【ライヴレポート】JUJU、壮大なオーケストラサウンドに乗せた歌の力でクラシックツアーを感動的に締めくくる

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JUJUが日本フィルハーモニー交響楽団と共演するクラシックコンサートツアー<JUJU PREMIUM CLASSIC CONCERT 2013>が、日本記念日協会の認定する“JUJUの日”10月10日にオーチャードホールでファイナルを迎えた。毎年恒例のJUJUの日のライヴだが、2013年のこの日は、ファンにはもちろん、JUJU本人にとっても特別な日となったようだ。

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6月にジャズアルバムを発表し、8月にはBLUE NOTEなどでジャズツアーを成功させたJUJUが、秋にはなんとクラシックツアーを行なうということで、早くから話題を呼んでいたのがこの<JUJU PREMIUM CLASSIC CONCERT 2013>だ。2011年には京都市交響楽団との共演も果たしているJUJUだが、今回のツアー前には、“ジャズは自由にできるが、クラシックは大変なところもある”と不安を漏らしていたという。しかしこの日のステージは、そんなことを微塵も感じさせない圧巻のパフォーマンスで満員のオーディエンスを感動させてくれた。

ライヴはオーケストラの演奏で幕を開けた。JUJUの代表曲とも言える「奇跡を望むなら...」を荘厳にアレンジした、フルオーケストラならではの壮大な序曲に、会場の雰囲気がぐっと盛り上がる。続いてグレーのドレスに身を包んだJUJUが登場し、「明日がくるなら」がスタート。クラシックだからといってJUJUの歌はいつもとそれほど違うわけではない。しかし序盤はピアノの伴奏のみで切ない歌声を響かせ、徐々にオーケストラの音数が増えるとそれに呼応するように力強く艶やかになるJUJUのヴォーカルは、クラシックスタイルでもまったく違和感がない。続く「やさしさで溢れるように」でも、重厚で表情の豊かなオーケストラの演奏にインスパイアされるように、伸びやかで彼女らしい表現力豊かな歌声を会場いっぱいに響かせた。

ジャズやポップスでのJUJUも親しみやすくて楽しいけれど、クラシックも文句なくカッコいい。電子楽器はおろか、エレクトリック楽器も皆無というオーケストラとの共演。ステージには凝ったセットも派手な照明もない。そんな状況だからこそ、JUJUの持つ歌の力が前面に表れたのだろう。美しいメロディと、それを表現できる彼女のヴォーカルのスケールの大きさがよりダイレクトに伝わってくるから、聴きなれた曲のはずなのに驚くほど感動的なのだ。

会場には多くのTVカメラが入っていたし、クラシックのコンサートということで、いつもとは違う緊張感が漂っていたが、JUJUの普段通りのMCが始まると、その雰囲気は一気に和らいだ。“私もドキドキする生音の素晴らしさを感じてもらいたい”とオーケストラと指揮者の大友直人を紹介し、会場のほとんどがJUJUのライヴの常連だとわかると“普段より背筋が伸びた感じの緊張感は昨日まで。今日はJUJUの日なのでいつも通りに楽しんで”と呼びかけた。

中盤は、それまでの落ち着いたアレンジとは打って変わり、デビュー曲の「光の中へ」や「My Life」といったナンバーを、金管楽器をパワフルに前に出したジャジーなアレンジで披露。ビッグバンドのような大きなノリ、迫力ある演奏に乗せて、明るくはじけるように歌い上げるJUJUはまさに水を得た魚のよう。そして美しくムーディなアレンジの「この夜を止めてよ」、「YOU」で前半が終了した。

休憩をはさみ、後半はオーケストラの「グリーンスリーブスによる幻想曲」からスタートした。JUJUは黒のドレスに着替えて登場し、切なく「Distance」を歌う。深みがあり、甘くドラマチックなアレンジでとても感動的だ。1曲終えてのMCは、JUJUと指揮者の大友直人の2人のかけあいが何度も笑いを誘った。大友がJUJUを“ゴージャスでシック”と讃えればJUJUも“大友さんはスタイルがよくて美脚”と褒め合いに発展。“JUJUの日と同じように、日フィルの日も申請してみたら?”と大友に提案する一幕もあった。

その後は普段のライヴではほとんどやったことがないという「願い」や、後半にドラマチックに展開する「また明日...」、メロディの美しさが光る「ANTIQUE」と続き、最後は重厚な弦楽器と美しいハープが印象的だった「ありがとう」で本編が終了した。


アンコールに登場したJUJUは、この日のライヴの模様がNHK BS Premiumで12月3日深夜に放送される予定であること、このツアーを収録したライヴアルバムが12月11日に発売されることを明かした。そして、“まだどこでも歌ったことのない曲”として映画『すべては君に逢えたから』の劇中歌となっている「守ってあげたい」を壮大なアレンジで披露。最後は「奇跡を望むなら...」だ。JUJUの声の豊かさを引き立てるようにハープから静かに始まり、あたたかく荘厳な管と弦が盛り上げる。みんなが待っていたこの曲での感動的なエンディングに、拍手は長い間鳴りやまなかった。

<JUJU PREMIUM CLASSIC CONCERT 2013>
セットリスト
10月10日@オーチャードホール
1. 序曲 Overture
2. 明日がくるなら
3. やさしさで溢れるように
4. 光の中へ
5. My Life
6. この夜を止めてよ
7. YOU
8. グリーンスリーブスによる幻想曲
9. Distance
10.願い
11.また明日...
12.ANTIQUE
13.ありがとう
アンコール1 守ってあげたい
アンコール2 奇跡を望むなら...

◆JUJU オフィシャルサイト
◆JUJU Official YouTube Channel
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