【ライブレポート】土岐麻子、「血となり肉となった音楽は、すべてカセットテープが教えてくれた。」

ポスト

80年代から90年代にカセットテープで愛聴していた日本のポップスの名曲をカバーしたアルバム『CASSETTEFUL DAYS』を10月にリリースした土岐麻子が、12月10日にビルボードライブ東京にて<TOKI ASAKO “CASSETTEFUL DAYS” presents Special Night>東名阪ツアーファイナル公演を行なった。

◆<TOKI ASAKO “CASSETTEFUL DAYS” presents Special Night> 画像

アルバムリリースツアーとなった今回のライブでは、オリジナル曲を一切歌唱せず、全編カバー曲で構成するというスペシャルな内容。「イージュー★ライダー(奥田民生)」、「カルアミルク(岡村靖幸)」、「愛について(スガ シカオ)」など、最新アルバムからの楽曲を中心にオリジナル曲を土岐流にアレンジし、極上のパフォーマンスで聴かせてくれた。

7月には土岐と3人のキーボードだけという珍しい編成で<264 Keys, Singers 4 ~土岐麻子2012ライブ夏 ブラック&ホワイト カギは、鍵盤にあり!~>と題したツアーを行なったが、半年ぶりとなる今回のツアーもピアノ、ドラムス、コーラス(×2)という変則的な編成のバンドが土岐をバックアップ。「カバーした楽曲はどれも素晴らしいメロディーだったので、アルバムではハーモニーを大切にした。今日のライブも普段以上に“歌やハーモニー”にこだわった。」と、本人が語るように、コーラスを含む歌声を大きくフィーチャーしたライブとなった。なお、ライブでコーラスを務めた牧野竜太郎と斉藤花は、それぞれソロアーティストとしても活躍する実力派。土岐と3人で織り成すハーモニーは、時に心地よく溶け合い、時にアドリブによるスキャットでバトルを繰り広げるなど、変幻自在に観客を魅了した。

「血となり肉となった音楽は、すべてカセットテープが教えてくれた。カセットに感謝の気持ちを込めてカバーした。」と思い入れをたっぷり語ったMC。その暖かい音質、手間ひまかけてダビングすることによって生まれる音楽に対する愛着。配信全盛の時代ではあるが、デジタルの便利さを認めながらもアナログの質感も大切にする、そんなアーティストとしてのこだわりを感じさせるライブだったと言えよう。

土岐は現在、来春リリース予定となる次のオリジナルアルバムを準備中。リリースに合わせて2013年6月30日には日本青年館大ホールにてワンマンライブが決定している。詳細は後日発表される。

<TOKI ASAKO “CASSETTEFUL DAYS” presents Special Night>
セットリスト
01.Zanzibar
02.イージュー★ライダー
03.青空のかけら
04.カルアミルク
05.I LOVE YOU
06.(I Can't Get No) Satisfaction
07.くちびるヌード
08.It Don’t Mean A Thing
09.愛について
(アンコール)
10.Hello, my friend

メンバー
Vocal:土岐麻子
Piano, Chorus:斎藤有太
Chorus:牧野竜太郎
Chorus:斉藤花
Drums, Chorus:永田充康

◆ライブイベントレポートチャンネル
◆土岐麻子 オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報