【インタビュー】Salley「春先から夏にかけてのイメージがすぐに浮かぶような曲。最初からすごい好きな曲でした」
デビュー曲「赤い靴」が、いきなりヒット。さわやかなギターポップの疾走感、アコースティック楽器の豊かな音色、どことなく漂うアイリッシュ・トラッド的な哀愁、そして日本のポップスの王道をゆく親しみやすいメロディ…と、多くの魅力を散りばめたその音楽を、天性のヴォーカリスト・うららのほっこりと伸びやかな歌声と共に聴く至福の時。TOWER RECORDS限定シングルとしてリリースされる新曲「green」は、前作よりもさわやか度をさらにアップして、より多くの人の心をとらえるに違いないみずみずしい曲になった。
◆Salley「green」~拡大画像~
■「私が歌うことでもっといい曲になる」という
■自信と自覚はあるし責任もあります
──前作が「赤い靴」で、今回が「green」。色つながりなのは、ひょっとして深い意味が…。
うらら:ないです(笑)。最近よく言われるんですけど。
──次が「イエローなんとか」とか(笑)。
うらら:私の癖で、頭の中で空想する時に、色が浮かびやすいんです。「こういう色の、こういう場所にいて…」とか。「赤い靴」の時は、真っ暗な中に私一人が立っていて…というところから始まったし、「green」は、緑が青々と茂り始める、みずみずしい緑の風景が浮かんだし。そういうふうに、色をつけることが多いんです。それがたまたま続いてしまったので、これから全作色で攻めようとか、そういうのはないです(笑)。
──まさにみずみずしい、さわやかでウキウキする曲ですけど、この「green」ができたのは?
うらら:おととしの、秋ぐらいかな? 最初に出会って、「赤い靴」ができて、そのアレンジが暗くて(笑)。当時はそれがカッコいいと思ってたんですけど、スタッフの心に響かなかったので(笑)。そこで上口くんが、「じゃあ次はこういうふうにしたらいいのかな?」ということで、生まれた曲。「赤い靴」が(一時的に)お蔵入りになったことで、できた曲です。
上口浩平(以下、上口):逆に言うと、「赤い靴」がお蔵入りになってくれたおかげで、まったくベクトルが違う方向を向けたというか、とりあえず、さわやかな感じの楽曲にしてみようと。あとは、シャッフルのほうがうららに合うなと思って、そういうリズムを基本にして楽しく作っていく、みたいな感じでしたね。メロディは、早かったです。
──うららさん。曲を聴いた第一印象は?
うらら:本当にそのままです。「green」でした。「緑っぽい歌だ」と思って、「あったかくなるぞ、夏が始まるぞ」という気持ちを歌にしたいなって、春先から夏にかけてのイメージがすぐに浮かぶような曲でしたね。最初から、すごい好きな曲でした。
──大人の人たちにも気に入っていただけて。
上口:あ、そうですね。わりといい反応だったような記憶です。
うらら:その前に一回落としてるからね(笑)。
上口:家で録音していくうちに、トリハダ立ちながら「いいな、いいな」とか言いながら、ひとりニヤニヤしながら作っていました。
──そういうこと、多いんですか。
上口:えっと、そうですね。バシッ!とハマッた時には、けっこう独り言は多いです。「やった!」とか。
うらら:そういう時に、メール送ってくるんですよ。
上口:うららが歌うことで、やっと曲が完成されると思っているんですよ。僕は前に、男ヴォーカルのロックバンドを組んでいたんですが、そのバンドではメジャーに行けなくて。具体的にはわかんないですが、超えられない楽曲の壁というか、「いまいち楽曲がくすんでるな」という印象があったんです。その時は全力で作ってるんですけどね。でもうららが歌うことで、やっとヴォーカリストに歌ってもらったというか、やっと楽曲が完成するということを初めて体感して。曲を作る人間としては、その瞬間が一番うれしいというか、「子供が生まれたー! やったー!」みたいな感じで、それでたまにメールを送っちゃうんですけど。「ありがとうございます」という気持ちで。
うらら:「今回もいい声ですね」とかいうメールが、いきなり深夜に来たり、朝方に来たり(笑)。
──子供が生まれたお父さんの気持ちみたいな。
うらら:なったことないのに(笑)。
上口:ちゃんと昔からヴォーカリストとして歩んできた人の声じゃないと、完成できない領域があるというか、この声だから完成するメロディというか…何て言うのかな、たとえばオーケストラのストリングスの旋律は、ギターで弾いても何か違うな?ってなるじゃないですか。音符は一緒だけど。やっぱりあれは、オーケストラのダイナミクスや音の質感で完成されるものだと思うんですが、それとまったく同じ感覚で、うららが歌うことで、「このメロディはこの声に一番ハマるんだな」と。それは今でも模索中なんですが、たまにバシッ!と合うことがあって、その時はすごくうれしいです。
──うららさんのほうは?「自分が歌うことで上口くんの曲は完成する」という自覚は。
うらら:あります。上口くんが歌っているデモを聴いているのは、ほぼほぼ私だけなんですけど。「いい曲だな」というよりは、「これは私が歌うことによって、もっといい曲になる」という自信があるので。その自覚はあるし、責任もあります。
上口:最近特に思うんですが、たとえばサザンの「TSUNAMI」は、いろんな人がカラオケで歌っても「いい曲だな」ってなる。やっぱり桑田さんのあの声だからいいなと僕は思っていて。ただ良いメロディラインをつなげていくだけじゃなくて、歌い手とメロディとのマッチングもきっと必要なんだなって、うららとやることで初めてわかりました。
◆インタビュー(2)へ
◆Salley「green」~拡大画像~
■「私が歌うことでもっといい曲になる」という
■自信と自覚はあるし責任もあります
──前作が「赤い靴」で、今回が「green」。色つながりなのは、ひょっとして深い意味が…。
うらら:ないです(笑)。最近よく言われるんですけど。
──次が「イエローなんとか」とか(笑)。
うらら:私の癖で、頭の中で空想する時に、色が浮かびやすいんです。「こういう色の、こういう場所にいて…」とか。「赤い靴」の時は、真っ暗な中に私一人が立っていて…というところから始まったし、「green」は、緑が青々と茂り始める、みずみずしい緑の風景が浮かんだし。そういうふうに、色をつけることが多いんです。それがたまたま続いてしまったので、これから全作色で攻めようとか、そういうのはないです(笑)。
──まさにみずみずしい、さわやかでウキウキする曲ですけど、この「green」ができたのは?
うらら:おととしの、秋ぐらいかな? 最初に出会って、「赤い靴」ができて、そのアレンジが暗くて(笑)。当時はそれがカッコいいと思ってたんですけど、スタッフの心に響かなかったので(笑)。そこで上口くんが、「じゃあ次はこういうふうにしたらいいのかな?」ということで、生まれた曲。「赤い靴」が(一時的に)お蔵入りになったことで、できた曲です。
上口浩平(以下、上口):逆に言うと、「赤い靴」がお蔵入りになってくれたおかげで、まったくベクトルが違う方向を向けたというか、とりあえず、さわやかな感じの楽曲にしてみようと。あとは、シャッフルのほうがうららに合うなと思って、そういうリズムを基本にして楽しく作っていく、みたいな感じでしたね。メロディは、早かったです。
──うららさん。曲を聴いた第一印象は?
うらら:本当にそのままです。「green」でした。「緑っぽい歌だ」と思って、「あったかくなるぞ、夏が始まるぞ」という気持ちを歌にしたいなって、春先から夏にかけてのイメージがすぐに浮かぶような曲でしたね。最初から、すごい好きな曲でした。
──大人の人たちにも気に入っていただけて。
上口:あ、そうですね。わりといい反応だったような記憶です。
うらら:その前に一回落としてるからね(笑)。
上口:家で録音していくうちに、トリハダ立ちながら「いいな、いいな」とか言いながら、ひとりニヤニヤしながら作っていました。
──そういうこと、多いんですか。
上口:えっと、そうですね。バシッ!とハマッた時には、けっこう独り言は多いです。「やった!」とか。
うらら:そういう時に、メール送ってくるんですよ。
上口:うららが歌うことで、やっと曲が完成されると思っているんですよ。僕は前に、男ヴォーカルのロックバンドを組んでいたんですが、そのバンドではメジャーに行けなくて。具体的にはわかんないですが、超えられない楽曲の壁というか、「いまいち楽曲がくすんでるな」という印象があったんです。その時は全力で作ってるんですけどね。でもうららが歌うことで、やっとヴォーカリストに歌ってもらったというか、やっと楽曲が完成するということを初めて体感して。曲を作る人間としては、その瞬間が一番うれしいというか、「子供が生まれたー! やったー!」みたいな感じで、それでたまにメールを送っちゃうんですけど。「ありがとうございます」という気持ちで。
うらら:「今回もいい声ですね」とかいうメールが、いきなり深夜に来たり、朝方に来たり(笑)。
──子供が生まれたお父さんの気持ちみたいな。
うらら:なったことないのに(笑)。
上口:ちゃんと昔からヴォーカリストとして歩んできた人の声じゃないと、完成できない領域があるというか、この声だから完成するメロディというか…何て言うのかな、たとえばオーケストラのストリングスの旋律は、ギターで弾いても何か違うな?ってなるじゃないですか。音符は一緒だけど。やっぱりあれは、オーケストラのダイナミクスや音の質感で完成されるものだと思うんですが、それとまったく同じ感覚で、うららが歌うことで、「このメロディはこの声に一番ハマるんだな」と。それは今でも模索中なんですが、たまにバシッ!と合うことがあって、その時はすごくうれしいです。
──うららさんのほうは?「自分が歌うことで上口くんの曲は完成する」という自覚は。
うらら:あります。上口くんが歌っているデモを聴いているのは、ほぼほぼ私だけなんですけど。「いい曲だな」というよりは、「これは私が歌うことによって、もっといい曲になる」という自信があるので。その自覚はあるし、責任もあります。
上口:最近特に思うんですが、たとえばサザンの「TSUNAMI」は、いろんな人がカラオケで歌っても「いい曲だな」ってなる。やっぱり桑田さんのあの声だからいいなと僕は思っていて。ただ良いメロディラインをつなげていくだけじゃなくて、歌い手とメロディとのマッチングもきっと必要なんだなって、うららとやることで初めてわかりました。
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