【ライブレポート】スピードスター20周年イベントDay2「素晴らしい“歌”に酔いしれた二日目」

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スピードスターレコーズ20周年記念イベントの2日目が、1月19日にZepp DiverCity(TOKYO)で開催された。オフィシャルからのレポートを掲載する。

◆<SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Live ~LIVE the SPEEDSTAR 20th~>Day2 画像

スピードスターレコ―ズの20周年記念イベントも、いよいよ二日目。開演前には、オープニングアクトの黒沼英之が、しっかりと歌心を響かせる。短い時間ながら、新たな才能に、多くのオーディエンスが耳を傾けていた。そのあと、聞こえてきた場内アナウンスの声の主は、今日も出演するつじあやの。心地よい声で、イベントへの期待を高まらせた。

最初のアクトは、ハナレグミ。永積タカシは、東京スカパラダイスオーケストラの沖祐市(Key)と、真船勝博(B)を従えた3ピース編成でステージに現れると、真っ暗な中で「光と影」を歌い出す。さらに、呟くような歌から伸びやかに広がっていった「ハンキーパンキー」と、歌そのものの力で空間を染めていく。MCでも、「2000人の前なのに、アコースティックですみませんねえ。」なんて苦笑いしつつ、「でも、踊らせる気合いはあるから、俺たち!」とガツンと言い切ると、はじまったのは「明日天気になれ」。照明が眩しくなり、ハンドクラップが起こり、ぐっと開放的なムードになる。しまいには、永積はアウトロでPerfumeの「ポリリズム」を歌う大サービス。さらに、「沖さんが来てるから」と、スカパラにゲストボーカルで参加した楽曲「追憶のライラック」を披露。ミニマムなスタイルも嵌る名曲だ。続く「オアシス」の曲中では「今日は星野源ちゃんが病気で来れなくなっちゃったけど、みんなもパワーを送ってくれよ!」と、♪げげげげげーんちゃん、と歌い、沖もキーボードに登る熱演。全員が楽しみながら、ハッピーオーラを星野に向けて送った。ラストは「People Get Ready」を歌い上げて、見事に締め括った。

続いては、関口和之・つじあやの&ウクレレキャラバン。何と、この日初めてお披露目されるスペシャル・ユニットだ。しょっぱなから、関口「あやのちゃんがリーダーで」、あやの「いやいや!」なんて、ほのぼのとリーダーを譲り合う場面も。最後は関口が「この中で一番先輩なんで、サザン……ってバンドの曲をやらせて下さい。」と言い、「Ya Ya(あの時代(とき)を忘れない)」をウクレレ・インストヴァージョンで披露。関口は言わずと知れたサザンオールスターズのメンバーだが、まさか、ここで聴くことができるとは。続いて、このライヴのキッカケともなった、関口が昨年リリースしたアルバム「UKULELE CARAVAN」から、つじあやのがヴォーカルを務める「ウクレレキャラバンのうた」。関口のあたたかなウクレレの音色と、シンプルな演奏でますます冴え渡るつじあやのの歌声が溶け合っていく。「口笛吹きと仔馬」では、2007年の口笛世界チャンピオンである分山貴美子の口笛が鮮やかに響く。そして、ここまでグロッケンに歌にシェイカーに大活躍してきたつじあやのが、ウクレレを手にする。はじまったのは、自身の「風になる」。やはり、いい歌。その一言に尽きる。最後は、「Bitter Sweet Samba」をセッションしてステージを降りた。

幕間に、病気のために出演がキャンセルとなった星野源の生声のメッセージという貴重なサプライズを経て(元気な声だった!)、次に現れたのは浜崎貴司。一人でギターを抱えて「必要以上の拍手と、必要以上の声援を!」と煽り、「JOY!」へ。続く「ドマナツ」でも「みんな手拍子!」と呼び掛ける。歌も含めて、全てが力強い。「スピードスターとは、20年くらい付き合わせて頂いているんです。1月30日にも、ニューアルバム(『ガチダチ』)を出すんです。スペシャルコラボアルバムなんですけど、奥田民生さんとやった曲を……一人でやります。」。フロアには笑いが。しかも、その「君と僕」を、「間違えちゃったよ。」とやり直す。何だか、逆に美味しい展開としか思えない。その後は、本当に『ガチダチ』に参加したゲストである斉藤和義が登場。「如何にデタラメな曲か知ってもらって、残念な気分になって下さい(笑)」と言い、二人で「デタラメ」を歌う。この二人ならでは絶品のハーモニーで、この二人ならではの“デタラメ”な歌詞を歌う、刺激的すぎるナンバーに、オーディエンスも驚いたり笑ったり。さらには、二人の故郷である栃木を歌った「オリオン通り」も披露。栃木訛りの曲紹介から息がピッタリ。これは、何度でも見たいコラボだ。最後は、浜崎が一人で「最初にビクターで出した曲」と、FLYING KIDSのデビュー曲「幸せであるように」をめちゃめちゃブルージーに歌い上げた。

トリは、斉藤和義。実は、彼自身も今年はデビュー20周年なのだ。一人でギターを抱えて「どーもどーも。」とユルい調子で登場。しかし「ずっと好きだった」を歌い出すと、もう圧倒的な説得力。オーディエンスのハンドクラップも、ヴォリュームが上がるほどだ。「スピードスター20周年、おめでとうございます。今時レーベルカラーがあるのは、スピードスターと1個、2個くらいじゃないですかね。」とさらりと最高の賛辞を贈り、CMでもお馴染みの「メトロに乗って」へ。その後も、強いメッセージを盛り込んだ「ウサギとカメ」、何年経っても最強のラヴソング「歌うたいのバラッド」と名曲を続けながら、「カッコイイ!」と声が掛かると「じゃあ、やらして。」なんて返してしまうキャラクターとのギャップも、堪らない。星野源へ向けた「若いから大丈夫!」という励ましの言葉も交えつつ、ギター一本でこんなにアッパーに盛り上がるの!?と驚いた「I Love Me」、お茶の間を席巻した「やさしくなりたい」と畳み掛けていき、ラストは最新シングルの「月光」。ハーモニカの音色と歌声が、会場を包み込む。「歌うたいのバラッド」の歌詞の通りに、彼の<本当のことは歌の中にある>のかもしれないな── そんな想像を噛み締めながら、じっくりと聴いていた。

アンコールはセッション。永積が「スピードスターズです!」と自己紹介し、ハナレグミのサポートメンバーをバックに、今日の出演者がズラリと勢揃いして歌ったのは「ウイスキーが、お好きでしょ」。曲中で浜崎が「♪スピードスターはお好きでしょ、あやのちゃんは?」と振り、つじあやのが「スピードスター大好きです。20周年おめでとう!」と返す一幕も。最後は、みんなで♪ラララ~のシンガロングで大団円となった。アンコールでも改めて思ったけれど、素晴らしい“歌”に酔いしれた、贅沢な二日目となった。

written by 高橋美穂
photo by TEPPEI

【セットリスト】
黒沼英之(opening act)
1. Blue
2. パラダイス
3. 心のかたち

 ハナレグミ
1. 光と影
2. ハンキーパンキー
3. 明日天気になれ
4. 追憶のライラック
5. オアシス
6. People Get Ready

関口和之・つじあやの&ウクレレキャラバン
1. Ya Ya(あの時代(とき)を忘れない)
2. ウクレレキャラバンのうた
3. 口笛吹きと仔馬
4. 風になる
5. Bitter Sweet Samba

浜崎貴司
1. JOY!
2. ドマナツ
3. 君と僕
4. デタラメ
5. オリオン通り
6. 幸せであるように

斉藤和義
1. ずっと好きだった
2. メトロに乗って
3. ウサギとカメ
4. 歌うたいのバラッド
5. I Love Me
6. やさしくなりたい
7. 月光

En. SESSION 
ウイスキーが、お好きでしょ

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