矢沢永吉、日本武道館公演初日の模様をレポート

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日本が誇る史上最強の現役ロックンローラー、矢沢永吉の最新全国ツアー<EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 2013 ALL TIME HISTORY-A DAY->。12月11日(水)に行われた日本武道館公演初日の模様を紹介しよう。

日本武道館周辺は最寄の地下鉄九段下駅構内から会場まで、おなじみの「YAZAWAタオル」を肩にかけたファンの人だかりが絶え間なく続き、例年にも増して異様なほどの熱気に包まれていた。

そんな状況の中、気づいたことがある。例年に比べて、若い男女の姿が非常に多いのだ。いわゆる年季の入ったオールドファンとは趣を異にする雰囲気。若手ミュージシャンの公演会場で見かけるような“ごく普通の”若者を至るところで見かけた。確かに、ここ数年、「もっと若い人たちに自分の音楽を知ってもらいたい」との思いから、矢沢は音楽フェスティバルに積極的に出演してきたこともあり、若いファンは確実に増えてきていた。そして、今年5月に発売され、これまで矢沢永吉の音楽にほとんど触れることのなかった若年層からも大きな支持を受け爆発的なセールスを記録しているオールタイムベスト版『ALL TIME BEST ALBUM』によって、そんな矢沢の思いが、一つの結実を迎えたのではないか。今年の日本武道館での光景はそれを物語る明確な証左であるように映った。

会場では、上は70歳前後のご老人、下は親と一緒の小学生、スーツにネクタイのビジネスマンやOLのグループと思しき人たち、若いカップル、白を始めカラフルなスーツをバッチリ着込んだ筋金入りのファンなどなど。これほど多様なオーディエンス(観客)が共存するライブは日本の音楽界広しといえども矢沢永吉以外にはまずないだろう。40年以上の長きにわたり、音楽シーンのトップを走り続けてきた矢沢だからこその光景だ。

会場が暗転すると同時に巻き起こった、耳をつんざく大歓声の中、歴史的ライブが幕を開けた。1曲目から観客は総立ち。すさまじい熱気だ。そして矢沢の64歳とは思えないほどシェイプアップされた体躯に、アスリートのようにしなやかでいて激しい身のこなし。間違いなくこの10年で最もキレが良いステージパフォーマンスだと断言できる。そして艶をたたえつつ突き抜けるような圧倒的なヴォーカル。信じがたいが、矢沢は64歳にしてパワフルさを増し若返ってきている。「King of Rock’n’roll」なんてレトリックが陳腐に聞こえ、むしろ「GOD of Rock’n’roll」という呼称の方がしっくりくるほど、唯一無二の神々しいまでのステージが展開された。

久しぶりにライブで披露した懐かしのあの曲、今年初めて歌ったというあの名曲、ステージと客席が一体となった新しい曲…。この日のセットリストは、オールドファンにとってみれば、その選曲、アレンジを含めあらゆる面でツボを押さえた超感涙モノ、そして、いわゆるニューカマーの観客にはこれ以上ない、最高の「矢沢入門コース」。矢沢40年余りのキャリアのベスト3に入るものと言っても過言ではないまさに圧巻のラインナップだった。後ろの席にいた男性客がため息まじりにつぶやいた「俺と同年代なのにいちいちカッコいいなぁ」。20代のカップルがささやいた「マジすごかったね。矢沢永吉、超やばいよ」。親子連れの「面白かったぁ!来年も来ようね」といった会話の数々にも、矢沢が幅広い層から支持される稀代のスーパースターであるゆえんの一端を見た気がした。

この模様は、WOWOWで「生中継!矢沢永吉CONCERT TOUR 2013『ALL TIME HISTORY -A DAY-』 in BUDOKAN」と題され、12月15日(日)に行われる日本武道館公演を最高レベルの映像とサウンドの完全生中継で放送する。また、中継の冒頭では、矢沢のWOWOW独占未公開インタビューも放送される。

あわせて、当日は生中継に先立つ午後1時30分から特別番組「ALL TIME HISTORY-A DAY-」も放送。矢沢永吉の独占インタビューに加え、矢沢ゆかりの著名人の「証言」や新旧ライブ映像を織り交ぜ、“矢沢永吉の本質”を描き出す、WOWOWならではの骨太な作。こちらも必見だ。

「生中継!矢沢永吉 CONCERT TOUR 2013 「ALL TIME HISTORY -A DAY-」in BUDOKAN」
12月15日(日)午後5:20[WOWOWライブ]※生中継

「矢沢永吉 ALL TIME HISTORY -A DAY-」
12月15日(日)午後1:30[WOWOWライブ]

◆WOWOW特設サイト
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