【インタビュー】Cyntia「新しくネオ嬢メタルっていうか、新派生みたいなものを作りたいって思う」

■このアルバムメタルベースにいろんな要素を取り入れている
■もっとメタルの世界観を広げていけたらいいなって思う

◆Cyntia～拡大画像～

――さて、で、メジャーデビューアルバム『Lady Made』なんですが、気合いがすごく伝わりますね。「既製品」という意味の「Ready Made」っていう言葉があるけど、これは「Lady」なんですね。

SAKI：造語なんです。AZUちゃんの曲のタイトルでもあるんですが、この曲のタイトルは歌詞の流れからつけたんですね。少女が大人の女性に成長していく、レディを作る＝Lady Madeみたいな意味で。アルバムが完成して全体の流れを見たら女性視点の曲が多かったりして。私たちもガールズメタルバンドってことで、女子が作ってるぞっていう意味で「Lady Madeっていうのはハマるんじゃない？」って。語感も気持ちいいしこれにしました。

――メタルと言っても、バラエティーに富んでますね。

AZU：レコーディングは修行のようでしたけどね。私はだいたいベースを録るときに、フレーズを何パターンか持ってって「どれにしよう？」って感じなんですが、どれもイマイチで、その場で考えながら録ったのもあるので。一人だったら絶対に発狂してましたね。その中でも特に聴いてほしいって思うのは「Chilly Nights」のベースなんですが、結構うねっている中でも緩急があるんですね。いつも自分のベースラインの中でストーリーを作っているんですが、それがハマった曲だったんですよ。ほかにもクラシック要素を入れて弾いてみたり。「睡蓮と蝶」って曲でもグリスにこだわりが詰まってるので聴いてほしいですね。

SAKI：「睡蓮と蝶」は私も印象深かったな。作詞に関してはデモを聴いた瞬間に頭にバッと浮かんだんです。これは昼ドラの曲だ、と。だから一時間くらいで書けちゃったんです。ストーリー性のある歌詞にしたので、ドラマティックに歌わなきゃと思って入り込んでたら、最後のほうには入り込みすぎて疲れちゃって(笑)。曲の中のストーリーは一回落ちて発狂してみたいな感じなんです。発狂のところでディレクターさんが「もっと激しく！」とか「そんな憎しみ具合じゃないから！」とかディレクションをしてくれて、自分の中で極限の状態を作って歌ったので、終わったあと意味なく息が上がってた(笑)。

――わかりやすく情念の歌だもんね(笑)。

SAKI：そうそうそう。歌詞を書くときは、最初に主人公の視点を決めるんですよ。私とか僕とか。今までは、ちょっと凝り性なのか、難しい言葉を使っちゃう傾向があったんですが、今回はメジャーに行くことによって、もっとたくさんの人に聴いてほしいって気持ちがあって、わかりやすい言葉にしなきゃっていう気持ちが強かった。今作では共作もさせていただいてるんですが、「この言葉はこういう言葉に置き換えたほうがみんなに伝わるよ」ってアドバイスをいただくこともあって。私の発想になかったことを勉強させてもらったんです。特に「深愛エゴイズム」がそうですね。わかりやすい歌詞になっている。そうやって、いろんな方と仕事をすることで、自分の中になかった引き出しを紐解いて、「こんな自分もあったんだ！」っていう発見が多かったアルバム制作で、楽しかったです。

AZU：「Lady Made」もSAKIちゃんの歌詞はよくハマってるから、ライヴでやるときはもっと歌を良くするために、アレンジを考え直してもいいのかなって思っていて、ライヴでやるのが楽しみですね。

――最近、女子のメタルが増えていますけど、そんな中、Cyntiaはどんなバンドでいたいですか？

SAKI：Cyntiaがメタルシーンに参入して活動している中で、嬢メタルっていう括りがあるんですけど、もっと新しく、ネオ嬢メタルっていうか、新派生みたいなものを作りたいです。

AZU：今回のアルバムは特にそうなんですが、バラエティに富んでいて、メタルをベーシックにしながらいろんな要素を取り入れていたりするんですね。特にポップス的なものが多いかなって思うんですけど。そこも踏まえて、次の作品からは、もっといろんなところのジャンルに派生していって、メタルの世界観を広げていけたらいいなって思うんです。Cyntiaのメンバーって、もともとメタル畑だけじゃないんですよ。私はハードロックだし、YUIさんはマイケル・シェンカーとかジャパメタとかも知ってる。SAKIちゃんはアイドルやっててビジュアル系が好きだったし、AYANOさんは芸術系の音楽をやってたし。そういういろんなところを寄せ集めて、みんなの引き出しから新しいものが作っていけたらいいですよね。

――実はメタルの要素って、ポップと言われている中にも、いろんな場所で出てきますからね。アニソンとかアイドルの曲で、ギターだけメタルっぽいとか。

SAKI：そうそう。きっとメタル要素って知らず知らずに皆さんが耳にしてるんです。みんなメタルってものを知らないだけで、実は聴いてると思うから、「それはメタルっていうんですよ！」って私たちは教えてあげたくて。みんなにメタルを聴いてほしいから、わかりやすい楽曲にして提示し、メタルを知るきっかけになりたいです。

取材・文●大橋美貴子



『Lady Made』
2013.03.20
初回限定盤A（CD＋DVD）：VIZL-526　\3,500(tax in)
初回限定盤B（CD＋Photobook）：VIZL-527　\3,500(tax in)
通常盤（CD）：VICL-64010　\2,800(tax in)
#1-CD
01.深愛エゴイズム -extended-
02.I Will
03.IV
04.Fly away
05.Chilly Nights
06.Lady Made
07.Jewel Stars
08.箱庭のイデア
09.Wish
10.Raison d'etre
11.睡蓮と蝶
#2-DVD
深愛エゴイズム
Run to the Future
Meteor Calling

Cyntia 1st Anniversary ワンマンライブ＜Re:Alive＞
2013.04.05 (金)shibuya O-WEST
[問]ホットスタッフ・プロモーション　tel : 03-5720-9999 ( 平日15:00～18:00

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