【ライヴレポート】VAMPS、<VAMPS LIVE 2013[BEAST PARTY]>初日の詳細「気持ちいい! 世界遺産が少し見えるんですよ。今はわざと隠してるけど」
VAMPSが8月10日および11日の2日間、山梨県山中湖交流プラザきららにて<VAMPS LIVE 2013[BEAST PARTY]>を開催した。世界遺産・富士山をバックに繰り広げられたライヴの詳細レポートをお届けしたい。
◆VAMPS 拡大写真
VAMPSの夏、ニッポンの夏。いつぞやのステージでHYDEがそう冗談めかしていたが、たしかにこれほどロック然としていてなお夏がこんなにも似合ってしまうバンド(あえてバンドと書こう)もそうはいまい。しかも野外。太陽に強い吸血鬼ときたら、それはもう無敵なのではないだろうか。
ともあれ今年も待望のパーティーシーズンがやってきた。今回はビーチから山中湖畔に会場を移し、<VAMPS LIVE 2013 BEAST PARTY>とタイトルも新たに開催された夢の2日間。初日は好天にも恵まれ、休憩エリアでは午前中から早くもこの日を楽しみに訪れたファンたちがフード&ドリンクブースでVAMPSコラボメニューに舌鼓を打ったり、ボディペイントを楽しんだりと祝祭ムードに満ちている。エリア内には女性用の更衣室が用意されているのもいい。決して交通の便がいいわけではない場所だからたどり着くまでは少々難儀だが、会場に一歩足を踏み入れれば可能な限り快適に過ごせるようにという主宰者側の細やかなホスピタリティを感じる。全員が心から楽しめてこそのパーティーだとVAMPSは知っているのだ。
陽も傾きかけた17時半、ライヴエリアを埋め尽くした1万人(!)のオーディエンスが今か今かと待ち侘びる中、突如、SEが轟いた。まずはスティックを振り振りARIMATSUが登場、続いてJIN、Ju-kenが現われるが、肝心のふたりはどこだ? 場内に入り乱れる視線。そうして次の瞬間、颯爽とバギーにまたがったHYDE、そしてK.A.Zの姿がスクリーンに映し出されるや、歓声は大きな塊となって噴き上がり、彼らを追う1万人の目がステージ下手側から現われてバギーを操るHYDEと上手側のK.A.Zとの間をいっそう激しく行き交った。あまりにも“らしい”登場感! 一瞬で全員の心を掴んでしまうのだからさすがとしか言いようがない。ひとしきり乗り回した後、ふたりはステージ中央から伸びたランウェイに上がり、メインステージへ。<BEAST PARTY>の幕を切って落とした記念すべき1曲目は「I GOTTA KICK START NOW」だった。
「はぁ……気持ちいい! 世界遺産がほんの少しだけ見えるんですよね。今はわざと隠してるんですけど」
HYDEのMCに目を凝らしてみる。なるほど、ステージの向こうにうっすらと富士山がそびえているのがわかった。夏場は大気が靄となりなかなか姿を拝めないらしいが、うっすらとしたシルエットであってもその雄大さは破格だ。世界遺産が背景とはなんとも贅沢な演出ではないか。VAMPSが世界に羽ばたこうとしている今だからなおのこと、この光景がかけがえのないものに思える。
「なんでみんな、水着着てんの。ちょっとそういうのやめてくれる? 誘惑されちゃうから。でも今日はいいか。一緒にハメ外そうぜ!」
そうして「腹減ったー!」の雄叫び一発、狩りが始まる。そう、「HUNTING」だ。ギターを放水銃に持ち替え、オーディエンスを容赦なく狙うHYDE。そうか、そのための水着であったか。逃げ惑うどころか嬉々として進んで浴びにかかる猛者たちの姿は、まさにこのアーティストにしてこのファンあり。ステージと客席、渾然一体の美しさをつくづくと実感してしまう。
「ANGEL TRIP」の余韻からK.A.Zがずいっとランウェイに進み出る。“”ギュァ~~~~~ン”と唸りをあげるギター、ほとばしるは「GET UP」だ。霧雨のように音が降るこの曲の間奏は実に山間の大自然に映える。
「よく足を運んでくれました。山梨県の山中湖です。さっきよりは富士山、見えるようにしといたけど、全部見るにはもっとみんながイキきらないとね。暑いから水分補給ちゃんとして、最後まで楽しんでいってください。わかった人~!」「はーい!」の声がこだまする。そんなK.A.ZのおっとりとしたMCもまた野外で聞くと格別だ。
ちなみにパーティーは通常のツアーとは異なり、三部構成で行なわれる。ARIMATSUのダイナミックでパワフルなドラムソロがエンディングを飾った第一部の興奮も冷めやらぬまま、迎えた第二部はアコースティックコーナー。ランウェイ先端のサブステージにて、まずはHYDEとJINが井上陽水のカバー「少年時代」を披露する。艶のある伸びやかなHYDEの歌声にJINのピアノがやさしく寄り添い、どこまでも飛んでいく。メンバー全員が登場しての「MEMORIES」はボサノヴァバージョン。HYDEも大好きだと語るボサノヴァアレンジの「MEMORIES」が夏の夜にしっとりと染み渡る。いつもよりMCが長めだったのはいつになく近しい距離感とリラックスした空気のおかげだろうか。魂の幽玄と悠久をはらんだ「MY FIRST LAST」、リズミカルなコール&レスポンスも心地よい「MISSION」とたっぷり4曲、極上のひとときを過ごした。火照った肌に吹く風が柔らかい。
13曲目にして第三部の幕開けは「KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver.-」。ほぼ全曲、ギターを弾き倒した第一部から一転、ここではHYDEはヴォーカリストに徹する。身軽になってひときわ猛々しいパフォーマンス、やはり吸血鬼の本領は夜にこそ発揮されるに違いない。上半身裸で現われた彼はのっけから声の限り咆哮し、ステージを狭しと身を躍らせる。対するK.A.Zは深々とヒョウ柄パーカーのフードを被り、クールに熱をたぎらせる。凶暴なまでのコントラスト。「DEVIL SIDE」の間奏でK.A.Zが聴かせたギターは鳥肌級の切れ味で、研ぎ澄まされた音の破壊力というものを身を以て知らされた気がした。
「山中湖! BLOODSUCKERS! みんなで大きい声出して富士山揺らそうぜ!」
そう叫んだJu-kenのベースソロがオーディエンスを煽動し、怒濤の肉弾パーティー「TROUBLE」になだれ込み、そして本邦初公開の「REVOLUTION II」へ。9月25日リリースの最強ベストアルバム『SEX BLOOD ROCK N' ROLL』に収録の1曲だ。既存の「REVOLUTION」が大胆にリミックスされ、殺傷力もさらに増した。
「いいね、音楽の力を感じるよね。こんなにいっぱい人が集まってくれて……最高じゃない? VAMPSはすごくいいファンに恵まれてるなと」
客席に語りかけるHYDEの顔がナチュラルにほころんでいるのが、こちらも嬉しい。まもなく完成するベストアルバム(実は山中湖に来てからも作業を続けているらしい)の制作を振り返り、今作に懸ける想いを真摯に口にするHYDE。
「ホントこんな頑張ったの久しぶりやなって。たぶん、みんなはニューアルバムのほうが嬉しいと思うんやけど、でも、そこはちょっと付き合ってくれ。僕は夢がある仕事がしたいんですよ。僕、仕事って人としていちばん重要なことだと思ってて。僕がいい仕事をすることがみんなの喜びにつながると思うし、僕たちがいかに輝いてるかを見てもらったらきっとこの作業の意味もわかってもらえるんじゃないかな。だから期待しててほしい」
HYDEに続けて、K.A.Zも「楽しみにしてて」と言葉を添える。ベストアルバムといえば曲を集めてまとめるだけで、普通は“作る”ものではない。それをイチから歌い直し、録り直して生涯最高といえる1枚に作り上げた。それができたのは、みんながこうして愛してくれているおかげだと改めて感謝を告げるHYDEに、オーディエンスもありがとうと応える。想いの循環、とてもきれいだ。
デッカいサプライズはその後に起こった。「残り少なくなってきたけど、いい曲をもう少しやるので」と演奏された「GLAMOROUS SKY」。だがHYDEとは別の声が重なって聴こえてきた。
「あれ? ちょっと今の、JINさん? この曲、Aメロにハモないから歌わんといて。ごめんねK.A.Z君、もう一回」気を取り直してもう一度、演奏スタート。しかし。「ホントに何か聴こえない? ちょっと~、お盆だから来ちゃった?」
「HYDEさん、すいません」
ステージ袖から声の主が現われた途端、ざわめきは歓喜の嬌声に変わった。登場したのはDAIGO、さらにはSHINPEIまで! しかも“通りすがり”というわりにはしっかりDAIGO STARDUST時代の衣装まで着込んだ完全装備。SHINPEIも手にはギターを携えて、見るからに出る気満々ではないか。なんとも粋なこの仕込み。どこまで喜ばせてくれるのだ。HYDEとDAIGOの融け合うハーモニーに改めて酔いしれるオーディエンス。そして「LOVE ADDICT」ではDAIGOが衣装を活かし“動く人間ステージセット”と化してHYDEとK.A.Zを華麗に演出、クライマックスを大いに盛り上げたのだった。
DAIGOとSHINPEIを送り出し、再び5人となったステージでラストは「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」。次々と上がる大輪の花火が夜空を鮮やかに彩って1万人の興奮をいつまでも冷めやらぬものにした。
取材・文◎本間夕子
撮影◎田中和子/岡田貴之
<VAMPS LIVE 2013[BEAST PARTY]>
2013年8月10日@山中湖交流プラザきららセットリスト
01.I GOTTA KICK START NOW
02.HELLO
03.HUNTING
04.ANGEL TRIP
05.GET UP
06.SEASON'S CALL
07.AHEAD
08.HIDEAWAY
09.少年時代
10.MEMORIES(BOSSA Ver.)
11.MY FIRST LAST
12.MISSION
13.KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver.-
14.DEVIL SIDE
15.REPLAY
16.TROUBLE
17.REVOLUTION II
18.GLAMOROUS SKY
19.LOVE ADDICT
20.SEX BLOOD ROCK N' ROLL
レーベル移籍第1弾両A面シングル
「AHEAD / REPLAY」
2013.7.3. OUT
UICV-9034 / UICV-9035/ UICV-5022
【初回限定盤A(CD+DVD)】UICV-9034 \1,600(税込)
1.AHEAD ※Xperia UL CMソング
2.REPLAY ※ダークシリーズ最新作「ダークラビリンス」メインテーマ
3.AHEAD (Instrumental)
4.REPLAY (Instrumental)
<DVD>
AHEAD Music Video
【初回限定盤B(CD+DVD)】UICV-9035 \1,600(税込)
1.REPLAY ※ダークシリーズ最新作「ダークラビリンス」メインテーマ
2.AHEAD ※Xperia UL CMソング
3.REPLAY (Instrumental)
4.AHEAD (Instrumental)
<DVD>
REPLAY Music Video
ダークラビリンス Trailer Movie
【通常盤(CD)】UICV-5022 \1,200(税込)
1.AHEAD ※Xperia UL CMソング
2.REPLAY ※ダークシリーズ最新作「ダークラビリンス」メインテーマ
3.AHEAD (Instrumental)
4.REPLAY (Instrumental)
※3タイトルJ写違い
※初回盤Aには、「AHEAD」のMVと、Xperia UL CM映像等を収録したDVD付!
※初回盤Bには、「REPLAY」のMVと、ダークシリーズ最新作ゲームアプリのTrailer Movie等を収録したDVD付! 更に初回盤Bのみ封入特典として、上記ゲームアプリ内のレアモンスター・レアアイテムをダウンロード出来るシリアルコード封入!
※各商品別に1枚のVAMPS CHANCE応募シリアルナンバーを封入(シリアルナンバーA・B・Cの全3種類)
※初回盤A, Bには、それぞれタイアップ楽曲のMVとCMメイキング等を収録したDVD付!
<VAMPS LIVE 2013>
■東京 ZEPP DIVERCITY TOKYO -7Days-
6月28日(金)ZEPP DIVERCITY TOKYO
6月29日(土)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月01日(月)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月02日(火)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月04日(木)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月06日(土)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月07日(日)ZEPP DIVERCITY TOKYO
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888
■名古屋 ZEPP NAGOYA -5Days-
7月10日(水)ZEPP NAGOYA
7月11日(木)ZEPP NAGOYA
7月13日(土)ZEPP NAGOYA
7月14日(日)ZEPP NAGOYA
7月16日(火)ZEPP NAGOYA
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
■大阪 ZEPP NAMBA -7Days-
7月19日(金)ZEPP NAMBA
7月20日(土)ZEPP NAMBA
7月22日(月)ZEPP NAMBA
7月23日(火)ZEPP NAMBA
7月25日(木)ZEPP NAMBA
7月26日(金)ZEPP NAMBA
7月28日(日)ZEPP NAMBA
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888
■福岡 ZEPP FUKUOKA -2Days-
8月31日(土)ZEPP FUKUOKA
9月01日(日)ZEPP FUKUOKA
[問]キョードー西日本 092-714-0159
■札幌 ZEPP SAPPORO -2Days-
9月22日(日)ZEPP SAPPORO
9月23日(月・祝)ZEPP SAPPORO
[問]問い合せ:マウントアライブ 011-211-5600
開場 18:00 / 開演 19:06(全日程)
<VAMPS LIVE 2013>追加公演
■東京 ZEPP TOKYO(全日程)
9月04日(水)*VAMPADDICT ONLY
9月05日(木)*VAMPADDICT ONLY
9月07日(土)*BEAUTY AND THE BEAST
9月08日(日)*UNDER 20 ONLY
9月10日(火)
9月11日(水)
9月13日(金)*VAMPADDICT ONLY
9月14日(土)
9月17日(火)
9月18日(水)
*VAMPADDICT ONLYはオフィシャルファンクラブVAMPADDICT限定公演
*BEAUTY AND THE BEASTは男性と女性のフロアを分けた公演
*UNDER 20 ONLYは公演日に20歳未満の方を対象とした公演
■<VAMPS LIVE 2013 「BEAST PARTY」>
2013 年8月10 日(土)11 日(日)
山梨県 山中湖交流プラザ きらら
山梨県南都留郡山中湖村 平野479-2
休憩エリア開放時間 10:00~21:00
開場時間 16:00 / 開演時間 17:30
スタンディングブロック指定 6,660 円(税込)当日券 7,160 円
スタンディングブロック指定(特典付) 8,500 円(税込)*FC 先行限定
◆VAMPS 2013年海外公演
9.28[土]バルセロナ(スペイン)@APOLO
10.1[火]パリ(フランス)@Olympia
10.3[木]ベルリン(ドイツ)@KESSELHAUS
10.7[月]ロンドン(イギリス)@O2 Academy Islington
◆VAMPS BEST ALBUM『SEX BLOOD ROCK N' ROLL』
2013年秋発売決定!世界に向けて全英詞で再レコーディング!詳細後日発表!
◆VAMPS オフィシャルサイト
◆VAMPS レーベルサイト
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