【ライブレポ―ト】Mayday×flumpool、<TOKYO FM &JFN present EARTH × HEART LIVE 2013>で「国と国を超えた最高の一日にしましょう!」
「いつか一緒のステージに立ちたいって、メチャクチャ夢見てました!」。アンコールで再登場したMaydayの面々を前にして、flumpoolのボーカリスト・山村隆太は、心の底から感慨深げに、そう述べた。
◆Mayday×flumpool ライブ画像
TOKYO FMをはじめとするJFN38局の主催により、1990年から毎年行われている、環境保全を目的としたコンサート。24年目の今年は、近年の急速な経済発展により厳しい環境問題に直面しているアジア圏へのメッセージを発信すべく、日本と台湾から縁の深い二つのロックバンドを招いて開催された。
本イベントの趣旨を訴えるビデオに続き、ステージに現れたのはMayday。本国では数万人クラスのアリーナライブが中心のMaydayが、キャパシティ3500のホールで観られるとあって、海外からも多くのファンが来場。ロビーでは中国語が飛び交い、客席のそこかしこでは青いサイリウムも振られていたが、そんな熱烈なファン心理も圧倒的なライブパフォーマンスを見れば即座に納得できた。ソリッドなギターが牽引する骨太なロックチューンに、何よりボーカル・阿信の鋭い目がいい! そこに灯る確固たる意志の炎に惹き込まれ、アッパーな「孫悟空」での幕開けから、ハッピーな「終結孤單」、ファルセットも交えて妖しい「雌雄同體」と、多彩かつ芯の太い歌声とサウンドにすっかり魅了されてしまう。
「今日はflumpoolとNHKホールでコンサートできてうれしいです。一番うれしいのは、みなさんと会えたことです」と阿信が日本語で語れば大歓声が沸き、バラード「知足」での絶唱には拍手喝采。「乾杯」では人間の一生を描いたMVが舞台上のスクリーンに流れて涙を誘い、“人生都太短暫(=邦題:人生はあまりに短い)”と歌いながらオーディエンスと共に拳を振り上げる「OAOA」へと繋いで、大きな感動を呼ぶ。そこにあったのは儚いからこそ力強い、命の煌めきとしてのロックだ。
後半戦では、そのエナジーをフィジカルでも迸らせ、「戀愛ING」では場内から“L O V E!”の大合唱が。さらに、怪獣(G)がギターソロを狂おしくかき鳴らし、愛するが故に手放す男の包容力が心に沁みる「溫柔」を客席が共に歌う。各メンバーソロとコール&レスポンスでヒートアップさせたメドレーに、ラストの「離開地球表面」に到るとスクリーンに現れる“JUMP”の文字に合わせてフロント陣がジャンプ! ロックのアグレッションは大前提に、皆で歌えるキャッチーなメロディラインが際立たせるストレートなメッセージ性こそ、彼らの大きな武器である。それは中国語の歌詞と共に映し出されていた日本語の訳詞により、この日、日本人オーディエンスの心をも、しっかりと揺り動かした。これがワールドツアーをも行う中華圏モンスターバンドの底力なのである。
「今日は台湾や中国からも、たくさんの人が来てるってことで……大家好!」と山村が呼びかけると、場内からも返ってくる「大家好(=みなさん、こんにちは)」。さらに、阪井一生(Gt)も「我愛五月天!(=Maydayが大好きです)」と中国語でMCして、「できるんです、僕!」としたり顔を見せる。また、Maydayのライブと同じく、flumpoolの演奏中は中国語の訳詞がスクリーンに表示されており、“国と言葉の違いを超えたい”というイベントのテーマがそこからも感じられた。
その想いはバンド側も同じこと。「国と国を超えた最高の一日にしましょう!」と高らかに謳い上げ、ポップな「君をつれて」にアコギの響きも温かいバラード「春風」を挟んでの後半戦は、なんとYouTubeでも生中継。阪井と尼川元気(B)のコーラスに合わせて会場中が合唱する「Touch」、シャウトも交えてロック色の強い「ベガ〜過去と未来の北極星〜」、客席中がタオルを振る「イイじゃない?」と、モニター越しの視聴者にまで届くように、いっそう熱の籠ったパフォーマンスを展開してゆく。中でもハッとさせられたのが、最後に演奏された「星に願いを」。汗だくでギターをかき鳴らしながら、顔をゆがめて“会いたくて”と歌う山村の姿に、スタイルは違えど阿信と同じく強いパッションと信念を感じ取ることができた。
ステージの去り際には、いわく「僕らの中でも一番自信のある曲が揃ってます」というニューシングルを初夏にリリースすることと、デビュー5周年記念日となる10月1日、2日に日本武道館で2daysワンマンを行うことも発表。「新しい道をみんなで踏み出したいから、自分の道に迷ってる人は、ぜひ来てください。絶対後悔させないから。2013年、この2日間にすべてをかけます」と、山村は頼もしい意気込みを語ってくれた。
そして、とんでもなくスペシャルだったのが、そこでMaydayのメンバーを呼び込んで行われたアンコール。「会場が綺麗です。お客さんも綺麗です」という阿信の中国語を山村が訳して順調な中国語習得状況を示すと、flumpool海外版アルバム『experience』で両バンドがコラボした2曲を初セッションする。まずはflumpoolの「証」に阿信が中国語詞を付けた「証明」を、続いて山村が日本語詞を付けたMaydayの「OAOA」を披露。日本語で歌うのは初めてということで「緊張(する)」と呟いた阿信に、台湾ライブぶりの中国語歌唱を聴かせた山村と、異国語で歌いあげた二人のボーカリストに大きな歓声と拍手が贈られた。
両バンドのファンが共に拳を振り上げ、演奏しながらメンバー同士が肩を抱き合って、歌い終えるとガッチリ握手を交わす。そんな感動的な光景を目にして、今日の“国を超えて絆を結ぶ”というテーマが単なる理想ではなく、実現可能な目標なのだということを確信することができた。そこで最も効果的な媒介となるのが音楽であるのは言うまでもない。音楽を通じて世界を繋ぎ、地球を守る――。人類共通の夢が、いつの日か叶うことを心から祈りたい。
文:清水素子
【SET LIST】
■Mayday
※( )は邦題
1.孫悟空(孫悟空)
2.終結孤單(孤独の終わり)
3.雌雄同體(Masquerade)
4.知足(満足な気持ち)
5.乾杯(乾杯)
6.OAOA(OAOA)
7.戀愛ing(恋愛ing)
8.溫柔(やさしさ)
9.OK啦(OKさ)→ 軋車(モーター・ロック)+メンバーソロ
10.離開地球表面(地球表面から離れる)
■flumpool
1.今年の桜
2.labo
3.Hello
4.君をつれて
5.春風
6.Touch
7.ベガ〜過去と未来の北極星〜
8.イイじゃない?
9.星に願いを
■Mayday&flumpool セッション
1.証明
2.OAOA
LIVE DVD&Blu-ray
『flumpool Special Live 2013“experience”at YOKOHAMA ARENA』
2013年4月24日発売
●Blu-ray盤
AZXS-1002 ¥6,700(税込)
Blu-ray(本編)+DVD(特典映像)
[DISC-1]本編(125分収録)
1.どんな未来にも愛はある
2.Touch
3.君に届け
4.Natural Venus
5.The great escape
6.今年の桜
7.証
8.僕はここにいる
9.Sprechchor
10.傘の下で君は…
11.two of us
12.覚醒アイデンティティ
13.Because... I am
14.reboot 〜あきらめない詩〜
15.プレミアム・ガール
16.イイじゃない?
17.星に願いを
18.Answer
19.花になれ
20.36℃
[DISC‐2]特典映像(67分収録)
初の台湾単独公演ライブ&ドキュメンタリー映像
3月1日、2日に開催した初の台湾単独公演「experience 台湾初体験」のライブ映像やバックステージでの様子に加え、現地のテレビ、ラジオ出演など、台湾でのメンバーの活動を記録したドキュメンタリー映像を収録
■収録楽曲
君に届け
Touch
花になれ
Over the rain 〜ひかりの橋〜
イイじゃない?
OAOA
●DVD盤
AZBS-1011 ¥5,700(税込)
DVD2枚組(本編+特典映像)
[DISC-1]本編(125分収録)
[DISC‐2]特典映像(67分収録)
※Blu-ray盤・DVD盤の本編、特典映像は同内容となります。
【先着予約購入特典】
experience オリジナルイヤホンコードホルダー
※DVD/ブルーレイ共に対象となります。
※特典数量に限りがありますので、無くなり次第終了となります。
※AMAZONほか一部のオンラインサイトやCDショップで特典が付かない場合があります。事前にご予約されるオンラインサイト/CDショップにご確認ください。
◆flumpoolオフィシャル
◆Maydayオフィシャルサイト
◆<TOKYO FM & JFN present EARTH × HEART LIVE 2013>特設サイト
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