【ライブレポート】藤井フミヤ、5年振りの武道館カウントダウンライブで「30周年ということで懐かしい曲をいっぱい歌ってます」
藤井フミヤが大晦日から元旦にかけて、日本武道館で<藤井フミヤ カウントダウンライブ>を開催した。思い出の名曲オンパレードに、13,000人が熱狂したステージの模様をお届けしたい。
◆藤井フミヤ 拡大画像
1999年12月31日に武道館史上初めてカウントダウンライブを行った藤井フミヤは、同年から2008年まで、毎年大みそかに武道館でのカウントダウンライブを行っていた。そして2008年、10年を節目に惜しまれつつも一旦完結。今回開催されたカウントダウンライブは、デビュー30周年を記念し、一夜限りの公演として5年振りに復活したもの。同じくデビュー30周年を迎えた弟の藤井尚之も全国ツアーに引き続き参加した。アニバーサリーイヤーの前半戦を締めくくるこの日のライブは、演奏された全26曲が思い出の楽曲のオンパレードとなった。
会場の360度を13,000人が埋め尽くした客席は壮観だ。ムーディーなライトに照らされたステージに、バンドメンバー有賀啓雄(Bass)、屋敷豪太(Drums)、友森昭一&石成正人(Guitar)、松本圭司(Key)、そして弟の藤井尚之(SAX)が現れる。センターに立った尚之のSAXが響き渡ると、インストナンバー「FAINAL LAP」でスペシャルナイトの幕が開いた。
暗転したステージにまばゆい光が放たれるやいなや、ステージ中央に突如黒のラメストライプのスーツに身を包んだ藤井フミヤが出現した。颯爽とした登場に割れんばかりの拍手と大歓声が会場内に沸き起こる。序盤は、「I Love you, SAYONARA」をはじめ、「Jim & Janeの伝説」、「Cherie」といった大ヒット曲をたたみかけるように熱唱。のっけから場内を大いに沸かせた。
「ようこそ、武道館カウントダウンライブへ! 年末の忙しい時に集まってくれてありがとうございます! 2013年から2014年に変わるその一瞬に、一緒にみなさんと時を過ごせることを嬉しく思います。一生に残る思い出にしたいと思います。ひとつよろしく! 今年デビュー30周年ということで懐かしい歌をいっぱい歌ってます。30年もステージの上で歌わせてもらってます。本当に感謝しております。ありがとう!(クルッと一回転し)360度ありがとう!(笑)」
30年間支えてくれたファンへ感謝の気持ちを伝えると、「それではカウントダウンまでまだまだあるんで盛り上がっていこうか! イエーイ!」とハイテンションに煽り、「WANDERER」、「Room」、「ONE NIGHT GIGOLO」といった軽快なナンバーをキレのあるダンスともに披露した。
「武道館だからな……久々だからな……訳わかんない……(笑)」と、5年振りとなる武道館ライブの感触を辿り返しつつ、「素直にI'm Sorry」、「Blue Moon Stone」、「ミセスマーメイド」、「NANA」といったラブソングを優しく、そしてダイナミックに歌い上げる。
「ずっと年末年始はのんびり過ごしてて。家でのんびり紅白とか観てたんですけど、帰ってきちゃいました(笑)。武道館は特別な場所でもありまして、ここでカウントダウンがやれるのは実に感無量です」。そうコメントした藤井フミヤは、自らアコーステックギターを手に取り、シンプルなアレンジで「Another Orion」、「時のK-City」、「TRUE LOVE」を演奏し、艶やかな歌声で観客を魅了した。続けて、黒のライダースジャケットを羽織り、「Friends and Dream」、「NEXT GENERATION」、そして優しいピアノのイントロが始まると一人ひとりに語りかけるように「夜明けのブレス」を届けた。これには客席の大合唱がステージを包み込む。
いよいよ、2013年の終わりを告げる時刻となった。場内の2ヵ所に設置された巨大電光掲示板には、2014年へのカウントダウンが刻まれる。ここで、ジェット風船を手にしたフミヤが一言。
「じゃあ膨らませようかな……倒れたりしないでね、膨らませている間に……。もうそういう年なんだから(笑)。クラクラしたりする人は途中でやめる(笑)」
しかし、慣れた手順でジェット風船を膨らまし始めるオーディエンスたち。「2013年、本当にいい年でした! 感謝しております! 2013年思い残すことありません! みんなありがとう! 2013年ありがとう!」。時刻は、2014年まであと10秒。ついにカウントダウンが始まった。「……5・4・3・2・1 あけましておめでとう!!!!」。フミヤの合図で場内に紅白のジェット風船が飛び交った。日本武道館に幻想的な世界を作り上げた2014年の幕開けだ。
ステージ後半は、新年を迎えるにふさわいアップナンバー「Count up '00s」でスタート。「Standing on the Rainbow」では、“A Happy New Year 2014! Fumiya”と直筆プリントが施され7色の銀テープが宙を舞い、場内をレインボーカラーに彩る。ステージを縦横無尽に走り回るフミヤ。続けてのロックンロールナンバー「TOY BOX」では、ステージ後方に設置された2階席まで届くリフターの上で、会場を見渡しながら大きな笑顔を見せた。
Co2が吹きあがり「HEART IS GUN ~ピストルを手に入れた夜~」のイントロが流れ出すと、割れんばかりの大歓声が。本編ラストとなった「おまえが嫌いだ」では、13,000人が軽快なロックンロールのリズムに合わせて一斉にジャンプ。会場が大きく揺れ、ファンの熱狂はこの日のピークに達したところで、本編が終了した。
迎えたアンコールは、チェッカーズ解散コンサートのアンコール1曲目と同曲の「Long Road」だった。当時、チケットを入手できずに会場の外で待っているファンために、会場内のファンが武道館の扉を全て開け放ち、外にその音が届くように聴かせてくれたという思い出を語ったフミヤ。30年間のファンへの感謝の気持ちを込めたこの楽曲は、どこまでも優しい。
「2014年、今年もひとつとよろしく! 武道館に乾杯! メンバーに乾杯! 全てのスタッフに乾杯! みんなに乾杯! 東京に乾杯! 日本に乾杯! 地球に乾杯! 宇宙に乾杯! おめでとう! また一緒にあそぼうぜ! それではラストソング!!!」
恒例の新年の乾杯をし、次がラストの曲であることを告げると、「えええぇぇぇっっっ──!!!」と割れんばかりの大ブーイングの嵐がフミヤの言葉を遮った。苦笑しながらも、「初詣行きなよ、初詣……(笑)。久々のカウントダウン集まってくれてありがとう。またやれるときがあったらやります! この日を忘れません! さあ行こう!」
ギターのイントロが流れ出す。武道館と言えばこの曲、「紙飛行機」だ。待ってました!と、いわんばかりに、おのおのが用意していた紙飛行機を手にする客席。曲中、「用意はいいか!? Are you ready? 願いをかけて、願いを込めて……飛ばせ―!!!!」というフミヤ合図で、色とりどりの紙飛行機が一人ひとりの手から一斉に放たれた瞬間、場内の笑顔も満開となった。「Come on! しょうちゃん!」とギターの友森に合図を送ったフミヤは、ロックンロールアレンジが施された「一月一日」を熱唱、場内はもちろん大合唱。会場全体がひとつとなり、この曲で新年を祝した。
「ありがとう!また遊ぼう!」とステージを後にすると客電が燈火され、場内が明るくなった。終演だ。しかし、興奮覚めやらぬ客席にアンコールの大合唱が。この声に応えるように、再びステージに舞い戻ったフミヤは客電が点いたままの状態で、この日集まってくれたファンへの感謝気持ちと共に「七つの海の地球儀」を届けた。
こうして3時間におよぶ充実のステージが終了。アニバーサリーイヤー前半戦のラストを飾るスペシャルナイトは、大団円を迎えた。
華々しい新年の幕開けを飾った藤井フミヤの2014年は、「TRUE LOVE」でのソロデビュー以降の20年に焦点を当てたアニバーサリーイヤー後半戦へと突入していく。彼を取り巻く状況は、30周年&20周年のダブルアニバーサリーイヤーを祝う熱気がまだまだ充満して止まるところを知らない。
撮影◎鎌田ひでこ
■<藤井フミヤ カウントダウンライブ>
2013年12月31日~2014年1月1日@日本武道館セットリスト
M01 FINAL LAP
M02 I Love you, SAYONARA
M03 Jim & Janeの伝説
M04 Cherie
M05 WANDERER
M06 Room
M07 ONE NIGHT GIGOLO
M08 素直にI'm Sorry
M09 Blue Moon Stone
M10 ミセスマーメイド
M11 NANA
M12 Another Orion
M13 時のK-City
M14 TRUE LOVE
M15 Friends and Dream
M16 NEXT GENERATION
M17 夜明けのブレス
M18 Count up '00s
M19 Standing on the Rainbow
M20 TOY BOX
M21 REVOLUTION 2007
M22 HEART IS GUN ~ピストルを手に入れた夜~
M23 おまえが嫌いだ
ENCORE
EC1 Long Road
EC2 紙飛行機
W.EC 七つの海の地球儀
◆藤井フミヤ オフィシャルサイト
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