【ライヴレポート:詳細】VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY 2013>、神戸初日に「みんなのクレイジーなところが見たい」

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VAMPSが主宰する恒例のハロウィンイベント<HALLOWEEN PARTY 2013>が10月19日、神戸ワールド記念ホールにて幕を開けた。その速報レポートおよびphoto-galleryに続いて、初日の詳細レポートをお届けしたい。

◆<HALLOWEEN PARTY 2013>神戸初日 画像

▲氣志團
▲分島花音
▲HALLOWEEN COLLECTION
▲DAIGO
▲VAMPS
▲HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
合い言葉はハッピー・ハロウィン! 今年もまたスペシャルなお祭りの季節がやってきた。VAMPSが主宰する<HALLOWEEN PARTY 2013>、遡ればHYDEがソロ名義時代に初開催した2005年を始め、VAMPS結成以降は毎年行なわれてきた恒例のハロウィン・イベントだが、2010年よりイベント名を<HALLOWEEN PARTY>と定め、神戸と幕張の東西2大都市にて開催というスタイルが確立されてから今年ですでに第4回目を迎える。日本でハロウィンがこれほどにも身近な年中行事として認知されるものとなった大きなきっかけのひとつにこのイベントがあるといっても過言ではないだろう。

神戸ワールド記念ホールにて幕開けたパーティーは初日からチケットはソールド・アウトの大盛況ぶり。7500人ものオーディエンスが集った場内は当然ながら360°、どこを見渡しても仮装、仮装、仮装! これまでの出演者の衣装を精巧に再現したものや、一見かわいい着ぐるみながら血糊や包帯などでホラーなアレンジを施したもの、ウェディング・ドレスもナース服も、それぞれに個性ある一手間が加えられて、客席を眺めているだけでも実に楽しい。この場にいる全員が主役、それが<HALLOWEEN PARTY>の精神なのだ。

オレンジ×黒のハロウィン・カラーを基調にしたステージ・セットはサーカスのテントを彷彿させた。これまたオレンジ×黒のストライプの幕がステージを覆い、その上をふわふわと亡霊やモンスターの白い影が飛び交う。刻々と期待感の高まる中、ゆっくりと客電が落ちるや、スクリーンにジャック・O・ランターン(カボチャおばけ)が浮かんだ。「皆の衆、元気に死んじゃってますか〜!」とドスの利いた問いかけに歓声で応える場内。轟く雷鳴とともにパーティーのスタートが宣言されるや、恭しくステージの幕が上がった。

トップバッターの氣志團ほど仮装の予測がつかないバンドもいないのではなかっただろうか。トレード・マークのリーゼントはそのままに、聖飢魔IIメイクで彼らが現われたときには“そうきたか!”とばかり場内が一斉に快哉を叫んだ。6人の旗手を従えてダイナミックなパフォーマンスとともにハイ・テンションに攻める「NIGHT THE KNIGHTS」、「ゴッド・スピード・ユー!」では曲中、ステージ中央からアリーナ席に突き出して伸びるランウェイに綾小路 翔がずいずいと進み出て激しくアジテートを繰り返し、のっけからエナジー全開でオーディエンスに迫る。MCでは“オーライ”のコール&レスポンスを巻き舌を利かせつつ“オムライス”“オムロン”“王貞治”“王蟲”などと巧みな変化球を交えて客席を沸かせたかと思えば、「俺たち、今日のコスプレ、ちょっと間違えてるんだろ? 幕が開いた瞬間、オマエらの表情で気づいちまったぜ!」と爆笑を誘い、ついには「いいかい? この時間は体をあっためる時間だ」と開き直ってみせ、7500人の心を一手に掴むするというエンターティナーっぷりを発揮。メンバーそれぞれにイメージカラーのサイリウムを握りしめ、ポップなエレクトロサウンドに乗って全員で切れ味鋭いダンスを披露した「SUPER BOY FRIEND」、そして「オマエらの体はもう温まっている。もうしっかり暴れられるね? ピリオドの向こうに行けるまでとことん楽しんでいこうぜ。最高の<HALLOWEEN PARTY>にしよう!」とラストは代表曲「One Night Carnival」で熱く盛り上げ、9月にVAMPSも出演した氣志團主宰のイベント<氣志團万博2013 房・総・爆・音・梁・山・泊>の礼をも見事に返したのだった。

昨年はHALLOWEE JUNKY ORCHESTRAの一員として参加したチェロ・ボーカリストの分島花音が今年はライヴ・アクトに登場、紅一点として可憐ながらも音楽性豊かなステージで魅せる。身にまとったエキゾチックな民族衣装はアラブの王女か、はたまた踊り子か、それともやはり歌姫か……と思いきや、のちにセッション・タイムのトークで石油王だったと発覚。人の想像の斜め上をいく発想力もまた彼女という人の天賦の才を物語っているのだろう。はにかんだようなあどけない笑顔も束の間、マイクを手に取るや、まさにアラブの精霊が憑依したかのごとく、妖艶な身のこなしとキュートながらも迫力の歌声で「ザ ドールハウス!」の世界を体現。物悲しくもたおやかなチェロの音色がタフなバンド・アンサンブルに絡んでいっそう曲に奥行きをもたらす。「みなさん、こんばんは! ありがとうございます、分島花音といいます。今日、初めてお会いする方がほとんどかもしれませんが名前だけでも覚えていただけたらいいなと思います。今日はみなさん、楽しんでいってください」と折り目正しい挨拶に客席から温かな拍手が送られると、やさしい空気を一変させる瞠目のジャズ・アレンジでhideのカバー「Beauty & Stupid」を演奏、畳み掛けるようにドラマチックかつ疾走感あふれる「サクラメイキュウ」でオーディエンスの昂揚を煽る。ラストは「手拍子してくれたらうれしいです!」と呼びかける分島に応えて場内いっぱいにクラップが響き渡った軽快な「プリンセスチャールストン」が華やかにステージを飾った。

転換の合間もオーディションに勝ち残った観客有志によるファッション・ショー“HALLOWEEN COLLECTION”に、10月16日にリリースされたHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA「HALLOWEEN PARTY」にも収録された「HALLOWEEN PARTY -feat. HYDEs-」のミュージック・ビデオに登場するダンス・パートを実際に踊ってアピールする“HALLOWEEN DANCE PARTY 2013”にと盛り上がる場内。司会進行のやまだ氏が「お待たせしました! 次のスタンバイができたようです」とDAIGOの名をコールするとSEがけたたましく鳴り渡った。今年はソロとしての初出演となるDAIGOだが、旬を取り入れ、ファンのツボを絶妙に押さえた仮装はさすが常連の矜持を感じさせる。「東京でもやるんで、みなさんのツイッターやブログ、ミクシィやゼクシィに書かないでください。あ、ゼクシィは結婚情報誌か、間違えた。ハハハ〜」とのことなので、ここで詳しくは明かさずにおくが写真を見れば一目瞭然ではあろう。誰よりもこの日を楽しみにしていたと語り、「今年も呼んでくださったHYDEさん、VAMPSさんに心から感謝しております。ありがとうございます!」と感謝を述べると、「ところで皆さん、僕の後ろ見えます? あのマイク・スタンドに飾られているあのロック手袋ね、あれ、今年のバースデーにHYDEさんからいただいたものなんですよ」とご神体に向かって7500人と一緒に二礼二拍手で<HALLOWEEN PARTY 2013>の成功を祈願。ソロで7月にリリースしたシングル「いつも抱きしめて/無限∞REBIRTH」を中心にもちろんライヴ・パフォーマンスも完璧に決め、オーディエンスの興奮を最高潮にまで引き上げてトリのVAMPSにバトンを渡す。 

登場から驚愕の演出で悲鳴と嬌声が渦巻く場内、これがVAMPS流のTrick-or-treatか。阿鼻叫喚と背中合わせの快楽を味わってこそがハロウィンに違いない。ラウドでヘヴィな「HALLOWEEN PARTY〜HARD CORE Ver.〜」からアグレッシヴ・モードで挑みかかる5人にオーディエンスも全力で応戦する。とめどなく上昇する場内の温度、床の振動がすごい。パーティー初日にふさわしく、正装と呼ぶべき衣装に身を包んだ彼らは水を得た魚のごとく、縦横無尽にステージを駆け巡る。赤く光るHYDEの瞳が闇に映えて、おどろおどろしくも吸い込まれずにはいられない。

「レディース・アンド・ジェントルメン、ウェルカム・トゥ・ハロウィーン! 今年もまた来ちゃった。みんなのクレイジーなところが見たいから来ちゃった。今日は着たままやりましょう。わかってんのか、この野郎!」

そうHYDEが雄叫びを上げるとK.A.Zのギターが不気味に歪んだ。ノイジーかつクレイジーな音色が理性のタガをあっさりと外してゆく。The Beatlesのカバー「Lucy In The Sky With Diamonds」、VAMPSでは定番の1曲ながら、ハロウィン仕様にパワーアップした狂気めいたアンサンブルに身を浸せば、みるみると魂が抜け出ていくような錯覚にさえ陥ってしまう。ひとしきり暴れ倒したあとはMCでフレンドリーに語りかけ、しかしながら「さてさて、まだまだパーッといくで! はっちゃける準備は大丈夫? いけんの、神戸!」とまたも揺さぶりをかけるHYDE。荘厳なオルガンが唸りをあげてほとばしる「RUMBLE〜HALLOWEEN Ver.〜」、ハロウィンならではのゴスでダンサブルなアレンジが白眉だ。

4組のライヴ・アクトが終了してもパーティーは続く。むしろこれからが本番と言ってもいいかもしれない。なにせHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAのセッション・タイムがこのあとに控えているのだ。再びのジャック・O・ランターンがその登場を告げるや、「Penalty Waltz」のうら寂しい調べが聴こえてきた。上がった幕の向こうには今日の出演アーティストたちが一堂に介し、さらにはHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAのメンバーであり、この日のために駆けつけたシドの明希の姿もある。指揮棒を手に豪華な音楽隊を率いるはHYDEだ。彼の指揮通り演奏できない者には罰としてCO2(スモーク)が吹きかけられるのだが、その役目を担うAcid Black Cherryのyasuがいない……? 誰もがそう気づくや否やのタイミングで優雅に姿を現わすyasu。DAIGOが手にした“遅刻です、ヤスさん”のプレートに場内は大爆笑だ。MONORALのAnisが登場して行なわれた「Rhythm Game」は昨年も好評を博した、文字通り“リズムのゲーム”だ。ゲームに参加するアーティストひとり一人が小太鼓を抱えて輪になり、順番にリズムをリレーするというシンプルなものだが、流れを止めたり、リズム感が悪かったりするとそのアーティストには罰ゲームが課せられるという過酷なるルールが設けられている。最初にその餌食となったのは氣志團のランマこと星グランマニエ。一芸披露のリクエストに応えての五木ひろしの顔マネはオーディエンスを沸きに沸かせた。その後、HYDE、yasuと続き、最後はまたも氣志團から早乙女光と西園寺瞳がそれぞれに森進一とカルロス・トシキのモノマネを披露。他ではおそらく見ることのできない貴重な一面に触れられるのも<HALLOWEEN PARTY>の大きな魅力だろう。

D'ERLANGERのkyoとHYDEの夢の共演に翌日出演のMUCCが名古屋でのライヴ終わりに急遽、駆けつけ飛び入り参加。ミヤ、YUKKE、SATOちの演奏をバックに、kyo、HYDE、逹瑯の3世代ヴォーカリストが声を重ねたD'ERLANGERのカバー「LA VIE EN ROSE」が<HALLOWEEN PARTY 2013>初日のハイライトを飾った。エンディングは「HALLOWEEN PARTY」の大合唱。ハッピーな第一夜の余韻はそのまま翌日へと持ち越されるのだった。

取材・文◎本間夕子
撮影◎緒車寿一/田中和子

■<HALLOWEEN PARTY 2013>
2013.10.19 (Sat) 神戸ワールド記念ホールSET LIST
【氣志團】
M1:NIGHT THE KNIGHTS
M2:ゴッド・スピード・ユー!
M3:SUPER BOY FRIEND
M4:One Night Carnival
【分島花音】
M1:ザ ドールハウス!
M2:Beauty & Stupid
M3:サクラメイキュウ
M4:プリンセスチャールストン
【DAIGO】
M1:MARIA
M2:無限∞REBIRTH
M3:いつも抱きしめて
M4:SUMMER PARTY
【VAMPS】
M1:HALLOWEEN PARTY 〜HARD CORE Ver.〜
M2:REVOLUTION Ⅱ
M3:Lucy In The Sky With Diamonds
M4:AHEAD
M5:ANGEL TRIP
M6:TROUBLE
M7:RUMBLE 〜HALLOWEEN Ver.〜
M8:SEX BLOOD ROCK N’ ROLL
【HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA】
M1:Penalty Waltz
M2:Rhythm Game
M3:LA VIE EN ROSE (D’ERLANGER)
M4:HALLOWEEN PARTY
※HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
VAMPS / DAIGO / 氣志團 / 分島花音 / kyo(D'ERLANGER) / yasu(Acid Black Cherry) /MUCC/明希(シド) / Anis

◆<HALLOWEEN PARTY 2013>BARKS特設サイト
◆HALLOWEEN PARTY 2013 特設サイト
◆HALLOWEEN PARTY 2013 オフィシャルサイト
◆VAMPS オフィシャルサイト
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