【インタビュー】CLIFF EDGE「プレッシャーとか痛みとかがあってこその僕らの音楽なんじゃないかなってなんとなく思っています」
メジャーデビューから5年となるCLIFF EDGEが、その活動の集大成となるベストアルバム『THE BEST~You're the only one~』を5月15日にリリース。初回盤は、これまでにリリースしてきたシングル曲を中心に、配信シングル、新曲などを収録したDISC1と、他のアーティストへのコラボ参加曲からセレクトしたDISC2、ミュージッククリップをすべて収録したDVDのDISC3という三枚組の豪華版。このアルバム同様、インタビューからも、彼らが歩んで来たヒストリーを感じて欲しい。
■意識するとか得意って思い込むのは大事ですよね
■CLIFF EDGEを始めたのも勘違いからだったし(笑)
――CLIFF EDGE、デビュー5周年ですが、実感は?
JUN:本当に早かったなぁと。5年ってこんな感じかっていう、一つの単位にしちゃいけないんだろうなっていうくらい早かったですね。デビュー当初が昨日のことのように思い出せるし。かと言って、成長した上澄みっていうのが自分としてもチームとしても実感できるので、そういう意味では長かったって感じる部分もあるし。
――端から見てても濃い5年だった感じがしますよ。
JUN:そうですね。その言葉が一番適切なのかもしれない。
SHIN:メジャーデビューがCLIFF EDGEの曲が全国で流れ出すきっかけだったんですが、そこからいろいろ旅をして、全国の人たちと繋がって、土地土地で人の性格や性質もぜんぜん違ってたりして。セットリストにしても大阪だったらこう、仙台だったらこうっていうのもできていったんです。スキル面もそうですが、プロとしての自分たちもそうやってできていったのかなって思います。このベストのタイミングでまさに次のCLIFF EDGEも見えて来た。ベストを聴いてると、ラップしてるわ、歌ってるわ、いろんなことをしていますよね。プロとして第二幕の幕開けっていうタイミング。
DJ GEORGIA:この5年間で自分の立ち位置が明確になったと思うんですよ。デビュー前ももちろんありましたが、ここ2~3年で。「俺はこうすべきなんだ」っていうのがわかった感じがします。5年間、いろいろありましたが、時間としてはまだ5年なんだっていう部分もあるし。この2年は、三者三様でそれぞれの分野で、それぞれが責任を持って、役割を任せられる関係性が強まったような気がしますし、そうなったことが嬉しいですね。
――ベストを聴くと、作品の中でもそれぞれの役割ができ上がっていったり、試行錯誤しているところも垣間見えますね。
SHIN:そうですね。こういうところはJUNが作ったほうがいいんじゃないかとか、制作の中で役割分担ができ上がりましたね。俺の場合は、Dメロの女の子との掛け合いをSHIN作ってって頼まれて、「こういうの得意だよね」って言われると、「あぁ、俺、得意なんだ!」って小躍りしながら「でしょ?」ってなって、良いのができていった。そういうのは大事ですよね。意識するとか、得意って思い込むとか。だいたい、CLIFF EDGEを始めたのも勘違いからだったし(笑)。
――そうでしたね(笑)。でも、勘違いで始めて、どんどんその気になって5年続けるってすごいことですね。しかも、JUNくんとSHINくんの出会いから考えるともっともっと付き合いは長いですよね。
SHIN:17歳のときからですからね。
JUN:そもそも遊び友達ですよ。
――まさか同じグループで人生を共にするとはって感じですよね。
SHIN:いや、ホントに。
DJ GEORGIA:俺が入ってからも、もう10年ですからね。
SHIN:一昨日くらいに、DJ GEORGIAと出会ったバーを経営してた方から電話がかかってきたんですけど、その人といまだに連絡をとっていることにも感動ですよ。話していると、当時のDJ GEORGIAも思い出すんですよね。
DJ GEORGIA:俺、当時、B-BOYでしたよね?
SHIN:そうだね(笑)。
――CLIFF EDGEという名前自体が「崖っぷち」という意味で、現在も「崖っぷち」から音楽を発信し続けるというスピリットは変わっていないわけですよね。現在、三人の「崖っぷち観」ってどんな感じですか。
JUN:実は今が一番、崖っぷちな気持ちが大きいかもしれないですね。ここまではいろんなアイデアを初期衝動として作ることができていたが、ここからは熟成させて曲を作っていくことが多くなると思うんです。それぞれの可能性がどんどん明確化して、役割も出来上がって来て、もちろん進化していくけど、自分にできることが明確になったからこそ、それをもっと深く掘り下げて、より良いものを提供していくっていう。そう考えると、制作においての苦労が増えていくんだろうなってなんとなく思うんです。そういったものがないと前に進めない性質だったりもするんで。自分が一番幸せのど真ん中に立たされたときに自然と湧いてくるメロディって、ひょっとしたらないのかもしれない。何かプレッシャーとか、痛みとかがあってこその僕らの音楽なんじゃないかなっていうのはなんとなく思っていますね。
――崖っぷちにいるっていう危機感みたいなものが制作においては大事なんですね。
JUN:ですね。必須ワードというか。
――ある意味、今って、CLIFF EDGEとしての形が決まってきたからこそ、これからは逆に壊していく作業でもある?
JUN:そうですね。たぶん曲の神髄は変わらないと思うんですが、その伝え方っていうのは、まさに壊して、また新たなものを作っていくことをしたいっていう気持ちが沸々と湧いている。だからこそ、このタイミングでベストを出したかったというのはありますね。
――今までのものを並べてみたことで、また必要なものも見えました?
JUN:はい。今までの曲を並べて、より可能性が見えた。初期の頃から今の曲までの進化と。逆に前の曲って、今じゃ作れないなって。
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