Native Instrumentsが新フラッグシップ「MASCHINE STUDIO」リリース、MASCHINEソフトウェア 2.0も登場

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Native Instruments(NI)は、新しいフラッグシップとなるグルーヴプロダクション・スタジオ「MASCHINE STUDIO」を11月1日より発売する。また、次世代のMASCHINEソフトウェア「MASCHINE 2.0」をもあわせてリリースする。

「MASCHINE STUDIO」のハードウェアは、これまでのMASCHINEハードウェアよりもサイズが大きくなり、さらに感覚的なコントロールが可能。高解像度のカラーディスプレイが2台搭載されたことで、コンピュータを基盤としつつもより直感的にビート制作ができる。オーディオインターフェイス機能は搭載されないが、これは既存のスタジオ環境に組み込むことを想定したもので、好きなハードウェアを組み合わせられるよう配慮した結果だという。

最新のソフトウェア・テクノロジーとハードウェア基盤のワークフローを組み合わせた「MASCHINE STUDIO」の構成は、すでに定評のある「MASCHINE」と「MASCHINE MIKRO」と同様。最新ソフトウェアの「MASCHINE 2.0」には、新しいミキサーページやダイナミックなドラムシンセ・プラグインをはじめとして数多くの改善、新機能を搭載する。

「MASCHINE STUDIO」はNIオンラインショップで11月1日より提供開始。ソフトウェア「MASCHINE 2.0」は、「MASCHINE STUDIO」ならびに、11月1日以降に発送されるすべての「MASCHINE」、「MASCHINE MIKRO」に付属する。また、現在「MASCHINE」を所有するユーザーは11月1日よりNIオンラインショップで9,800円で購入可能。「MASCHINE」または「MASCHINE MIKRO」を10月1日~2013年11月1日に購入した人には、購入時にMASCHINE 1.8を提供するが、「MASCHINE 2.0」リリース(2013年11月1日)後には同ソフトウェアを無償でダウンロード可能となる。

「MASCHINE STUDIO」のハードウェアをさらに見ていこう。「MASCHINE STUDIO」のワークフローの中心となるのは、従来モデルと同じく目にも鮮やかな16個の高感度マルチカラー・バックライト・パッド、新たに用意されたジョグホイール付きエディットセクション、レベル・セクション、そして2つの高解像度カラーディスプレイだ。

ディスプレイではソフトウェアの機能が詳細にビジュアル表示されるので、MASCHINEのハードウェア・ワークフローにより集中できるようになっているのが第1のポイント。MASCHINEのクリップベースのパターン・シーケンサでサンプルを編集する際などには、左のディスプレイで全体を、右のディスプレイで詳細を表示させながら、細かい部分までスライスやエディットが可能。そして、「KOMPLETE」を所有していれば、それらの機能を「MASCHINE STUDIO」ハードウェアでコントロールできるのもポイントだ。


▲プロジェクト、グループ、サウンド、インストゥルメント、エフェクト、サンプルをKOMPLETE Instruments/Effects製品のアイコンを使ってハードウェアから直接選択できるので、ブラウズもスムーズに行える(写真左)。サンプルやシーケンスなどの各種エディットも左右のディスプレイを効率的に行える(写真右)。ズームや移動時のレスポンスも良好、解像度・リフレッシュレートともに高く視認性もよい。
操作性と視認性の向上を最も感じられるのが、ハードウェアの右下に設けられた新しいエディットセクション。COPY、PASTE、NOTE、NUDGEなどワンアクションでさまざまな機能にアクセスできる専用エディットボタンとLEDリングインジケータ付ジョグホイールが配置される。また、ジョグホイールによりボリューム、テンポ、スイング設定を素早く調整でき、ブラウズと編集のスピードがアップ。その上のレベルセクションには使いやすいボリュームノブと多機能メーター・ディスプレイが装備され、マスター、グルプ、サウンド、キューのレベルを調整可能。また、マルチチャンネルのオーディオインターフェイスが接続されている場合には、最大4つまで選択可能なインプットソースをモニタリング可能だ。

左上の専用コントロールボタンでは「MASCHINE STUDIO」のサンプラー、アレンジャー、ミキサー、ブラウザの間を迅速に切り替え可能。さらにチャンネル設定と新開発プラグイン・ストリップに直接アクセスすることもできる。また、リアパネルにはMIDIインプット×1とMIDIアウトプット×3を用意。外部機器使用時には「MASCHINE STUDIO」を指令ハブとして使用して、すべての機材を1つのコントローラから操ることが可能になる。また、ユニットの下部には、非常に頑丈な内蔵折りたたみ式のスタンドが収められており、これを使って「MASCHINE STUDIO」を最適な角度に設置することが可能だ。


▲リアパネルにはMIDIコネクタ(IN×1、OUT×2)、フットスイッチ×2を備える。スタンドによる角度調整も可能。
続いてソフトウェアを見ていこう。「MASCHINE 2.0」はNative Instrumentsのグルーヴ制作ソフトウェアの大幅リニューアル版だ。「MASCHINE STUDIO」、そして「MASCHINE」と「MASCHINE MIKRO」の両世代のパフォーマンスがこれで飛躍的にパワーアップする。タグベースの属性ブラウザでサンプルとプリセットを探し出すのがより簡単に。新しいプラグインストリップではMASCHINE内部のプラグインの個別レイアウトが設けられているので、一般的なボタンやノブを用いるよりもずっと簡単に操作できるようになる。

新しいミキサーページでは細かなレベル調整、あるいは「MASCHINE 2.0」のauxセンド、プラグイン、無限に設定可能なグループ、インサートプラグインの柔軟なルーティングが可能。そして新しいマルチコア対応オーディオエンジンによりサイドチェーニングが可能になる。また、インストゥルメント、エフェクト、プラグインをより多く使用でき、ロードもスピーディーに。そして最先端の32ビット浮動小数内部加算方式により非常に高い音質が実現する。

新規のドラムシンセ・プラグインも「MASCHINE 2.0」の特筆すべき点。Native Instrumentsが長年のソフトウェア・シンセシスの経験と知識を駆使して開発したもので、従来のサンプルベースのドラム以上の使い勝手を提供する。各インストゥルメントにはドラムタイプが具体的に設けられ、そのインターフェイスも直感的で使いやすいものに。弾けるようなデジタルサウンドから温かみのあるアナログサウンドまで幅広い種類のサウンドが取り揃えられている。各ドラムサウンドはシンセシス・ベースなので、緻密な調整が可能。そしてこれらのプラグインはMASCHINEハードウェアから直接に調整、自動化することが可能だ。


▲MASCHINE 2.0の画面。シーケンスやサンプルのエディット(写真左)やドラムシンセ(右)のサウンドメイクも本体のつまみで直感的に行える。
「MASCHINE 2.0」は、あらゆるVST、Audio Unitsプラグインのホストとなるのに加えて、高品質で音楽制作にすぐに使える8GB超のサウンドライブラリを搭載。さらに、定評のあるシンセサイザーの「MASSIVE」、パーカッシブな鍵盤音などに最適なシンセサイザーの「PRISM」、高品位コンプレッサの「SOLID BUS COMP」、伝説的な電子ピアノをアナログの感触そのままにサンプリングした「SCARBEE MARK I」のフルバージョンも搭載。どのようなタイプの音楽制作でも多彩なセットアップを組み立てることができる。

MASCHINEはMacまたはWindowsシステムでスタンドアロンとして機能。また、VST、Audio Units、AAXプラグインとしてあらゆる主要DAWにロードできるので、既存の制作環境にもスムーズに組み入れることが可能だ。「MASCHINE 2.0」ソフトウェアでは、ソング、グループ、単体サウンド全体をロスレスのWAVまたはAIFFフォーマットで、最大32bit/192kHzでバッチ処理可能。以前のMASCHINEプロジェクト、iMASCHINEプロジェクト、REXファイル、MPCプログラムのインポートも完全にサポートされる。また、機能面だけでなく音質も大幅に向上しているので、既存のMASCHINEシリーズユーザーも要チェックだ。


▲パッドを叩いて音を出しながらサウンドメイク(写真左)。ディスプレイはウェーブフォームの拡大・移動もスムーズ(右)。
◆MASCHINE STUDIO
価格:104,800円
発売日:2013年11月1日

◆MASCHINE STUDIO 製品詳細ページ
◆BEAT THESE - MASCHINE STUDIO & MASCHINE 2.0 特別サイト
◆Native Instruments
◆BARKS 楽器チャンネル
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