【インタビュー】Lil'B「もっともっとって欲が出てる。チャレンジできることに挑戦して新しいLil'Bを発見してみたい」
MIEとAILAのツインユニットとして'08年から活動をしてきたLil'B。しかし、2011年6月にAILAがかねてからの夢だった海外留学のためにLil'Bを卒業。以後はMIEのソロユニットとして活動をしてきたが、3月13日に新生Lil'B初となるアルバム『ナミダラブレター』をついにリリース。「失恋」をテーマにした今作は、恋を失った喪失感だけでなく、そこから前を向いて歩もうとする健気な強さも封じ込めた快心の作だ。
■できるかなっていう小さな不安はあったものの
■チャレンジすることの楽しさや、できたときの達成感があった
▲初回限定盤
MIE:はい。ソロでやっていくって決めたはいいものの、例えば二人でやってた曲が、ライヴでもうできなくなっちゃうんじゃないかとか、たくさんの人に心配されたんです。自分でも「どうしようか」っていうのは、その時はハッキリと決められていなかったので、最初はとりあえず走り出してみようっていう感じでした。ライヴでは、サポートしてくれているメンバーがラップもやってくれているんですよ。最初はそのスタイルが受け入れてもらえるのか不安でしたが、それはそれで別物っていう感じで受け止めてもらえてるのでホッとして「ライヴ、やっていいんだ。過去の曲も歌っていいんだ」って思ったら、急に気持ちがスッとしたんです。
――ライヴでそういう経験をしたからこそポジティヴな気持ちで制作に入れた?
MIE:そうですね。最初は一人でステージに立つというのがとにかく不安でしたから。ただ、制作となると1からなので、今作を作るにあたってはちょっと違う感覚でしたね。作る前は頭の中だけで考えて、気持ちだけ先走るっていうことが多かったんですが、制作に入ってみたら、自分の中でやりたいことと、第三者から見て、「こういう新しいLil'Bって面白いんじゃない?」っていうことをディスカッションをしながら制作できたんです。しかも新しい挑戦も多かった。できるかなっていう小さな不安はあったものの、チャレンジすることの楽しさや、それが一つできたときの達成感があった制作でした。みんなで作った一枚です。たくさんの人に支えられ、愛情とか温もりもこもったことがすごく嬉しいです。
――テーマは「失恋」なのにね(笑)。
MIE:そうなんです(笑)。制作はすごく愛に溢れていて。だから要所要所に愛情がちりばめられたというか。切ないながらも、私からも作家さんからも、愛情が浸透したところがあるって感じられるんですよ。
――失恋ソングと言っても、聴く人にとっては癒しですよね。そういうものには愛がないと癒されない。この作品がただ痛いだけじゃないのは、そういう部分ですよね。
MIE:そうなんですよね。どこかで自分を責めたり、ふさぎ込んでしまっていたような人も「私は私なんだ」って思えたり、「別れたけど出会えて良かった」とか、「新しい一歩を踏み出そう」って、最終的には笑顔になるタイミングまで側にいたいアルバムというか。そこまで見守れたらいいなって思うんです。
――だからボーナストラックの前の曲は「笑顔の花」なのか。
MIE:この曲は、「それぞれの道を選ぶ」という歌詞もあるので、「失恋」というテーマに当てはめたんですが、私の一年半にスポットを当てた曲だったりもして。わかってくれる人はわかってくれると思うんだけど、この一年半で感じたMIEの心の中の葛藤も描いていて。一年半待ってくれていたファンの皆さんに向けてのメッセージソングでもあります。このアルバムを通して、今まで見守ってくれてありがとう、これからもよろしくねっていう感謝の気持ちも込めて書かせてもらいました。みんなにも笑顔になって欲しいし、私を待っててくれた皆さんの笑顔にもまた会いたいんですよね。他の曲とはまた違う想いを込めたんです。最後にあったかい気持ちになれるような一曲になってほしいですね。
――なるほど。「失恋」がテーマだけど、最後は前を向いて次に向かっているんですね。
MIE:はい。「失恋」っていうテーマだけで聴いちゃうと、すごく暗くて重いアルバムなんじゃないの?ってヘヴィに思われがちですけど、実は違うんですよね。笑顔を見届けたくて作ったアルバムだし、温もりとか愛がいっぱい詰まってるし隠れてる。だから失恋した人だけに限らず、恋愛しているすべての人が聴いて、笑顔の素になれるような作品だったら良いなぁと思います。女の人って涙を流すことがストレス発散になったりもするし、「最近疲れちゃって、今日泣きたい」って時に聴いてもらってもいいかなって。女の子の笑顔や輝く源みたいになったらいいですね。
▲通常盤
MIE:Lil'Bと言えばラブソングを歌うっていうイメージが強いのかなって思ったんですが、一人になって、新しいLil'Bで一年半ぶりに出すアルバムでもあるので、色んな意味で「NEW」なイメージだったんです。そこは初心に返って、Lil'Bっていうのは、Little Betrayで小さなサプライズをちりばめて活動していきたいっていう意味を込めて名付けたものだったし、AILAの想いを引き継ぎたくて、私一人になってもLil'Bっていう名前でやっていこうって決めての第一弾なんですね。大きな意味での愛っていうのを歌って来たLil'Bが、真逆の失恋を歌ったらどうなるかなっていうところもサプライズなのかなって。
――失恋って一人になることだから、MIEさん自身も一人になったというところとも重なっていますしね。
MIE:そうですね。確かに。
――失恋した直後って相手のことを恨んだり、大嫌いって思ったりしますけど、でも、その前には必ず「好き」がありますよね。この作品は、好きだったときのハッピーな気持ちを思い出させてくれますね。悲しいけど、ハッピーな日々もあったし、大切な日々だったなっていうか。過去をちゃんと肯定してあげたくなるような。
MIE:うん。好きだったからこそ生まれた切なさだったり、はがゆさとか。失恋して悲しいっていうだけじゃなく、そういう部分にもスポットを当ててあげたい。時間がかかったとしても、「あの人に出会えて良かったな」とか、最後は辛かったけど、仲良かったときはすごい幸せだったよなとか。そういう風に思ってもらえたらなって思いましたね。
――失恋しても、そう思うと不幸じゃないですよね。この作品はそういう失恋。MIEさんも今一人でLil'Bの活動をはじめたけど、前向きな気持ちでこういう作品を作ったことが内容ともすごくリンクしているような気がします。
MIE:自分の中でもすごく思い切った部分があったんですよ。それがどう受け止めてもらえるのか楽しみでもあり、不安なところもあったりするんです。例えば「キミに歌ったラブソング」を英語詞で歌っていたりするんですけど、これは大きなチャレンジでしたよね。
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