【インタビュー】若手V系オムニバス盤『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』参加バンドインタビューVol.7【THEATER】

ポスト
激しいウネリの中から見えてくるメロディアスな歌と、感情を痛く吐き出した言葉たち。THEATERのライブに参加したとき、あなたはどんなドラマを、その物語から感じ取るだろうか?! そのバンド名が示すように、一つのドラマチックな作品を味わうのにも似た興奮と感動を“歌と演奏”を通して届けてくれるTHEATER。バンドが誕生してまだ7ヵ月。メンバー自身も語るように、まだまだ進化の過程の道を登り続けているバンドだ。でも、その中に光る個性や存在感を抱かせるからこそ、THEATERに今、注目の視線が集まっている。3月27日に発売となる渋谷REX制作によるオムニバス盤『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』へ、THEATERは「THE SPIRAL IRRITATION」を手に参加。3月25日に、渋谷REXを舞台に開催となるCD発売記念イベントにも登場する。これからの躍進が期待されるTHEATERの魅力を、ボーカルのSHOUICHI、ギターの尚矢、ベースの一麻を迎えお伝えしよう。

◆THEATER 画像

――THEATERは、セッションバンドからスタートしたと聞きました。

SHOUICHI:最初にカバー曲を軸に据えたセッション活動をしていく中、お客さんらが暴れられるオリジナル楽曲も混ぜながらやっていくうちに、本格的にオリジナル曲のみで勝負していこうという想いや、ちょうどギターが現在の尚矢に変わったことで、THEATERとして活動を本格化させようという形になりました。

――THEATERとして活動を始めたことによって、いろんな面で変化は生まれてきています?

SHOUICHI:活動の月日を重ねるごと遊べるようになってきました。最初は、どうしても確実にお客さんを獲得したかったことから狙った曲というか、“THEATERのライブに行くとこの歌で楽しめる”という定番曲ばかりを演っていました。その成果もあってか、固定のお客さんの付きが早かったこともあって、次第にミディアムやバラード系など楽曲の幅を広げながら遊べるようになってきてますね。

――音楽性の幅を広げるのは大切なことだ。

SHOUICHI:そうですね。THEATERの特徴としてあるのが、ライブで暴れられるアップテンポで激しい曲も多いのに、デスボイスやシャウト系ナンバーを用いることのない、どれもメロディアスな歌ばかりということなんですよ。

SHOUICHI:このメンバー、もともとJ-POP思考を持った人たちの集合体なんですよ。楽曲作りも、最初にアカペラでメロディから作っていき、メロディアスな歌はつねに心がけていること。万人受けしやすいその良さが強みというか。THEATERというバンド名のように、イベントやお客さんの傾向に合わせ、いろんな場面でライブという作品を描き出していけるところが、うちの強みなんで。

――どの楽曲もメロディアスでありながら。同時に、体感的な衝動もしっかり携えています。

SHOUICHI:現在は、頭を振りやすい曲調が8割なんですけど。中には同期音の多い、観てる側を錯覚へ陥らせる楽曲もあったり。と言っても、THEATERは誕生してまだ7ヵ月程度のバンドなんで、今は、理想とする形へどんどん近づけていく作業をしている段階なんです。

尚矢:THEATERって、お客さんとの距離感の取り方が上手いバンドなんですよ。ライブで何時も最後に演奏している「DRY PET」という楽曲では、みんなで手を繋いで一つになって盛り上がったり。そういうお客さんどうしで仲良く繋がっていくきっかけを作れるバンドって恰好いいじゃないですか。

――THEATERはまだ進化の過程とのことですが、でも、しっかり基盤は築いてきたんじゃない?!

SHOUICHI:正直、最初の2ヵ月程度でバンドの軸となるスタイルや、相応の動員を上げるまでの状況を作れたように、半年程度で第一段階まで進むのは早かったです。今は、そこから次へのステップへ進んでいくうえでの試行錯誤を繰り返しているところなんですよ。

一麻:THEATERの強みは、メンバーの結束力にもあるんで。

SHOUICHI:ある種、卓越したテクニックや表現力を持ったカリスマ的な存在がいるバンドではなく、本当に気心知れた仲の良いメンバーたちが集まり、みんなで協力しながら求める音楽性や夢を追い求め続けていく。そこが、うちらの強みなんですよ。僕とドラムの閨は、もともとJ-POP畑出身。一麻は、そこそこ大きい会場でライブを行うヴィジュアル系のバンドに所属していて、この世界のことが詳しいことから、彼からこのシーンのことはいろいろ教わってきたんですけど。そもそも、メンバーの半分がJ-POP畑出身ということもあって、楽曲制作面でもヴィジュアル系のスタイルにどっぷり浸していくことがない。結果的にそこが強みになってるというか。でも、一麻の発想がすごくいい刺激にもなっているのも確かなこと。

一麻:ヴィジュアル系って、発想の一つ一つが規格外じゃないですか。だから、お互いの育ってきた畑の良さを混ぜ合わせていくことで、いい規格外の味が生まれてゆく。そこがTHEATERの良さなんだと思ってる。

――そんな進化し続けているTHEATERですが、3月27日に発売となる渋谷REX制作によるオムニバス盤『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』へ、「THE SPIRAL IRRITATION」を持って参加しています。まずは、話をいただいたときの心境から聴かせてください。

SHOUICHI:僕ら、無料配布や企画制作した作品はあっても、正式な音源ってまだ1枚も出してないんですよ。と言うのも、僕らは“中途半端な活動状態のまま、そんなに枚数もはけない環境の中で作品を出しても意味がない”と思っているからなんです。それよりも今は、ライブ活動をしっかり演っていけば、それだけでも絶対にお客さんを惹きつけていけると思ってやってきたし、その成果も確実に現れ始めている。もちろん、何時かは正式な音源をリリースするつもりでいるけど、そこへステップしていくためのきっかけとして。しかも、よくお世話になっている渋谷REXの橋本プロデューサーからのオファーということもあって、今回は快く引き受けました。

――「THE SPIRAL IRRITATION」は、今のTHEATERにとってどんな位置をシメる楽曲なんですか?

SHOUICHI:「THE SPIRAL IRRITATION」を直訳すると“苛立ちの螺旋”。ちょうどこの曲が生まれた頃の自分たちが、先へ進んでいくうえでの葛藤というか苛立ちを抱えている時期だった。そんな頃に、渋谷REXさんの誘いから、昨年11月に行われたプチツアーへ参加。その時期の1曲目に必ず持ってきていたのが「THE SPIRAL IRRITATION」でした。自分らは、その苛立ちをぶつけるように作った曲とはいえ、この歌を頭に持ってきて演ると、ライブがすごく盛り上がっていくわけですよ。事実、この曲のおかげで、さらに自信を持つことも出来た。ならば、進化を求めている今のTHEATERを象徴するには最適な楽曲と思い「THE SPIRAL IRRITATION」の収録を決めました。

尚矢:THEATERの持ち歌の中で、定番というよりは雰囲気の違う楽曲なんですけど。むしろオムニバス盤の中では際立って見えてくることから、これが最適かなと。

一麻:この楽曲、ボリュームのレベルが一個違うだけで聞こえ方がぜんぜん違うんですよ。とにかく、低音はすげぇーハンパないと思ってる。しかもこの曲を制作していた頃は、バンドを進めていくうえでいろんな苛立ちや葛藤を覚えていた時期。その感情を、そのまんま詰め込めた曲にもなってるんで。

――あっ、そういう感情が、アグレッシブさも出たこの楽曲には詰め込まれているんだ。

一麻:その感情って、ただの嫉妬とも言うんだけど(笑)。

――現在は大きな進化の過程の中にいるTHEATERですが、今は、すべて自分たちの手で担っていこうという姿勢なんだよね。

SHOUICHI:そうなんです。変な話、事務所に入ればみんなが売れるかと言ったら決してそんなことはない。そこで“お願いします”と頭を下げてやっていくくらいなら、自分たちで出来るところまではセルフでやっていきたい。今は、その姿勢で活動をしてますね。

――3月25日には、渋谷REXで開催になる『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』のリリース記念イベントにも出演します。

尚矢:今回は、「カラオケの鉄人」さんでカラオケ配信も決定しているように、ライブやカラオケ店で、思い切り「THE SPIRAL IRRITATION」を唄って気持ちを発散してもらえたらなと思ってる。また、発売記念のライブに関しては、仲良くさせてもらってるバンドさんも多く出演することから、一緒に楽しみながらも、他のバンドさんたちには絶対に負けたくはないです。

一麻:僕はカラオケには行かないので、僕の変わりに、みんなにたくさん歌ってもらいたいです。3月25日のリリース記念イベントにしても、言ってしまえばCDって、ただのプラスチックな円盤じゃないですか。でも、その1枚に向けて、たくさんのバンドやスタッフさんたちが必死に頑張って作りあげている。その情熱に負けないだけのライブをTHEATERは見せていくんで。尚矢も言ってたけど、この日は知り合いのバンドさんも多いから、負けないように頑張るというか。きっとTHEATERよりも動員の多いバンドさんに、僕は嫉妬するかも知れない(笑)。

SHOUICHI:僕らまだ正式リリース作品がないぶん、よくブログを通して歌詞を掲載してるんですけど。THEATERって、うるさい曲を演ってそうに見えて、じつはメロディや歌詞にすごくこだわりを持っているバンドなんです。とくに歌詞は、聴いた人なりに頭の中で想像を膨らませていける内容で、それぞれに映画のようにイメージを膨らませてもらいたいなと思ってる。今回の「THE SPIRAL IRRITATION」は、ある種“反抗心”を出してる楽曲。とくに英詞の部分は、意味を調べて聴いて欲しい。そうすると“あっ、こんな想いがあってなんだ”というような、なぜこの音で、この歌詞で、この唄い方なのかという意味が見えてくるはず。とくに「THE SPIRAL IRRITATION」は、ライブでの一体感を求めていける楽曲だし、そこも強く意識して作りあげているので、ぜひ、ライブでも一緒に体感して欲しいなと思ってる。まずは3月25日のイベントで、てっぺんを取りますから。

取材・文●長澤智典

V.A.
『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』
2013年3月27日発売
REXUME-001 ¥2,300(tax in)
01.「xxx」is D£AD「shining days」
02.THEATER「THE SPIRAL IRRITATION」
03.Zelktage「Voice」
04.L「New World」
05.L&DS「ココロの地図」
06.METEOROID「DIVER」
07.Pastel Holic「明日の朝」
08.2nd awake「frost」
09.ヴァロア「舌媚-zetsubi-」
10.シックス「torment」

◆先行発売記念イベント
<V.A.『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』発売記念Event!!>
2013年3月25日(月)SHIBUYA-REX
L&DS(Guest)/「xxx」is D£AD/Zelktage/THEATER/L/Pastel Holic/2nd awake
OPEN 16:00 / START 16:30
前売¥2,700+D / 当日¥3,000+D
※当日限定購入特典有り
(問)SHIBUYA-REX 03-5728-4911
受付時間:14:00-22:00

◆THEATER オフィシャルサイト
◆渋谷REX オフィシャルサイト
◆ULTRAVIBE オフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系・V-ROCKチャンネル「VARKS」
この記事をポスト

この記事の関連情報