライヴは、そういうのを一回全部忘れて、もっと自分らしくできないかな?と思ったことができたので。「ライヴってこういうことなんだ」って、やっとわかり始めた気がします。
──そのへん、もうちょっと具体的に言うと?
うらら:お客さんの顔を見ながら、自分が楽しむのが一番いいなと思ったんです。そういう時が一番表情も生き生きしてるし、バンドのテンションも上がる感じがしたので。「こういうことかな」と。
上口:Salleyというユニット自体が、結成してからそんなに時間がたっていないし、大きなバックグラウンドがあるわけでもなかったので。本人を含め、周りの人たちも「この子たちはどこへ向かっていくべきなのか?」ということが、わからないままに走り続ける状態が続いていたかもしれない。それが2013年の後半ぐらいに、僕ら自身の意思表示として「こうしたいんだ」というものを、もっと出していけるようになったというか。それまでやっていなかったというわけではないんですけど、ライヴを重ねることによって、そういう考え方ができるようになってきたのかな?と思います。
──なるほど。
上口:ライヴはお客さんと直で触れ合う場所で、ステージに立っているのは自分たちなので、その空間を変えることは自分たちにしかできないんですよね。だから、もっと熱量とかヴァイブスをしっかり持ちたいなという思いが、強くなったと思うんですけど。それさえできれば、いいライヴになると思ってます。頑張ります!
取材・文●宮本英夫
「あたしをみつけて」
テレビ朝日系 木曜ミステリー「科捜研の女」主題歌
2014.03.05発売
[初回盤] CD+DVD ¥1,500(tax out) VIZL-626
DVD特典「あたしをみつけて」ミュージックビデオ付
[通常盤] CD ONLY ¥1,000(tax out) VICL-36869
CD
01.あたしをみつけて
02.カムパネルラ
03.その先の景色を(acoustic studio session)
04.あたしをみつけて(instrumental)
[期間限定盤] CD+タブロイド紙 ¥800(tax out) VIZL-627
01.あたしをみつけて
02.あたしをみつけて(instrumental)
<Salley Live Tour 2014 Spring>
4月18日(金)名古屋CLUB QUATTRO
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(全日10:00-18:00)
4月20日(日)梅田CLUB QUATTRO
[問]GREENS 06-6882-1224(平日11:00-19:00)
4月26日(土)恵比寿LIQUIDROOM
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00?19:00)
<ミニライブ&ジャケットサイン会>
3月8日(土)13:00スタート
場所:タワーレコード名古屋パルコ店 西館1Fイベントスペース
[問]タワーレコード名古屋パルコ店052-264-8545
3月8日(土)17:30集合 / 18:00スタート
場所:タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース
[問]タワーレコード梅田NU茶屋町店06-6373-2951
3月9日(日)15:00スタート
場所:タワーレコード渋谷店 1Fイベントスペース
[問]タワーレコード渋谷店 03-3496-3661
3月15日(土)15:00スタート
場所:TSTAYAみなとみらい店
[問]TSUTAYA 横浜みなとみらい店:045-227-7676
◆Salley オフィシャルサイト
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