<スペースシャワー列伝 ~第九十三巻 深更(しんこう)の宴~>、深い夜にいざなう3組が共演

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スペースシャワーTV主催のイチオシの新人アーティストイベント<スペースシャワー列伝>が、5月28日(火)にShibuya O-nestにて開催された。第93回を数えた今回、自分自身の闇の現に向かい合うような、深淵な世界観が特徴の3組が共演し、聴くものを魅了した。

◆<スペースシャワー列伝>画像

スペースシャワー列伝 ~第九十三巻 深更(しんこう)の宴~オフィシャルライブレポート

▲ハルカトミユキ
▲きのこ帝国
▲ゲスの極み乙女。
すべてのロックファンに向けて、スペースシャワーTVが自信をもってレコメンドするニューカマーのバンドが集うライブイベント<スペースシャワー列伝>。5月28日(火)に渋谷O-nestで開催された第九十三巻「深更(しんこう)の宴」には、ハルカトミユキ、きのこ帝国、ゲスの極み乙女。という、そのタイトルどおり濃厚な夜になること必至の3組がラインナップされた。

トップバッターを飾ったのは、バンド編成で登場したハルカトミユキ。切迫した歌詞世界と叙情的なメロディが心地よい緊張感をたたえて調和する1曲目「ドライアイス」で一気にオーディエンスを惹きつける。「ニュートンの林檎」ではスリリングなバンドサウンドとハーモニーを響かせ、未発表曲の「マネキン」ではハルカの静かに震えるヴォーカルとミユキのキーボードから放たれるノイズがせめぎあった。ラストの「Vanilla」まで、比類なき存在感を見せつけた。

2番手は、きのこ帝国。「足首」で静謐で冷たい音と歌の像を際立たせると、 続く「WHIRLPOOL」ではそこに柔らかな気配を差し込み、一転して「国道スロープ」でストレートなギターロックを疾走させる。漆黒の闇とそれをかき消すような恍惚のサウンドスケープを生み出した「ユーリカ」、そして、きのこ帝国が描く生と死のロック、その鮮烈さをまざまざと浮き彫りにした「夜が明けたら」はただただ圧巻だった。ラストの「明日にはすべてが終わるとして」が鳴り止むと大きな拍手が沸き起こった。

トリを務めたのは、ゲスの極み乙女。。MC.Kことindigo la Endの川谷絵音が中心となって結成されたこのバンドは、今年3月に初の全国流通盤『ドレスの脱ぎ方』をリリースしたばかりだが、プログレッシヴで中毒性にまみれたその音楽性が耳の早いリスナーの話題を集めている。ニューウェーヴ色の強いトリッキーなサウンドアプローチが印象的な「song3」でフロアの熱気を上昇させる。ジャジーなピアノと絶妙な緩急をつけるリズム隊によるアンサンブル、スポークンワーズにも近いフロウを帯びた挑発的なラップ、ポップに突き抜けるサビがドラマティックに融合した「ぶらっくパレード」や現時点での代表曲といえる「ドレスを脱げ」など、本編は全6曲を披露。そして、アンコールはメンバーがフロアに向かって小袋包装された何十個もの餅を投げ込んだ新曲「餅ガール」で締め、「深更の宴」は大盛り上がりのなか幕を閉じた。

なおこのライヴの模様は、6月28日(金)24:00~25:00の1時間、スペースシャワーTVにてオンエアされる。

Text by三宅正一(ONBU)

ハルカトミユキ
1.ドライアイス
2.ニュートンの林檎
3.マネキン(未発表曲)
4.MONDAY
5.絶望ごっこ
6.プラスチック・メトロ
7.Vanilla

きのこ帝国
1.足首
2.WHIRLPOOL
3.国道スロープ
4.ユーリカ
5.風化する教室
6.退屈しのぎ
7.夜が明けたら
8.明日にはすべてが終わるとして

ゲスの極み乙女。
1.song3(新曲)
2.モニエは悲しむ
3.ぶらっくパレード
4.スレッドダンス(新曲)
5.ホワイトワルツ(新曲)
6.ドレスを脱げ
en.餅ガール(新曲)

<スペースシャワー列伝 ~第九十三巻 深更(しんこう)の宴~>オンエア
スペースシャワーTVオンエア
初回放送:6/28(金)24:00~25:00
リピート:7月予定
出演:きのこ帝国、ハルカトミユキ、ゲスの極み乙女。(5月28日(火)@Shibuya O-nest)

www.spaceshowertv.com/retsuden
Twitter:@retsuden_sstv
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