【インタビュー】K、シングル「Christmas Time Again」リリース「どういう人間になればいいのか。やっと本当のスタートを切った気がします」
■『641』の次に、作品を作ろうと思ったら何を歌えばいいのかわからなくて
■自分に足りなかったものが、ここから見えはじめたような気がしています
──それはすごくリアリティのあることだし、それをKさんが素直に表現した曲っていうことですもんね。重く大きな経験からこの曲が生まれたわけですけど、管楽器が入ってすごく高揚感があるし、お客さんのコーラスやハンドクラップも入って、こちらも温かい曲に仕上がっています。
K:僕は軍隊で軍楽隊だったので、テナーサックスをやっていたんです。管楽器をフィーチャーしたいなっていうのがあって、ライブでもお世話になっているミュージシャンに演奏してもらって。「Christmas Time Again」もそうですけど、ライブのことを意識して曲を作りましたね。「君と僕の部屋」も、ライブの最後で歌えたらいいなというイメージで作ったんです。
──ツアーの最中に作っていたから、よりそういう気持ちがのっているんでしょうね。
K:そうですね。ツアーの前半ではだいぶ歌詞を間違えたりしていましたけど(笑)。ちょっとずつ慣れてきて、そういう楽曲の成長ぶりをお客さんも観てきているんですよね。
──歌を作る過程もいろんな思いが込められていて、なによりファンと作ってきた過程もあって、いい経験にもなったという感じですか。
K:この先に作る楽曲でも、いろんなことができそうな気がしていますね。これもレコーディングでは管楽器以外、せーので録ったんです。メンバーにお願いしていたのは、今、お客さんが目の前にいるライブ中のように録りましょうということで。ただ、そのモチベーションを上げるのってすごく難しいんですよ。みんなライブの経験もレコーディングの経験もいっぱいあるんですけど、レコーディングスタジオってどうしても堅くなってしまいがちなので。どれだけベテランの方でも、きっちり音符通りにっていうほうに意識が働くから。
──その雰囲気をどうやって打開したんですか?
K:レコーディングをする前に、この歌も「Christmas Time Again」も相当メンバーとしゃべりましたね(笑)。それとまずジャム・セッションするんですよ、一発録りのときは必ず。サウンドチェックも含めて、誰かが弾きはじめたフレーズについていくような10分くらいのセッションをすると、すごく柔らかい音になるんですよね。
──その雰囲気が伝わるサウンドに仕上がったという。アートワークの雰囲気もこれまでとはずいぶん違って、ファンも楽しみだと思いますよ。
K:そういえば、前髪をあげた写真って初めてなんですよ。ちょっとスパニッシュ系というか、こいつサッカーめっちゃうまいんじゃないか!?みたいな雰囲気です(笑)。実は今回、ジャケットでは初めてのカメラマンさんだったんですけど、すごく面白かったですね。カメラマンさんが変わると、周りのスタッフもまた、じゃあこういうふうにしてみようって空気が変わるんですよね。要はセッションです、ジャムるっていうか。みんなが自分のいいところを出したいと思ってくれているという感じで。
──今回はシングルとなりますが、ツアーをいろいろやっていくなかで他にも曲はできている状態ですか。
K:この2曲以外にも曲がたくさんあるんですね。それをカタチにすることが僕らの仕事には大事だと思うんですけど、そのカタチにする前の作業を僕は重視してるんです。カタチになる前の段階でどれだけチャレンジできるか、それによってクオリティが上がってくる。だから冗談くらいの楽曲とかをしょっちゅう遊びで作ったりしますけどね。
──約2年間、兵役で音楽活動を休止して、5月にミニ・アルバム『641』でリスタート切って、ツアーも回ってと、またこうして音楽活動へと戻ってきたわけですが、現在の心境としてはどういう感じですか。
K:兵役から戻ってきてちょうど1年くらい経っているんですけど、すごく早く感じているんですよね。これまでの8年間よりも早く感じた気がしたし、この1年で“はじめまして”っていうこともすごく多かった気がするんです。新たに一歩一歩を踏んでいってるなということをすごく感じましたね。やっぱり2年間、自分が好きなことをできなかったというのもあったので、この1年は楽しくできたんですけど、ここからが本来のスタートなのかなっていう気はしますね。
──順調に新たなスタートが切れたという。
K:そうですね。ただ、『641』を作って自分的にはやっとスタートを切ったと思ったんですけど、実際にその次の作品を作ろうと思ったら、何を歌えばいいのかわからなくて、スタッフや友達にそういう相談をしたこともあったんです。そのときに、まだスタートは切ってないんだって思って。だからそれ以降、どういう歌を歌っていけばいいのか、どういう人間になればいいのかまで考えるようになっていて。やっとこの「Cheristmas Time Agein」をリリースすることによって、本当のスタートを切ったような気がします。自分に1年間足りなかったものが、もっと勉強しなきゃいけないことが、ここから見えはじめたような気がしてますね。
──今、見えているやりたいことはあるんですか。
K:不思議なのが、見えたものがすごいキラキラしてるものでもなく、以前とあまり変わらないんです。変わらないんですけど、そこに辿り着くのに、いろいろ邪魔しているものがいっぱいあったんですよね、これでいいのか、これでいいのかっていう。それに対して、これでいい!って思えるようになった(笑)。だから、自信がなかったんですかね。どんどん、自分に正直になっていかないと、自分のなかでのいい作品は作れないんだろうなって思ってますね。
──12月には、ビルボードやブルーノートでのライブも決定していますね。これはどんな形態でのライブになりますか。
K:基本はバンドというより、アコースティックにもっていきたいなというのはありまして。ビルボードやブルーノートには何度かライブを観に行ったことがあるんですけど、すごくプレゼントをもらった気持ちになるんです。同じアーティストのライブでもビルボードで観るのとホールではまた違った感じがあって。小さな会場ならではの感じがある。お客さんにそういう気持ちになってもらえるライブにしたいですね。
取材・文◎吉羽さおり
■シングル「Christmas Time Again」
2013年12月4日(水)発売
SRCL-8455 ¥1,260(税込)
1.Christmas Time Again
2.君と僕の部屋
3.Christmas Time Again(instrumental)
4.君と僕の部屋(instrumental)
■<ライブスケジュール>※各会場2公演
12月03日(火)ビルボードライブ東京
12月04日(水)ビルボードライブ東京
12月09日(月)モーションブルー・ヨコハマ
12月10日(火)モーションブルー・ヨコハマ
12月12日(木)名古屋ブルーノート
12月13日(金)名古屋ブルーノート
12月17日(火)ビルボードライブ大阪
12月18日(水)ビルボードライブ大阪
◆チケット詳細&購入ページ
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