【インタビュー】TarO&JirO、世界的激アツ兄弟がデビュー作『Brothers Fight』で魅せる攻撃的ロック
◆日本以外の場所……ビートルズはイギリスだからイギリス行こうって。
それぐらいの軽いノリで2009年の3月に2人で行ったんです。(TarO)
――では、ここからタロジロックが生まれるまでの経緯を教えてもらってもいいですか?
JirO:アコースティックギター2本とキックになったのは2011年1月からです。2010年にロンドン留学を終えて日本に帰ってきたんですけど、その頃はまだ試行錯誤していて。アコギ2本で普通に弾き語りをやったり後ろに打ち込みでパーカッションを作って俺がベースを弾いたりしていたんです。それで、2010年の暮れにフランス人の知り合いが僕らの音源をいろんなフェスに送ってくれて。2011年にマルセイユで開催された<Japan Expo sud>への出演が決まって。そのタイミングで海外だし会場は2000人キャパだし、盛り上げるならロックだろうと2人だけどロックをしようって決めたんですよね。俺はもともとベースやってたんで、アコギでベースのフレーズを弾いて、TarOはアコギなのに歪みをかけてエレキっぽくして。もう1つパーカション的なものが欲しいよなってなったときに、家に電子ドラムがあったんで、そのキックだけを外して一緒に演奏してみたら“おっ!”って。
TarO:4つ打ちでキックが入るだけでいいじゃんいいじゃんってなったんですよ。そしてそれをマルセイユで初披露したんです。その後、改良に改良を続けて、タロジロックが本当にしっくりくるようになったのは最近。アルバムに入ってる「大人の運動会」は、このデビューアルバム用に作った新曲なんですけど、これができたのが、2013年の夏ですから。この曲こそタロジロックが一番成功したスタイルだと自分らでも思っていて。
JirO:使ってるエフェクターにしてもリズムにしても、今のTarO&JirOのスタイルの真骨頂といえる曲になったなと思います。
――ロックという意味では、イギリスに留学する前。10代の頃はロックバンドも組んでたんですよね?
TarO:3年間ぐらいやっていました。でも、うまくいかなくて2008年の冬にバンドが解散して。そこで、普通は音楽を諦めるんでしょうけど、僕とJirOは“絶対俺らは音楽やっていける”という根拠のない自信がありました。その年の暮れに日本以外の場所……ビートルズはイギリスだからイギリス行こうって。それぐらいの軽いノリで2009年の3月に2人で行ったんです。
――バンドがダメになったとき「俺ら運も才能もないわ」と思うことはなかったんですか?
TarO:いや「俺らめちゃくちゃ才能あるな」って思ってた(笑)。自信は必要だと思うんです。2人の中にはずっと“俺らは優れたミュージシャンだ”というのがあって。それがないと続けられなかったと思います。自分らが生み出した音楽を世に出せなくて殺すぐらいなら自分らが死んだ方がマシというぐらい、強い思いがあったんで。なにがあっても絶対続けてやるという気持ちはありました。
――そうしたらメジャーデビューできた。
JirO:これも続けてたからこそ。
TarO:根拠のない自信と継続。これが僕らのなかにある強いパワー。
◆ロックやる前から普通なのが嫌で。みんなが言ってるようなことは言いたくないとか、
みんながこうするんだったら俺らはこうするとか。(JirO)
――デビューをつかんだきっかけは?
TarO:日本に帰って来て新宿西口で路上ライブをやり始めたんですけど、それが大きかったですね。活動するなかでいろいろとレコードメーカーの方から声をかけていただいたんですけど、このテイチクに決めたんです。
TarO:僕らのスタイルがいいって言ってくれたのがすごくうれしかったからです。お声をかけていただいた中には、「日本ではもっとメロディアスな曲じゃないとダメだよ」という予想していたとおりの言葉を言われたりもして。予想はしてたけど、実際に言われるとショックでした。“こりゃ日本ではもうやってけないわ”と思って、渡米しようと考えてたんです。そうしたら、やっといい人に巡り会いました。
――そうして生まれたデビューアルバム。これ、本当にアコギだけなんですか?
TarO:そうですよ。アコースティックギター2本とキックと、ヴォーカルだけで今回はやっています。
JirO:録音も一発でクリックなしで同時に録って。歌も違うブースに入って同時に歌って。
TarO :だから、収録されている「何人来るかな、やって来るかな?」の“JirOの大好物は?”っていうフレーズもアドリブで、あのときいきなりふったものなんです。ああいうアドリブは一発録りの醍醐味だと思うんで。
――歌詞が攻撃的ですよね?
JirO:ロックやる前から普通なのが嫌で。みんなが言ってるようなことは言いたくないとか、みんながこうするんだったら俺らはこうするとか。
TarO:反骨精神ですね。だから、世の中の矛盾に食いつく習性がある。僕はそういう思いが曲に出やすいんです。
――まさに魂がロックだ!
JirO:世の中にはロックだからという概念にとらわれてドラムやベースを入れなきゃロックじゃないという人もいるけれど、そんなことやるよりもあえて2人でアコースティックギター? 歪ませてる? キックだけ入れるの? というほうが全然ロック!
TarO:ロック=バンドという概念にとらわれてること自体、ロックじゃないなと思うから。
JirO:演る側が“ロック魂”持ち続けてる限り、音のスタイルが何であれロックだと思います。
インタビュー&文◎東條祥恵
Mini Album
『Brothers Fight』
2013年12月11日発売
TECI-1379 ¥1,500(税込)
1.Snake Bite
2.Silent Siren
3.大人の運動会
4.挑発
5.Brothers Fight
6.ヒトに真珠
7.何人来るかな、やって来るかな?
<zippy ZIPPER 3ヵ月連続シングルリリース 第3弾 “宝物”>
2014年1月10日(土) 広島・ナミキジャンクション
OPEN 18:00 / START 18:30
出演:zippy ZIPPER / simploop / Allcock Harisman / cotla / ReEmo / TarO&JirO
料金:前売 ¥2,000(dr別) / 当日 ¥2,500(dr別)
チケット:12月7日(土)~ 一般発売
<High Tension Music vol.2>
2014年1月11日(日) 山口・LIVE rise SHUNAN
OPEN 17:30 / START 18:00
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