【インタビュー】ソニック「ツアー?修行僧のような生活だよ」
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そんな彼らの最新ライブ映像作品『演武(イェン・ブ)~ライブ・イン・フォルモズ・フェスティバル2013』が2月5日に発売となった。2014年2月のジャパン・ツアー直前にリリースされた本作は、彼らのライブの凄みをあますところなく伝える作品でもある。
来日を直前に控え、ボーカリスト兼二胡奏者のフレディ・リムにソニックのライブ人生について語ってもらった。
──ソニックにとって2013年とは、どんな年だったでしょうか?
フレディ・リム:ハードなツアーに明け暮れた1年だったね。秋のヨーロッパ・ツアーは2ヶ月にわたるソニック史上2番目に長いものだった。歴代で一番長かったのは2007年の北米ツアーだ。オズフェスに参加した後、単独のクラブ・ツアーをやったんだ。あまり長期のツアーは精神的・肉体的に疲労が溜まるから避けたいけど、すごく鍛えられたし、今回もライブ・バンドとしてグレードアップしたと思う。
──ツアーで心がけていることはありますか?
フレディ・リム:バンド内で不文律があるんだ。ツアー中は連日ほぼ24時間、共同生活するから、お互いのライフスタイルに干渉しないようにする。ピースフルな人間関係を保って、怒りや悲しみを介入させず、トラブルを起こさないようにするんだ。修行僧のような生活だよ。西洋のバンドと一緒にツアーすると、哲学の違いを感じることが多い。彼らは連日バンドとクルー全員で酔っ払って騒いだりね。もし俺たちがそんな生活をしたら、ツアー中にメンバー数人が脱退することになるだろう(笑)。
──そんな2013年のツアー生活において、フォルモズ・フェスティバルはどのような位置を占めるライブでしたか?
フレディ・リム:6月、イギリス最大のメタル・フェスであるダウンロード・フェスティバルに出演した直後に、母国の大観衆の前でプレイした凱旋ライブだった。フォルモズは1995年に始まった台湾最大のロック・フェスティバルなんだ。ロックやポップ、ワールド・ミュージック、メタルなど、あらゆるタイプのアーティストが出演するという点で、フジロック・フェスティバルにも似ている。俺たちはもう10回ぐらい出演していて、最多出演バンドのひとつだから、ヘッドライナーのひとつとして招かれたんだ。フェスの観衆に今のソニックを見せるステージにしようと思って、最新作『武徳(ブティーク)』とその前の『高砂軍(タカサゴ・アーミー)』からの、比較的新しめの曲をピックアップした。そして、ゲストを迎えたスペシャル・ライブとして、采風樂坊、そして唐美雲と共演したんだ。
──ゲスト達について教えて下さい。
フレディ・リム:采風樂坊は台湾のトラディショナルな音楽を演奏する楽団だ。彼らとはイギリスのダウンロード・フェスティバルで共演して、すごく良い形で交流することが出来た。世界中のファンに見て欲しくて、今回フォルモズ・フェスティバルのライブを撮影するにあたって、再共演することにしたんだ。唐美雲は台湾の歌劇“歌仔戲”の歌手で、映画やテレビの女優としても有名なシンガーだ。彼女は『武徳(ブティーク)』の「ディフェンダーズ・オブ・ブティーク・パレス」にも参加しているけど、ぜひライブで一緒にやってみたかった。野外でマイク無しで歌うのに慣れているから、すごく声がパワフルなんだ。
──ボーナス映像として収録されている、『武徳(ブティーク)』からの5曲を映像化したミュージック・ビデオについて教えて下さい。
フレディ・リム:どのビデオもバンドのこだわりがあるんだ。コンセプトはいずれもドリス(ベース)が考えたもので、ソニックの異なった側面を表現している。「シュプリーム・ペイン・フォー・ザ・タイラント」は昔の映画をイメージしていて、バンドが過去にタイムスリップして、中国国民党とドイツのナチ党の同盟を阻止するために暗殺計画を実行するストーリーだ。「ディフェンダーズ・オブ・ブティーク・パレス」のビデオは武侠映画をイメージしている。一種のパロディなんだ。このビデオのためにトレーニングしたよ。むちゃくちゃハードだった!
──そんなハードな音楽活動に並行して、フレディはNGO人権団体アムネスティ・インターナショナルの台湾支部長の仕事もあって大変ですね。
フレディ・リム:うん、インターネットがあるおかげで、何とかなっているよ。毎日メールをチェックして、スタッフの活動について承認したり、スカイプで会議をしたり…ツアー中だとライブ会場に到着して、クルーが機材を搬入する合間とか、サウンドチェックの前後とか、2~3時間ぐらい自分の仕事をしている。
──アムネスティ台湾での活動はどんなものが中心ですか?
フレディ・リム:国内での活動を挙げると、先住民の権利についての啓蒙活動がある。彼らは台湾の国民として自分が持っている権利を知らず、受けるべき福祉や支援を受けていなかったりする。我々はワークショップを開いて、彼らを教育したりするんだ。さらに死刑廃止運動にも携わっているし、近隣国ではチベットにおける人権問題、それに中華人民共和国やベトナム、ミャンマー、ラオスでの言論の自由など、やるべきことはたくさんある。
──そんなポリティカルな活動のせいで、音楽活動が言論弾圧されたことはありますか?
フレディ・リム:台湾国内で活動が制限されたことはない。ただ、ソニックが中華人民共和国でライブを行うことは出来ないんだ。チベット支援や、中国政府が弾圧している言論人の支援をしているのが気にくわないらしい。2年前、北米をツアーした時に、殺害予告をされたこともある。「ステージで殺す」というメールが送られてきて、いつもの倍以上の警備員を配備する必要があった。犯人は結局捕まらなかったけど、“中国系の学生”を自称していた。俺自身は、政府側の人間じゃないかと疑っているんだけどね。さいわい、日本ではそんな目に遭ったことはない。2000年にフジロック・フェスティバルに出演して以来、何度も日本でプレイしてきたけど、問題があったことは一度もないよ。2014年2月に日本でプレイするのが楽しみだ。ツアー続きだった2013年で鍛えられた、100%以上のライブになるだろう。
インタビュー:山崎智之
『演武(イェン・ブ)~ライブ・イン・フォルモズ・フェスティバル2013 / ソニック』
2014年2月5日発売
初回限定盤(DVD+CD)+Tシャツセット・100セット限定 6,300円(税込)
初回限定盤DVD+CD 4,200円(税込)
通常盤DVD 3,150円(税込)
ライブ本編:約43分 ボーナス映像:約62分 /日本語字幕付
1.アライジング・アーマメント
2.オーシャンクエイク
3.シュプリーム・ペイン・フォー・ジ・タイラント
4.ネクスト・リパブリック
5.タカオ
6.ブロークン・ジェイド
7.サザン・クロス
8.セイル・イントゥ・ジ・サンセッツ・ファイア
9.ディフェンダーズ・オブ・ブティーク・パレス
ボーナス映像
■ミュージック・ビデオ
1.シュプリーム・ペイン・フォー・ジ・タイラント
2.セイル・イントゥ・ジ・サンセッツ・ファイア
3.ネクスト・リパブリック
4.セット・ファイア・トゥ・ジ・アイランド
5.ディフェンダーズ・オブ・ブティーク・パレス
■インタビュー
1.バック・ステージ・インタビュー・パート1~フォルモス・アフターワーズ
2.バック・ステージ・インタビュー・パート2~ソニック・ファッション
3.ビハインド・ザ・シーン・パート1~シュプリーム・ペイン・フォー・ジ・タイラント
4.ビハインド・ザ・シーン・パート2~セイル・イントゥ・ジ・サンセッツ・ファイア
5.ビハインド・ザ・シーン・パート3~ディフェンダーズ・オブ・ブティーク・パレス
6.ドリス・イエ&ヴィンセント・チャン監督~エクスクルーシヴ・インタビュー
CD収録曲
1.アライジング・アーマメント
2.オーシャンクエイク
3.シュプリーム・ペイン・フォー・ジ・タイラント
4.ネクスト・リパブリック
5.タカオ
6.ブロークン・ジェイド
7.サザン・クロス
8.セイル・イントゥ・ジ・サンセッツ・ファイア
9.ディフェンダーズ・オブ・ブティーク・パレス
<CHTHONIC Bu-Tik Japan Tour 2014>
2014/2/21(金)福岡 Drum Be-1
OPEN 18:00 / START 19:00
¥6,000-(税込/All Standing/1Drink別)
キョードー西日本 / 092-714-0159
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2014/2/24(月)大阪 梅田CLUB QUATTRO
18:00 / 19:00
¥6,000-(税込/All Standing/1Drink別)
梅田クラブクアトロ / 06-6311-8111
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2014/2/25(火)名古屋 名古屋CLUB QUATTRO
18:00 / 19:00
¥6,000-(税込/All Standing/1Drink別)
名古屋クラブクアトロ / 052-264-8211
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2014/2/26(水)東京 渋谷TSUTAYA O-EAST
18:00 / 19:00
¥6,000-(税込/All Standing/1Drink別)
イープラス:eplus.jp
チケットぴあ:0570-02-9999
ローソンチケット:0570-084-003
Lコード:- ※0570で始まる電話番号は、一部携帯・PHS不可
クリエイティブマン / 03-3499-6669
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2014/2/28(金)仙台 CLUB JUNK BOX
18:00 / 19:00
¥6,000-(税込/All Standing/1Drink別)
キョードー東北 / 022-217-7788
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