【対談】HYDE×天野喜孝がアートを語る「悪魔の存在が凛々しく、聖なる存在が怖く見えた」
<天野喜孝×HYDE展 天命と背徳~NIPPON EVOLUTION~>が、8月9日よりラフォーレミュージアム原宿にて開催中だ。この展覧会は、大ヒット・ゲームソフト「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザインで知られる天野喜孝とL'Arc~en~Ciel、VAMPSのヴォーカリストHYDEとのコラボレーションによるもの。HYDEを題材とした天野作によるアートの数々が展示されている。その会場で作品を前に、BARKSは2人に対談インタビューを試みた。アーティストとしての共通点や作品への想いにおよんだ2人のトークをここにお届けしたい。
◆HYDE×天野喜孝対談 画像
■素直に言うとホントに自慢したいですよね──HYDE
■まだ本性は出てないと思うんですけどね(笑)──天野
──コラボレートするに当たって、お2人はゆっくり話をされる機会はあったんですか?
HYDE:飲みながら話しましたね。たぶん、たわいのないことをしゃべっていたような。“ふだん、どういうことをしてる?”とか。
天野:普通の生活してるんだなと思いましたね。それって実はスゴイことなんですけどね。
HYDE:どんなこと話したか詳しくは覚えてないですけど、楽しい思い出しかないですね。この間はパリみやげをいただきました。よく、おみやげいただくので、今は親戚のオジちゃんみたいな(笑)。
天野:ははは(笑)、確かに。
──じゃあ、最初からスッと打ち解けて?
HYDE:お互いにちょっと人見知りなところがあるので、お酒の力を借りてですけどね(笑)。
天野:まだ本性は出てないと思うんですけどね(笑)。
──HYDEさんはもともと天野さんの大ファンだったということですが、初めて目にした作品は?
HYDE:中学生のときに見た「吸血鬼ハンターD」の絵は衝撃的でしたね。カッコよくて独特な作風で、それまで知らない世界だったので。その作品に“洋”と“和”を感じて、それも新鮮でしたね。だから、こんな機会をいただいて、素直に言うとホントに自慢したいですよね。だから、正直、涙が出てきましたね。だって、そんなに憧れていた人に僕なんかをテーマにこんなにたくさんの絵を描いていただけるなんて。
■HYDEさんのロマンティックで耽美な部分を表現しようと──天野
■表裏一体感を表現しているんじゃないかなと思いました──HYDE
──展覧会はそもそも“天使と悪魔”がテーマだったということですけれど、相反するもののようで共通項があるというイメージがあったんでしょうか?
HYDE:そのテーマから派生して“天命と背徳”というタイトルを付けたんですけれど、天使と悪魔っていうか、明暗ですよね。闇があるからこそ光が見えるわけで、光だけでは成立しない。つねに共存しているものなんですよね。僕はふだんから、そういうことを歌詞にしているので、タイトルのアイディアも出しやすかったですね。
天野:僕も光と闇、白と黒というところから入っていって、作品として仕上げていくときに、そこをもっと追求してみたいなって。アクリルの作品を描くに当たっては聖書のヨハネの黙示録が自分の中でひっかかっていて、そのあたりの時代背景や政治が影響して神話になったりしているので、絵にしてみたんですけれど、竜を描いたり、ビジュアルとしても面白いと思います。カラーの絵は最初、未来の映画のようなイメージで描いていったんですけど、僕が描くと戦いの要素が強くなるので、途中で軌道修正して、HYDEさんのロマンティックで耽美な部分をもっと表現しようって……。モノクロの墨絵は能を見てインスピレーションを受けた部分もあります。天使と悪魔に分かれる前の儀式が展開していく舞台劇のような。墨絵には不思議な感じが出るので30枚連作で描いたんですよね。
HYDE:天野さんの作品を見て、悪魔の存在が凛々しく見えたり、聖なる存在が怖く見えたり、そういうところでうまく表裏一体感を表現しているんじゃないかなと思いましたね。作品たちが欲しいし、家に飾りたいけど、飾りきれないな(笑)。
──これだけの作品を1ヶ月で描かれたっていうのも驚異的です。1日、何枚、描いたんだろうと。
天野:1日に10数枚描いたり……。コンスタントにやったほうが楽なんでしょうけど、土壇場でパッとアイディアがひらめくんですよ。僕の中では頭の中にイメージは全部あるんですけど、実際に描いていくと、また、そこからふくらんでいくんですよ。これも描きたいって。それが今回、楽しかったですね。その場で浮かぶものだから、次の日だったら違う絵になるかもしれない。だから、ライヴに近いんですよね。
──さっき、HYDEさんから“洋”と“和”の話が出ましたけど、今回の作品にも混ざりあっていますよね。
天野:ただ、僕は日本的なものって、日本人だから意識しなくても出ちゃうものだと思うんですよね。いくら“洋”のものを描いても、向こうの人たちから見たら日本的なんですよ。それが個性に映るのかもしれないですよね。
HYDE:そうかもしれないですね。
──なるほど。最後に作品創りが終了したというところでお互いへのメッセージをお願いします。
HYDE:お疲れさまでした(笑)。やっと落ち着いてお酒が飲めるんですかね。でも、懲りずにまた描いてもらえたら。
天野:はは(笑)、わかりました。HYDEさんはVAMPSでも海外に行かれてるけど、もっとガンガン世界に行っちゃって欲しいですね。行けるところまでやってほしい。数少ないそれができるアーティストですから。で、海外で美味しいお酒を飲みたいですね(笑)。
HYDE:そうですね。パリあたりで(笑)。
取材・文◎山本弘子
■展覧会<天野喜孝×HYDE展 天命と背徳 ~NIPPON EVOLUTION~>
・2013年8月9日(金) 8月31日(土)(23日間)
・場所:ラフォーレミュージアム原宿
・オープン/11:00 クローズ/21:00(最終入場20:30)
・前売り 平日券 一般:\1,800、小学生以下:\500(税込)
・土日券一般:\1,800、小学生以下:\500(税込)
・当日一般:\1,800、小学生以下:\500(税込)
※前売り平日券(一般:\1,800のみ)での入場特典として、枚数限定で月~金の曜日別5種のオリジナル・トレーディング・カードを差し上げます。
※未就学児童:無料
◆チケット詳細&購入ページ
◆天野喜孝×HYDE展 天命と背徳 ~NIPPON EVOLUTION~ オフィシャルサイト
◆HYDE オフィシャルサイト
◆VAMPS オフィシャルサイト
◆VAMPS レーベルサイト
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