桑田佳祐、<昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦>がDVD&Blu-ray化

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2013年12月、パシフィコ横浜国立大ホールで4日間にわたって行なわれた桑田佳祐によるAct Against AIDS コンサート<昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦>が、DVD&Blu-rayで3月12日にリリースされる。

◆<昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦>映像作品ジャケット 画像

桑田がAct Against AIDSのコンサートを行なったのは4年ぶりであったことに加え、今回の企画が2008年に行なわれ、ファンの間で大好評だった<ひとり紅白歌合戦>の第二回目ということもあって、発表と同時に大きな反響を呼び、例年3日間だった公演日を今回は4日間に増したものの、チケットは秒殺で売り切れとなった。

ただ今回は、公演の前半で、桑田扮する総合司会の甘皮静夫が、会場に映し出された映像の中で「中西! なんでもDVDで売っちゃうんじゃないよ、ライブやるたびに!」と、冗談まじりに自身のチーフ・マネージャーをたしなめる場面があったことなどから、映像化については、桑田・スタッフともに、まったく考えていなかったという(もちろんカメラは入っていたが、それは当日のライブビューイングなどのため)。

しかし報道などで公演の模様の一部が放送され、約4時間にもおよぶ大ボリュームのステージだったことなど、その内容が明らかになると、当日、会場に行くことが叶わなかったファンから映像化を求める声が殺到したのだという。桑田にとっても、自身の血肉となった選りすぐりの新旧の名曲を歌い上げた会心のステージとなったため、ファンの声もあって、映像化の検討を年末より急遽始めたのだという。

いざ現実的に検討を始めると大きな問題が。今回、55曲にもおよぶ、新旧さまざま、ありとあらゆる歌手や作曲家・作詞家が関わっている名曲ばかりを歌い上げた桑田。そうであるがゆえに、当初はすべての曲の収録許諾を取ることは不可能と思われた。とは言いつつ、この<ひとり紅白歌合戦>は、選曲はもちろんのこと、紅組、白組と歌を交互に歌っていくという制限があるため、その曲順や対決の妙まで含め、1曲でも欠けてしまうと、せっかくの完成されたステージの素晴らしさが半減してしまう。

そんな桑田の意志や想い、AAAの趣旨などは、すべての関係者に理解され、今回、奇跡の映像化が実現したのだという。特に、レディー・ガガの「Born This Way」は、桑田がレディー・ガガならぬ、老人ジジイ・ガガに扮して、2020年に開催が決まった東京オリンピックをモチーフにしながら、世界の平和を願う歌に仕立て上げるという演出だった。そんな奇抜なものをレディー・ガガがOKしたということは、桑田佳祐が見せる絶妙なエンターテイメントは、言語の壁を超えるということの証明なのかもしれない。

なお、桑田佳祐のAAAコンサートが映像化されたのは、1996年に行なわれた<夷撫悶汰(いヴもんた)レイト・ショー~長距離歌手の孤独 in Jazz Cafe~>、2008年に行なわれた<昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦>に続き3回目。また、本作品の収益金の一部は、AAA事務局を通じてさまざまなエイズ啓発活動に使用される。

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