【ライブレポート】RoNo☆Cro、バンギャル・ハートをわし掴み

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2012年に結成して以来、バンドのコンセプト「ULTRA HAPPY TIME」を掲げ、着実にその空間を、関東を抜け出して各地へ広げ、今年始めにはTSUTAYA O-WESTでのワンマンライブを見事大成功に収めたRoNo☆Cro(ロノクロ)。現在ヴィジュアル系シーンで若者を中心に人気を博しているキラキラ系と呼ばれるジャンルの中でも、勢いを持って台頭している。

◆RoNo☆Cro画像

それを経て、2月16日(日)の玲音(B)の誕生日を祝うバースデー主催ライブは、各地のファンから声が殺到したため、なんと前代未聞の東名阪ツアーとなって、その名も<We Love 豆乳エンジェル>と題して実現された。更に、2月18日(火)大阪RUIDO、19日(水)HOLIDAY NEXT、そして21日(土)高田馬場AREAにて行なわれた全3公演のソールドアウトは、RoNo☆Croと、ツアーの主役となった玲音の人気の高さを世間に知らしめる出来事となった。

Sick²、Neverland、LEZARD、LANDZ、カラット、超時空アンドロイド-PIECE-、BlitZといった面々がお祝いに駆けつけ、ステージに熱気をもたらしたツアー最終日。この日のトリに、カラフルでポップな照明の中、待ちに待ったRoNo☆Croが笑顔全開で、新衣装であるお揃いの制服姿で登場すると、一気にステージはパッと華やぎ、思わず「かわいー!」と声を漏らす観客。Vo.Minamiは「今日は集まってくれてありがとう!」と東京で待っていたろのっこ(ファン)に告げ、「コイバナ」でせつなさを交えた恋の未練を明るく歌い上げる。観客は早速Minamiに合わせて器用に手をくるくると回して踊り始め、初めて見る者も耳に馴染みのいいポップなメロディーに見よう見真似に自然と身体を動かす。ダンス同様、振り撒かれるメンバーの笑顔は、あれよあれよという間に観客へと伝染していった。

続いて、イントロからG.メロとG.雪希の絶妙な掛け合いを見せ始まったのは「Original Secret Leave ~おしり~」。曲中ではそれぞれの特徴と共にメンバー紹介がなされ、観客も一緒になってメンバーコールを楽しみ、4人それぞれの個性と存在をアピール。

辺りが暗転すると、鳴り止まない黄色い歓声が沸いた。改めてMinamiは「僕たちはいわゆる振り盤です。だけどわからなくても全然大丈夫!知ったかぶり大歓迎!」と、まずこの日この場所で互いに出会えたことに感謝し、その言葉はステージと観客だけでなく、ファン同士の垣根も無くしていった。

身体の弾むリズムに合わせて手拍子をすると、本ツアーから会場限定で販売された「ハニカミ Birthday」を、玲音を祝うように披露。途中「おめでとー!」とマイクを向けられるも、淡々と演奏をこなし続け、クールな面を見せる玲音。ここに生まれてきてくれたことの喜びを、ファンへも曲を通して優しく言葉を掛けるように届けた。

ステージが真っ赤に照らされる中、超高速ビートに合わせて、冒頭から左右にステップを踏み、パラパラのようなダンスを要求し、ライブ終盤へ向けて難易度を上げてきた「スプーン~grasp~」。シンセサイザーのスピードに負けない、息の合ったユニゾンといったロックなアレンジに引き込まれていると、突然演奏が止まる。すると、ハッピーバースデーの曲が流れ、いつの間にかメンバーによって用意されていたケーキが玲音の元へ運ばれた。そのサプライズに「びっくりした人ー!」とMinamiが観客に尋ねると、後ろで玲音も手を上げ、一番驚いていたのは当人のようであった。東名阪とツアーを周り、またレコーディング中にメンバーからも祝われた玲音が今年誕生日に贈られたケーキの数は、なんと4つにも上るという。

あっという間のラスト「Give Me A Smile」では、RoNo☆Croのメンバーが集まるまでの歩み、ファンと出会えた奇跡、そして、ファンにこれからもずっと寄り添うまっすぐな気持ちをコミカルに歌って駆け抜け、文字通り最後まで絶やさない笑顔を振り撒いた。

すぐさまアンコールの声が上がり、再登場するメンバー。「僕、こういう辛気臭い話が好きなんだけどさ」と口を開き始めたMinami。そして「RoNo☆Croを一番に思ってくれるならもちろん嬉しい。だけど、他のバンドにも通っているなら、そのバンドのことも大事にして、応援してほしい」と彼らは一番に、バンギャルのみんながハッピーなバンギャルライフを送ることを願っていること、そのために自分たちがステージに立っていることをしっかりと言葉にして伝えた。いつでも自分たちの元へ足を運んでくれる者の居場所であるように、大きく手を広げて待つ広い心を示すと同時に、そう口にできるだけの内に秘める自信と頼もしさも感じさせた。

ラストを飾った「雷帝ドリーマー」はこれからもまだまだ夢を追い掛けるように、ヴィジュアル系らしい疾走感の中でクールかつ情熱的に歌い上げ、メンバーも観客と一緒にジャンプをしたり、揃ってターンを見せるなど、最後まで一丸となって「ULTRA HAPPY TIME」というエンターテイメントを見せた。

メンバーがステージから退散しようとすると、幼馴染である雪希が、自分からは多くを語らない玲音をステージ中央にまで押し出し、指揮を取り、観客と共に「お誕生日おめでとう!」ともう一度祝うと、玲音は大きな笑顔を見せながら深く礼をし、この日の幕を閉じた。すると終演後も「本当にエンジェルがいた!」と、最後に止めを打つように見せた玲音の溢れる笑顔に魅了された観客による声が飛び交っていた。そしてこの日も、彼らから放つ笑顔は、それを目にする者の共通項となって、しっかりとバンギャルのハートを掴み、また“ろのっこ”という幸せの連鎖を大きくしていた。

2013年より『ドマイナー卒業プロジェクト』と題し、さまざまなライブハウスで活動を繰り広げてきた彼らは、5月に行なわれる東名阪ワンマンツアーにて、結成2周年にしてそのミッションを終了する。最終公演『The END of D』は5月25日(日)にRoNo☆Cro至上最大キャパの代官山UNITで開催され、その『D』が何の終わりの『D』を意味し、その先にどんな始まりが待っているのか、今後の行く末も見逃せない。

文:金川彩子

<We Love 豆乳エンジェル>
1.コイバナ
2.Original Secret Leave ~おしり~
3.ハニカミ Birthday
4.スプーン ~grasp~
5.Give Me A Smile
アンコール
6.雷帝ドリーマー

MINI ALBUM「This is RoNo☆Cro」
3月26日(水)全国一斉発売
Atype【初回限定盤】CD+DVD \2,940(税込)
1.タイムカプセル
2.コイバナ(Rearrange ver.)
3.雷帝ドリーマー(Rearrange ver.)
4.メアリー~the Garden of Lilith~
5.だけどシンプルなひとつの「」
[DVD]
1.タイムカプセル(MUSIC VIDEO)
Btype【通常盤】CD \2,520(税込)
1.タイムカプセル
2.コイバナ(Rearrange ver.)
3.雷帝ドリーマー(Rearrange ver.)
4.メアリー~the Garden of Lilith~
5.だけどシンプルなひとつの「」
6.エンドレスシーズン(rearrange ver.)

<RoNo☆Croドマイナー卒業プロジェクト Pull out of the ドマイナー~マイナーへの道~【Final Mission】>「東名阪 ONE MAN TOUR」
5月4日(日)大阪アメリカ村CLAPPER
『革命 COUNT DOWN』
5月5日(祝)名古屋ell.SIZE
『Breaking The Habit』
5月25日(日)代官山UNIT
『The END of D』


◆RoNo☆Croオフィシャルサイト
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