【ライヴレポート】<SUMMER SONIC 2013>ヘッドライナーのメタリカが圧巻のパフォーマンスで満員のスタジアムを圧倒

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異常な高温の中、熱狂のうちに幕を閉じた<SUMMER SONIC 2013>。そこで展開された数々の熱狂的なライヴのなかでも特に印象に残ったライヴを紹介する。

メインステージをダブルヘッドライナー制とした今年のサマソニ、東京会場では1日目の大トリを務めたのがメタリカだ。前回、2006年のサマソニでは名盤『メタル・マスター』のリリース20周年を記念するアルバム完全再現ライヴでスタジアムを熱狂させたメタリカは、7年ぶりのマリンステージ。しかも直前にパフォーマンスしたのがリンキン・パークだったこともあって、スタジアムは超満員だ。アリーナは早々と入場が規制され、スタンド席は通路まで人があふれた。

陽の落ちたスタジアムのステージにメンバーが登場すると同時に、雷鳴のような轟音がとどろく。期待が一気に高まったところで、「Hit the Lights」がスタート。いきなりの高速ナンバー、その迫力とスピード感に見ている方も力が入る。そして続けて「Master of Puppets」が来たものだから、スタジアム全体が大興奮。“Master!Master!!”と怒号のような大合唱だ。セットリストにはその後も有名曲、ライヴの定番曲がズラリと並び、とてつもなくテンションの高い演奏が続く。カークとトゥルージロの遊び心に満ちたソロパートも痛快だったし、クリーン・ギターのメロウで抑え目なイントロで緊張感を高め、それが解き放たれるようにリフでパワーが爆発するという、メタリカならではの展開も爽快だ。どの曲も始まるたびに大歓声が上がるし、ヴォーカルパートはもちろん、ギターソロでもソロのメロディに合わせた大合唱が沸き起こった。


2時間近いステージもあっという間だった。「Enter Sandman」で本編を終了した後は、アンコールに応えて「Creeping Death」をプレイ。そしてイントロなしでいきなりあのリフから始まったのは、全員が待っていた「Battery」だ。この曲が聴けたらもう満足、というファンも多かったはずだが、さらなるアンコールを求める声は止まない。するとトゥルージロが客席に向かって“もう1曲聴きたいか?”という感じで指を1本出し、大歓声を聞くと“おい、もう1曲だってさ”というように、すでに帰りかけていたジェイムズを呼び止める。“ダメダメ、もう時間がないんだよ”という身振りのジェイムズにはブーイングが飛ぶ。何度かそんなやりとりがあった後、“それじゃやろうか”と、ジェイムズが外していたギターを肩にかける。そして「Seek & Destroy」でこの日のステージを締めくくった。

どの曲のどの部分でも、一つ一つの音がすさまじく重く、説得力がある。ライヴバンドとしてメタリカは、やはり別格の存在であることを思い知らされた2時間だった。スピード感、パワー、そしてテクニカルな部分も見せつけた迫力のステージは、すべてのロックファンをうならせるものだったし、サマソニの歴史に残る名演だったといえるだろう。

Photo by 中河原理英
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◆夏フェス2013特集ページ
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