【ライヴレポート】VAMPS、ZEPP OSAKA6日目は2階客席にHYDE出現のサプライズ「それなりにいいライヴはできるけど、いちばんを作ることもできる」

ポスト

VAMPSの籠城型ツアー<VAMPS LIVE 2013>も、いよいよ18公演目。ZEPP DIVERCITY TOKYO 7DAYS、ZEPP NAGOYA 5DAYSを経た彼らが、ZEPP OSAKAで猛威を奮う。以前のインタビューでHYDEが、「VAMPSとしては何十本もやって、ようやく完成するところがあるように思う」とこのツアーを語っていたように、そのステージはますます精度を高めていくばかりだ。ZEPP OSAKA6公演目となる7月26日のライヴは、お待ちかねのサプライズも飛び出した狂乱のパーティー。その模様をレポートしよう。

◆VAMPS 拡大画像

うずうずとした淡い予感と、祈りにも似た切実な期待。それらが結実した瞬間のカタルシスはもう例えようもない。VAMPSのステージはそうしたカタルシスの連続で形成されているようなものだが、この日、いちばんのハイライトはライヴも最終タームに入った17曲目「HUNTING」で訪れた。

「いっぱいしゃべったら腹減ってきちゃったなぁ! みんなで狩りにいこうぜ」

「MEMORIES」の余韻がガラリと切り替わる。“狩り=「HUNTING」”の始まりを告げるお約束的この台詞を口にしたのは、しかしHYDEではなくJu-kenだった。気づけばHYDEの姿がない。え? もしかして……? にわかに騒然とする場内、色めき立つ2階席へとスタンディングフロアのオーディエンスも視線を送る。“まさか”と“どうか!”と“本当に?”が、ない交ぜになって上昇する熱。興奮をK.A.Zのギターが飄々と煽り、その伸びやかな旋律に導かれてアンサンブルがダイナミックに広がる。実際には1分にも満たない時間が永遠にすら感じられ、そして唐突に2階席上手側のドアが開いた。

現われたのはそう、HYDEだ。

じれにじれた空気が一瞬にして歓びに染まる。それはサプライズに驚喜するというより、願いがついに成就した刹那の至福に近い気がした。柵から身を乗り出してスタンディングフロアにもアピールしつつ意気揚々とギターを弾きむしるHYDE。その勇姿を目の前におとなしく席についていられるはずもなく、瞬く間に殺到したオーディエンスが人垣となって彼を囲んだ。それでも目立った混乱や事故がないのは、VAMPSがファンとの間にこれまでに築き上げてきた信頼関係の賜物だろう。いや、それにしてもうれしい。ステージという枠を超えた、この至近の臨場感は想像以上のうれしさだと知る。

早いものでZEPP NAMBAにVAMPSが籠城してすでに6公演目、気づけばツアー<VAMPS LIVE 2013>も折り返しを過ぎた。18公演でまだ折り返しと言っていること自体、まずすごい話なのだが、さらにこれほど高純度のライヴがあと10数公演も続くことを思うに、なんと並外れた持久力と瞬発力かと改めて感嘆してしまう。“VAMPS=吸血鬼=人ならざるもの”であるがゆえの破格、と結論づけるのはいささか短絡的に過ぎるだろうが、1曲目「KYUKETSU-SATSUGAI VAMPS Ver.-」の、幕開けから振り切れたパフォーマンスを見せつけられれば、うっかりそんな気にもなろう。

間髪入れず「MADE IN HEAVEN」「VAMP ADDICTION」と、この日も攻めの姿勢にブレはないが、ただし、そのままアグレッシヴ一辺倒に終始するのとも違うようだ。ロカビリーテイストが出色な「RUMBLE」が狂騒を不敵にかき回し、かと思えば「GET UP」のオープンな推進力が一転、場の空気を明るく疾走させる。密室的な官能と開放に伴う快感と。緩急自在な太いグルーヴ、コースの予測がつかないジェットコースターに身を任せるかのごときスリリングな展開がたまらない。

「ちょっと何してはんのん? なんか水着の人が多すぎて。みんな何、誘惑しようとしてんの。怒るで、“おこ”やで」

HYDEのギャル語に大盛り上がりするオーディエンス。「“激おこなんとか”やで」と続けると、すぐさま“プンプン丸~!”と凄まじい歓声がステージに押し寄せる。客席のレスポンスの速度には毎度驚かされるが、土地柄だろうか、大阪は一段と素早い気がする。

「そやけど、あれやな。水着もええけどオマエらの本性が見たいな。なんか大阪はすごいらしいなぁ? 君らはいちばんになりたくないんか。それなりにいいライヴはできるけど、でもいちばんを作ることもできるで? どないや、君たち次第やぞ。やれまっか!」

挑発するHYDEに負けじとオーディエンスが唸りを上げる。「AHEAD」から「ANGEL TRIP」へとアッパーにドライヴし、「TROUBLE」で踊りはじけた直後、「COUNTDOWN」になだれ込んで揺さぶりをかけるのも実にジェットコースター的だと思った。さすが百戦錬磨、一筋縄で終わらせない気概がいかにもVAMPSらしい。

この日、印象的だったことがふたつある。ひとつは会場全体にすっかりVAMPSが染み込んでいるという実感だ。逆にいえばZEPP NAMBAという会場のムードがVAMPSのものになっている、ということにもなろうか。ステージ上のメンバーもオーディエンスも同じものを共有して、包み包まれている感覚がたしかにあった。これが籠城型の魅力なのだろう。この会場で育まれ、醸し出された一体感が音にも滲む。刻々と成熟する音楽、VAMPSのライヴだからこそ味わえるリアルな面白さだ。

もうひとつはHYDEとK.A.Zのコントラスト。ますます雄々しく、たくましくなったHYDEの声はもはや喉から出ているだけのものではなく、彼の分身、あるいは彼そのものと思わせるほどに生々しく肉感的で、ゆえに、これまでは盤石の演奏に支えられ、自由奔放に猛っていた彼が、この日は彼自らが率先してステージを引っ張ろうとしているように見えた。対照的にK.A.Zのプレイはいつになくかったつで、何か解き放たれたようなスケール感と我が道を行くタフネスをたたえていた。お互いが寄り添い、補い合うのとは異なる独立独歩なたたずまい。文字通り、両雄並び立つ迫力の光景に背筋がざわつく。もしかするとVAMPSの真の本領発揮はここからなのかもしれない。なんとそら恐ろしいことか。

いずれにせよ、ツアー後半戦を前にいよいよ彼らから目が離せなくなったのはたしかだ。進化するステージ、彼らの音楽、そして一挙手一投足。予感と期待に焦れながら、そのすべてを見届けたい。

取材・文◎本間夕子 撮影◎田中和子

<VAMPS LIVE 2013>
2013年7月26日@ZEPP NAMBAセットリスト
1.KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver.-
2.MADE IN HEAVEN
3.VAMP ADDICTION
4.RUMBLE
5.GET UP
6.REPLAY
7.DEVIL SIDE
8.REDRUM
9.PIANO DUET
10.TIME GOES BY
11.AHEAD
12.ANGEL TRIP
13.TROUBLE
14.COUNTDOWN
15.MIDNIGHT CELEBRATION
16.MEMORIED
17.HUNTING
18.LOVE ADDICT
19.SEX BLOOD ROCK N' ROLL



レーベル移籍第1弾両A面シングル
「AHEAD / REPLAY」
2013.7.3. OUT
UICV-9034 / UICV-9035/ UICV-5022
【初回限定盤A(CD+DVD)】UICV-9034 \1,600(税込)
1.AHEAD ※Xperia UL CMソング
2.REPLAY ※ダークシリーズ最新作「ダークラビリンス」メインテーマ
3.AHEAD (Instrumental)
4.REPLAY (Instrumental)
<DVD>
AHEAD Music Video

【初回限定盤B(CD+DVD)】UICV-9035 \1,600(税込)
1.REPLAY ※ダークシリーズ最新作「ダークラビリンス」メインテーマ
2.AHEAD ※Xperia UL CMソング
3.REPLAY (Instrumental)
4.AHEAD (Instrumental)
<DVD>
REPLAY Music Video
ダークラビリンス Trailer Movie

【通常盤(CD)】UICV-5022 \1,200(税込)
1.AHEAD ※Xperia UL CMソング
2.REPLAY ※ダークシリーズ最新作「ダークラビリンス」メインテーマ
3.AHEAD (Instrumental)
4.REPLAY (Instrumental)

※3タイトルJ写違い
※初回盤Aには、「AHEAD」のMVと、Xperia UL CM映像等を収録したDVD付!
※初回盤Bには、「REPLAY」のMVと、ダークシリーズ最新作ゲームアプリのTrailer Movie等を収録したDVD付! 更に初回盤Bのみ封入特典として、上記ゲームアプリ内のレアモンスター・レアアイテムをダウンロード出来るシリアルコード封入!
※各商品別に1枚のVAMPS CHANCE応募シリアルナンバーを封入(シリアルナンバーA・B・Cの全3種類)
※初回盤A, Bには、それぞれタイアップ楽曲のMVとCMメイキング等を収録したDVD付!

<VAMPS LIVE 2013>
■東京 ZEPP DIVERCITY TOKYO -7Days-
6月28日(金)ZEPP DIVERCITY TOKYO
6月29日(土)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月01日(月)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月02日(火)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月04日(木)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月06日(土)ZEPP DIVERCITY TOKYO
7月07日(日)ZEPP DIVERCITY TOKYO
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888
■名古屋 ZEPP NAGOYA -5Days-
7月10日(水)ZEPP NAGOYA
7月11日(木)ZEPP NAGOYA
7月13日(土)ZEPP NAGOYA
7月14日(日)ZEPP NAGOYA
7月16日(火)ZEPP NAGOYA
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
■大阪 ZEPP NAMBA -7Days-
7月19日(金)ZEPP NAMBA
7月20日(土)ZEPP NAMBA
7月22日(月)ZEPP NAMBA
7月23日(火)ZEPP NAMBA
7月25日(木)ZEPP NAMBA
7月26日(金)ZEPP NAMBA
7月28日(日)ZEPP NAMBA
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888
■福岡 ZEPP FUKUOKA -2Days-
8月31日(土)ZEPP FUKUOKA
9月01日(日)ZEPP FUKUOKA
[問]キョードー西日本 092-714-0159
■札幌 ZEPP SAPPORO -2Days-
9月22日(日)ZEPP SAPPORO
9月23日(月・祝)ZEPP SAPPORO
[問]問い合せ:マウントアライブ 011-211-5600
開場 18:00 / 開演 19:06(全日程)

<VAMPS LIVE 2013>追加公演
■東京 ZEPP TOKYO(全日程)
9月04日(水)*VAMPADDICT ONLY
9月05日(木)*VAMPADDICT ONLY
9月07日(土)*BEAUTY AND THE BEAST
9月08日(日)*UNDER 20 ONLY
9月10日(火)
9月11日(水)
9月13日(金)*VAMPADDICT ONLY
9月14日(土)
9月17日(火)
9月18日(水)
*VAMPADDICT ONLYはオフィシャルファンクラブVAMPADDICT限定公演
*BEAUTY AND THE BEASTは男性と女性のフロアを分けた公演
*UNDER 20 ONLYは公演日に20歳未満の方を対象とした公演

■<VAMPS LIVE 2013 「BEAST PARTY」>
2013 年8月10 日(土)11 日(日)
山梨県 山中湖交流プラザ きらら
山梨県南都留郡山中湖村 平野479-2
休憩エリア開放時間 10:00~21:00
開場時間 16:00 / 開演時間 17:30
スタンディングブロック指定 6,660 円(税込)当日券 7,160 円
スタンディングブロック指定(特典付) 8,500 円(税込)*FC 先行限定

◆VAMPS 2013年海外公演
9.28[土]バルセロナ(スペイン)@APOLO
10.1[火]パリ(フランス)@Olympia
10.3[木]ベルリン(ドイツ)@KESSELHAUS
10.7[月]ロンドン(イギリス)@O2 Academy Islington

◆VAMPS BEST ALBUM『SEX BLOOD ROCK N' ROLL』
2013年秋発売決定!世界に向けて全英詞で再レコーディング!詳細後日発表!

◆VAMPS オフィシャルサイト
◆VAMPS レーベルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報