【ライブレポート】THE ポッシボー、東名阪ツアー終了。ユニコーン・手島「今度は君たちが、僕を武道館に連れて行ってください。」

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最近、THE ポッシボーのライブイベントに足を運ぶ新規ファンが増加の一途をたどっているという。これは、彼女たちがこれまでのライブで頻繁に行なっていた、チケット1枚でふたりまで入れるという施策や、アイドルイベントへの積極的参加が功を奏したといえるだろう。

そのキャリアに裏付けされた熱いステージパフォーマンスが武器の彼女たち。近年の「ポッシボーのライブが凄い」という評判はアイドル界隈を中心に駆け巡り、多くの人たちが興味を持ち、ステージを観て、そして納得した。ちなみに24日の赤坂BLITZ公演では、ライブ中にTHE ポッシボーが披露した新曲(CDやデジタル配信を含めて音源化されていなかった6曲と、今回のツアーで初披露となった未発表曲3曲)全9曲が“お持ち帰りライブ音源”として会場限定で販売されたが、スタッフサイドが想定していた人数をはるかに超えるファンが購入しようと殺到した結果、会場での販売がストップしてしまう事態が起こっている(なお、現在はTNXのオンラインショップにて販売されている)。

同時に、彼女たちのライブイベントは、メンバー、スタッフ、ファンが一体となってアットホームな空間を作り出すことで、新規ファンも参加しやすい、というのも要因だろう。そもそも彼女たちのライブは(幸か不幸か)アイドルアイドルしておらず、一言で言うならフリーダム。ステージ上もフリーダムなら、客席も好きなように楽しめばいいという雰囲気なので、たとえフラッと会場に足を踏み入れても、居心地の悪い、肩身の狭い思いをすることはあまりない。それでいて、今回の公演でいえば、「ごとぅーのソロ曲がセットリストの中にあるから」という理由で、ファン有志による黄色(ごとぅーのメンバーカラー)のサイリウム配布が本番前に行なわれてしまう、そんな現場でもある。

ただ忘れてはならないのは、自由であると同時に、ちゃんと秩序が守られている、ということ。緩さの中でライブが、現場が成り立つのは、メンバー、スタッフ、ファンがひとつの想いで繋がっているからこそ。

少し記憶をさかのぼれば、2月に行なわれたヒット祈願。メンバー、スタッフに加えて、ファンも当然、“ポッシボーfamily”として参加することができた。ただ、これはイベントではないため、ライブが行なわれたわけでも、メンバーからのファンサービスがあったわけでもない。THE ポッシボーの成功を心から願うファンが、様々な理由でどうしても当日、足を運ぶことができないファンからの願いをも携えて、メンバーら関係者とともに参拝したのだった。

また近々では、『THE ポッシボー 東名阪ライブツアー2013勝負 ~合計2222名動員でサンプラ押さえっ!!~』もそうだろう。ファンからの熱い想い(それは“圧力”と呼べるほどのものだったかもしれないが、それはさておき)に負けて、スタッフは素材をかき集め、リリース計画にまったくなかったライブDVDを急遽作成。さらに「そこまで熱望してくれるのなら」と、限定特典としてライブCDまで付けて、ファンの想いに120%応えた。

ちょっと違った角度からだと、こんな話もある。THE ポッシボーは毎週、ニコニコ生放送を実施している。普段はメンバー全員で出演するが、少し前、メンバーがソロでニコ生を行なった時があった。

ロビンのひとり語りによるニコ生。リーダーとして、ライブでも今の想いを言葉に変えて届ける機会の多い彼女。ひとりひとりにぶつけてくるようなロビンの素直な言葉の数々は、ファンの心を鷲掴みにする。

番組では、ひょんなことから「結婚」という話題になった。具体的に言うと、結婚してもTHE ポッシボーを続けていられるか。そんな話だったと記憶している。いわゆる巷の多くのアイドルの場合、ファンとアイドルは“疑似恋愛”の関係で繋がっていることが多い。ここでその功罪を語るつもりはないが、問題(?)なのは、THE ポッシボーとファンである。

ロビンが結婚の話をし始めた時、ニコ生の画面に流れたコメントの多くは、「ロビンには幸せになってもらいたい」とか「結婚したらいい」「結婚してもポッシを続けてほしい」といったものだった。もちろん「結婚しないで」「ロビンと結婚したい」という、実にアイドルらしい、本人が喜びそうなコメントも多少はあったが。

ある意味、アイドルらしくないアイドルグループ、THE ポッシボー。らしくないのはメンバーだけかと思いきや、ファンもまた、“いわゆるアイドルとの関係性”とは違うそれで、ポッシボーと結ばれているのだろう。仲間、戦友、もしくは家族。そんな表現のほうがしっくりくるかもしれない。

……と、ここまで長く語ってきたが、結局、何が言いたいかというと、THE ポッシボーのライブというのは、こういうファンとスタッフ、そしてメンバーが作るっている空間なのだ、ということ。ライブ中、久しぶりにTHE ポッシボーのライブを観たという、とある関係者が「ポッシボーはいいライブをするなぁ。」と、いたく感心していたが、一連の動きを追ってきた記者に言わせれば、こんなポッシボーfamilyが作り出すライブなのだから、“よくないライブのはずがない”のである。


text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

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