【インタビュー】CLIFF EDGE、走り続ける3人が放つ集大成とも言える6枚目のフルアルバム『PLATINUM HEARTS』

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今年、CLIFF EDGEはメジャーデビュー5周年のメモリアルイヤー。5月にはベストアルバム『THE BEST~You're the only one~』、10月には楽曲ごとにプロデューサーを迎えた企画アルバム『Diamond Stars』をリリース。そして、いよいよ11月27日、今年の集大成とも言える6枚目のフルアルバム『PLATINUM HEARTS』をリリース。CLIFF EDGEの音楽ヒストリー、第二章の幕開けとなるこの作品について掘り下げる。

■過去の自分にインスパイアされていろいろな曲を作りたいって
■逆にアイデアが出て来たんです。早く第二章を提示したかった


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――今年はここまで突っ走りましたね。

JUN:ですね(笑)。今年はメジャーデビュー5年の記念すべき年でもあったので。夏なんてパソコンのDTMの画面を見ていた思い出しかありませんよ。ずっと制作してました。5月にベストアルバム『THE BEST~You're the only one~』を出して、その時に過去曲を聴いて、「今ならここをこう出来る」「この時、凄かったんだな」とか、過去の自分にインスパイアされて、こんな曲作りたい、あんな曲を作りたいって、逆にアイデアが出て来たんです。早く第二章を提示したかったっていうのもあったし、早く曲が作りたいっていう気持ちになれたのはラッキーでした。

DJ GEORGIA:今年一年、この一枚を作るためにやってたような気がするんです。そのためのベスト盤でしたし、企画盤『Diamond Stars』だったんですよね。俺自身は出すことよりも吸収することのほうが多かったかなぁ。オリジナルアルバムの制作中も貯めていたものを出そうっていう部分が強かった。今年、いろいろ出した中でも大切な一枚になりました。

――今回はハモりがふんだんですよね。「Angel」でフューチャリングした中村舞子ちゃんとJUNくんとのハモりも聞きどころだし、色んな部分でメロディの部分がすごく強化されているなということを感じました。しかも、一曲目「Opening~Time has come~」がシンフォニックで。これまた新鮮な。2曲目「君からの贈り物」にもスッと入る導入的な役割もありますね。

DJ GEORGIA:実は最初はそういうつもりではなかったんです。スキットを作ろうぜってことでこれを作ったら「君からの贈り物」にもすごくマッチして、イントロに選ばれました。すごく嬉しかったです。この曲で意識したのは、僕らの第二章ってことで、今までにないものってところですね。「半沢直樹」を見終わってすぐに作ったので、東京中央銀行の玄関のイメージもあって……(笑)。

――確かにあの東京中央銀行の玄関はシンフォニックなイメージですよね(笑)。

DJ GEORGIA:さっきもメロディの部分が強化されているって言ってくれましたけど、そういう部分プラス、バシッとしたビートだったり、旬なものを詰め込むっていうのもあって。俺がやったらこうだぞ!っていうのが出来たら良いなぁと。

――「君からの贈り物」はCLIFF EDGEの真骨頂的なラブソングですよね。でも、そのラブもまた広く大きく、器が広がりましたね。

JUN:ラブソングはたくさん描いて来た中で、その中で「愛」って一言で言ってもなんですが、どんな気持ちの人にどう思ってもらいたいかっていうことを設定することをより強化しましたね。きっとここは今後もそうなんだと思います。年も重ねていろいろ経験してきた中で、若い子に言えることってあるし、年を重ねたからって何も解決していない悩みってあるし、それは逆にそのまま提示して行きたいし。そういう感じで書きました。

――「君からの贈り物」の他に「さぁ手をつなごう」とかもそうですよね。今回の「LOVE」は温かい。

SHIN:まさにその「温かい」って思えるようになってほしい。小さなことが幸せなんだよって気づけなくなっていくことってあるし、恋愛してて幸せなはずなのに、辛そうな人が多いじゃないですか。「これって幸せだよね」って言えるようになってほしいっていうスタンスが今作にはあるのかもしれないです。「君からの贈り物」に関しては映画「ノー・ヴォイス」を観てっていう部分が大きいですけどね。

――それにしても今作では「Angel」のような恋のはじまりのような曲でも一切チャラさが皆無なんですよね。マジメに一対一でガチで向き合うというか、大人の恋愛というか。それはやはり大人になったからなのかしら? ラブソングはそういう経験値が特に出やすいですよね。味わいが出てきたというか。

SHIN:それはかなりあると思います。最近、生きてて「根本」を大事にしようって思うようになったんです。前は目の前にあるものに立ち向かって凹んで這い上がってっていう日々だったんですが、今は目の前にあるものじゃなく、もっと根っこの部分を提示したいと思ってるし。それは年をとったからかもしれない。

――3曲目の「JAM~絶望の夜を越えて~」はTHE YELLOW MONKEYの「JAM」をサンプリングしているんですよね。どうして「JAM」?

JUN:この曲がすごく大好きで、カラオケに言ったときも今まで何回唄ったんだろうってくらい。こういう好きな曲をアレンジして、クリフ・リミックスみたいな感じで試して作ったりしてたんですが、この曲は声も合ってたし、THE YELLOW MONKEYさんにも聴いていただいて「OK!」ってことになったので収録したんです。

――なるほど。「JAM」のどこが好きでしたか?

JUN:歌詞の内容に共鳴しました。こういうことをやりたいって思ったのも原曲のテーマなんです。混沌とした世の中で感じる矛盾ってたくさんあるじゃないですか。僕らは社会人になってからも音楽業界にしかいませんが、そこでもいろいろ感じることってあって。自分のことはさておいて、感じていた矛盾を言うことが出来た曲です。そうすることで本来僕らが言いたかったことを代弁出来るんじゃないかと。だから、自分はどうかっていうのは「さて置いて」っていう。CLIFF EDGEとしては初めてに近い形で書いてみました。

――「JAM」って、受け手によって、皮肉の歌になったり、ラブソングになったりする曲だと思うんです。CLIFF EDGEとしては、社会の矛盾っていうシニカルな部分をより強くクローズアップしたというのが男性的な感覚だと思ったんですよ。男っぽい。

JUN:確かに。この曲が本当に何を言いたかったのかっていうのはわからないですが、ここでカバーというよりも、いろんな意味でのサンプリングってことに挑戦したかったんです。僕らなりの「JAM」っていうところが一番大切だなって思った。内容もそうだし、メロディとして起用する場所だったり、アレンジのところも。自分らしさと原曲の良さっていうところのバランスは難しかったですね。

SHIN:「隣の芝は青く見える」っていうフレーズも入れましたが、そういうことわざも、どう捉えるのかなと思いますよね。描き方はすごく話し合ったんです。「隣の芝は青く見える」って言ってるやつに限って青い方にいるんじゃないかとか、そんな話をしながらみんなで作っていきました。

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