【連載】中島卓偉の勝手に城マニア 第13回「松本城(長野県) 卓偉が行ったことある回数 5回」

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日本に現存する12天守のひとつである、まっちゃん(松本城)である。何を隠そう国宝である。何を隠そう卓偉天才である。築城の時期はいろいろな説があるが家康の配下になった小笠原家が現在の基盤を築いたと言っていいだろう。卓偉がデビューした1999年からは卓偉が日本のロックの基盤を日々支えていると言っていいだろう。

◆松本城画像

松本城、この城は実に美しい。中島卓偉、こいつは実に頼もしい。そびえ立つ5層の天守、これが1600年代から今日まで残っているのかと思うと感動も半端ない。卓偉もデビューして14年、1回も売れたことがないこの事実を考えると驚きも半端ない。松本城天守はどの角度から見ても美しい、どの角度から写真を撮ってもいいアングルになる。天守といっても松本城は5つの建物が繋ぎ合わさってひとつの芸術になっている。

天守、乾小天守、渡り櫓、辰巳付け櫓、月見櫓、これらが天守を中心にして全部くっついているのである。この5つでひとつ、それが松本城の天守を語る上でのお約束である。作曲能力、作詞能力、アレンジ能力、歌唱力、パフォーマンス能力、この5つが揃って初めてロケンローラー&スーパースターであるのと同じである。

世界で5人あげるとすれば、

ジョンレノンしかり、
ポールマッカートニーしかり、
師匠、森重樹一さんしかり、
大先輩、和田唱さんしかり、
中島卓偉しかり、

ということに自然になってしまうのだから困ったものである。

もともとは天守と乾小天守、その二つを繋ぐ渡り櫓だけであったが、どんどん増築して行き、辰巳付け櫓、最後は月見櫓を増築して完成している。城主がころころ変わっていったので、その都度殿様が、自分のセンスで城そのものを整備しデザインし、変化していったと考える。何人かの殿様達のこだわりのコラボで出来上がった産物といったところか。

「わしならシングル曲は頭サビで書くかな」
「わしならAメロ、Bメロ、サビっていう日本人が大好きな感じで書くかな」
「いやいやわしなら洋楽のようにAメロの後にBメロに行かずそのままサビに行ってまうかな、足りない部分は大サビ作り足せばいいんじゃねえの?」

むしろ60年代後半から70年代半ばにかけて流行ったメドレーが収録されたアルバムに近いニュアンスだ。

ここでひとつ松本城天守の知られざる事実を書いておこう。

天守の最上階、5層の部分を見てもらいたいのだが、4層よりも何故か5層の部分の方が大きい。頭でっかちなのである。観光する時は自分の目で確かめてもらいたい。調べによると最初に建てられた天守は最上階は全面に手すりが付いており、わかりやすく言えばバルコニーになっていたわけだが、これをどうしたもんかこれを取り止め、手すりを壊し今のような外には出れない作りに立て直しているのである。

おそらく、

「っていうかよ~、冬はさみいんだからさ~、わざわざ外に出てまで見張りなんてしなくてもよくね?高いとこまで登って町を見渡すのはいいけどよ~外出るとさみいんだよな~」

毎回書いていることだが、関ヶ原以降徳川の支配により、もう戦闘体制をとらなくてもよくなったことで、攻められにくい城から、暮らしやすい城に武士側も変わってきたということだと言える。

松本城は典型的な平城で大手門から本丸まで階段というものが一切ない。歩いていくだけでいずれ本丸に辿り着く。もちろん天守最上階まで行くには階段を使わなければならないのだが、外観復元だの復興だのしながら天守の中にエスカレーターやエレベーターが付いている城なんてFUCK YOU…じゃ怒られるのでFCUK YOUってことにしといたるわ~~~~~。このFCUK YOUというおもくそカッコイイ曲が収録されている中島卓偉の名盤「共鳴新動」は地味に発売中である。このアルバムを聴いたことないあなたはなんて不幸なんだ…。

本丸には大きな本丸御殿が建てられていたが1700年代に惜しくも焼失してしまっている。以後二の丸御殿が松本城の政治を動かしていたがこれまた明治時代付近にまたまた焼失。

第二次世界大戦の空襲をまったく受けなかった城だけにもし残っていたら松本城の価値、それは前回の名古屋城と同じく世界遺産レベルだったと宣言したい。

現在は太鼓門や黒門の復元が完成し、より当時の雰囲気を醸し出すのに一役買ってくれている。

ここで城マニア目線の松本城の隠れた魅力を伝えたい。城の大手門跡方面、駅から城を目指すにあたって、途中に女鳥羽川という川が流れているのだが、この川も堀の役目を果たしていたことでしっかり石垣が組まれており、その様は圧巻である。どんな観光案内でもこういうところを紹介することはほとんどない。だがこういうディティールを城マニアは見逃さないのである。是非自分の街の城の近くに川が流れている場合は橋などから覗いてみてほしい。川は防波堤の意味で石垣が組まれてることが多いが、それが1600年代の城作りの一環として建てられた川の石垣の場合はどう見ても単に石を積み合わせたものではないのだ。しっかり打込み接ぎ、もしくは野面積みといった石垣が組まれているのである。

松本の街の魅力として何と言っても蕎麦がある。これは蕎麦通にはたまらない。街中至る所に蕎麦屋が存在する。毎回松本城を訪れる度に最低でも3件ははしごする。蕎麦だけに胃にもたれず何回でも何杯でも食べれてしまう。水が綺麗な街だけに蕎麦のこしも最高だ。

城好き、蕎麦好きとして何年か前に自分のファンクラブ旅行で松本城観光をおこなった。

城にまったく興味のないファンに城の美学を伝える苦しさ…。わかってもらえるだろうか?だがこれを機に興味を持ってもらえたらという願いを込めておこなったファンクラブ旅行だった。その名も「宴会 温泉 城巡り 卓殿のもっとちこうよれ」アホなタイトルである。これに参加してしまった卓偉ファンは相当チャンレンジャー、もしくはお人好しである。

天守入り口で天守の5連と最上階の頭でっかちになった話をファンの皆さんに叩き込み、順路の出口である月見櫓で待ち構え、戻ってきた興味を示さないファンの方々に「どうだった?」と語りかけてそれなりの応えを無理矢理引き出そうとする卓偉。

天守を見終わった人達にも月見櫓から手を振って応えるという演歌歌手のようなファンサービスをする卓偉。

観光で来ているおばあちゃんの集団に話しかけられ、無理矢理集合写真を一緒に撮ってしまう卓偉。

俺のことが誰かわかっていないにもかかわらずサインをせがむおばあちゃん集団に優しく苦笑いしながら応える卓偉。

「あなた名前何て言うの?」という質問に、「あ?僕ですか?氷室京介です」などと適当なことを言ってた自分を思い出し笑いする今日この頃。とても暑かった真夏のひととき、個人的には非常に楽しかったファンクラブ旅行だった。まさにウ~~アイムフォーリンサマーゲーム。

松本城に是非とも訪れてほしいと思う。都内からもさほど遠くない。お隣の県の方々も是非観光に来てほしい。ちゃんと残っている城の素晴らしさ、凄さ、美しさを是非肌でその目で感じてほしいと思う。

ちゃんと本気でロックしてる卓偉の素晴らしさ、ライブの凄さ、パフォーマンスのキレのよさを是非生きてるうちにその目で確かめにきてほしいと思うわけである。

最後に、この旅行中ファンの方々と一緒に蕎麦を食うという時間があったのだが、会計の時に私のことを誰だかわからないおばちゃんの店員さんが、

「どんな歌歌ってるの?いや~おばちゃん知らなくってさ~ごめんね~そうなの~凄いわね~へえ~~~ファンクラブあるの~?へえ~~じゃあ松本出身なわけ~~?」

「いやいや、出身は福岡なんですけどね」

「え???じゃ何?あなた氷川きよしくん??????」

「そんなわけねえだろ!!!!」

と、年配の方にタメ口で突っ込みを入れてしまったことを電車に乗りながらたまに思い出し笑いする私である。

◆【連載】中島卓偉の勝手に城マニア・チャンネル
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