【インタビュー】HYDE from VAMPS、『SEX BLOOD ROCK N’ROLL』と世界を語る「証がほしいんじゃないですかね。HYDEがここまできたっていう」
世界デビューアルバムにして、ベストアルバム『SEX BLOOD ROCK N’ROLL』を引っ提げて、VAMPSがヨーロッパツアーを敢行、年末にはUS公演を控えている。いよいよ世界へ、本格的な歩みを進めた彼らの大いなる第一歩がこの『SEX BLOOD ROCK N’ROLL』だ。世界発信を目論んで制作されたアルバムは全曲英語詞による再レコーディングが施され、演奏を一部新レコーディング、それらを最高の音質で届けるためにミックスも行われた。その制作の最終章に差し掛かった8月、<VAMPS LIVE 2013[BEAST PARTY]>会場で行われたHYDEインタビューの模様をここにお届けしたい。このアルバムが単なるベストアルバムではなく、現在のVAMPSのすべてが注ぎ込まれた作品だということが伝わるはずだ。
◆VAMPS 画像
■ 前から作りたいなと思ってたけどタイミングが今、来たっていう感じ
■ 絶対ライヴでやるような曲っていうのを基本に僕がまず選んで
──ベスト盤であり、世界デビューの1stアルバムでもある『SEX BLOOD ROCK N' ROLL』ですが、HYDEさんとしてはどちらのほうが気持ち的に強いですか。
HYDE:1stアルバムですね。だから日本でのリリースは正直あまり考えてなかった。
──だとしたら『VAMPS』(1stアルバム)と『BEAST』(2ndアルバム)の両方を2枚組で出すこともできたと思うのですが。
HYDE:2枚組だとちょっと重いかな。そこからさらにセレクトして、隅々まで意思の通った、もっとクオリティの高いものを作らないといけないと思いました。
──クオリティが高いというのは?
HYDE:基本は楽曲のクオリティですね。今回、英語で歌を入れ直したりもしましたけど、基本的には楽曲。VAMPSの中でも、さらに選ばれた曲ということになるのかな。あとライヴというものを軸に考えたりとか。でもまあ単純に、13曲にまとめて普通に1stアルバムにしたかったんですよね。
──そもそも、こういった作品を作ろうというアイデアはいつ頃から温めていたものなんでしょう。レーベルを移籍されて海外進出がより具体的になってからですか。それとも前々から構想があって、それが今回、実現したということでしょうか。
HYDE:前から作りたいなと思ってたけどタイミングがわからなかったんですよね。それが今、来た、っていう感じ。正直、日本でベストを出そうとするなら、もっとあとのほうがいいと思うんですよ。まだ2ndアルバムまでしか出てないしね(笑)。そうそう、最初はHYDEソロ名義の楽曲からもセレクトしようとしてたんですよ、「MIDNIGHT CELEBRATION」とか定番曲を。でも、そうするといっぱいになりすぎて選びきれなくなってしまったので、VAMPSの曲だけでも十分だなと思って。HYDEの曲は今後でもいいかなと。
──では選曲の基準は?
HYDE:欠かせない曲、ですかね。絶対ライヴでやるような曲っていうのを基本に僕がまず選んで、それを見てK.A.Z君が出してきたアイデアをさらにプラスして。
──「Life On Mars?」(デヴィッド・ボウイのカバー)が入ってるのがちょっと意外でした。もちろんライヴでもよく演奏されている曲ですが、ここでカバー曲がくるのかと思って。
HYDE:これはまさにK.A.Z君のアイデア。K.A.Z君が入れたいって言ったんです。たしかに“「Life On Mars?」より他の曲じゃない?”って思う人はいるかもしれないけどね。でもアルバムとして戦略的なところも考えて。
──戦略、ですか。
HYDE:カバー曲ってリスナーからすると、そのアーティストに興味を持つひとつのきっかけになると思うんですよ。マリリン・マンソンの「Sweet Dreams」(ユーリズミックスのカバー)とかもそうじゃないですか。いろんな方面に向けてキャッチーという意味で、そういう曲が入っているのはいいんじゃないかなって。
──海外に出すという意味でも。
HYDE:うん。それと全体にアップテンポな曲が多いから、スローな曲もあったほうがいいなと。そういう観点からも考えて選んでます。
──実は「MY FIRST LAST」も少し意外な気がしたんですけど。
HYDE:これもK.A.Z君の意見で(笑)。日本的、アジア的な感じをアルバムの中で出したいってK.A.Z君が言ってて、なるほどな、と。
──カバーが1曲入るとして、アルバム『VAMPS』から6曲、アルバム『BEAST』から6曲が選ばれていますが、そのへんのバランスも考えていたんでしょうか。半々になるようにしよう、とか。
HYDE:あ、半々なんだ。っていう感じ(笑)。それは全然考えてなかった。
──ベストでありながらもシングル曲すべてが入っているわけではないのも、世界に向けた1stアルバムとしてのこだわりですか。
HYDE:そうですね。そこは度外視してました。自分が海外で売れるアルバムを作るならって考えての選曲です。シングルは日本のことも考えて作っているものなので。
──選曲はスムーズでした?
HYDE:うん、比較的。もう1曲、「SECRET IN MY HEART」を入れようと思っていたんですけど、13曲に収まらないんで残念ながら落ちました(笑)。どうしても入れたい曲は他にもあるんですけど、キリがないんでね。だからそんなに悩んではいないです。
──曲順も?
HYDE:曲順、決まったの一昨日(8/7)ですから(笑)。
──そういえば今朝でした、この曲順をいただいたの(笑)。
HYDE:ホント、そこはずっとあれこれやってました。いくらやっても曲の並びは難しかったですね。ふだんは比較的早いんですけど、今回は曲順によってアルバムの方向性がいろいろ変わってくるんで。
──可能性が多すぎた、と。
HYDE:例えば、真面目にハードなバンドっていうイメージにもできそうだったのね。VAMPSってちょっと面白いというか、どこか茶化した部分もあると思うんですけど、そういう部分を隠す曲順にしてミクスチャーなヘヴィ系のバンドっぽく聴かせることもできるし、逆にめっちゃポップにもできるし。そこは悩みどころでしたね。
──結局はどこに落ち着かせることにされたんですか。
HYDE:ほぼ折衷なんですけど、どちらかというとメジャー志向の強いほうに。
──ライヴのセットリストとかもちょっと意識されました?
HYDE:意識はしてないですけど、ライヴっぽいですよね。自分の中で“次の曲はこうきてほしい!”っていうのが染みついているから、なんとなくそういうのは出てきますね。
◆インタビュー(2)へ
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